ドーベルは、第二基地の独房に来ていた。目的は中にいるジオンのエース部隊、黒騎士隊に所属していた捕虜の話を聞くためだった。と、言っても尋問は既にハンドラーとシープドック隊が行っていたが大した情報は持っていたかった為そのまま独房に閉じ込めていたのだ。
ドーベルが訊きたい事はもちろん、リーファのことだった。捕虜の独房の前に来るとドーベルは、軽くノックをした。
「なんだ?」
「アンタに訊きたいことがある」
「俺が知ってる事は全部話したぜ」
「悪いけど俺が訊きたいのはお前らの部隊にいるリーファのことだ」
「?リーファ副隊長の?」
リーファのことを訊かれ捕虜は、首をかしげると。
「俺の元の出身は、ジオンだ。そして俺は彼女の幼馴染だ。戦争に巻き込まれないようにサイド3からサイド6へ急いで移住したから彼女とは別れの挨拶もできなかった・・・・って、それはどうでもいい。なぜ、リーファが戦場にいるんだ?お前らが無理矢理戦場に送ってるのか?」
ドーベルがそう訊くと。
「ちょっと待て。お前、ジオン出身って言ったよな?・・・・お前、名前はなんだ?」
なぜか、ドーベルの名前を訊き返してきた。
「ドーベルだ。ドーベル・ウィンターズ。階級は、曹長だ」
ドーベルは、素直に答えると。
「!!なるほど、お前が隊長が言ってたジオンを裏切った男か」
この時、捕虜が言ったことに疑問を感じ首を傾げ
「どういう意味だ?」
と、質問した。
「なるほど、そういうことか。いや、気にしないでくれこっちの話だ」
そう言って捕虜は、扉に近づくと。
「副隊長のことを知りたいって言ってたな。何を知りたい?」
「?簡単に情報を吐くんだな」
簡単にリーファの事を話そうとするので眉を顰め訝しんだ。
「別に信じないなら信じないでいいぜ。俺は大した情報は、知らねーけどこれだけは言える。俺は黒騎士隊の隊長が嫌いだ」
「ハァ?」
「正直、さっさと死んでほしいとも思ってる。仲間や副隊長は、生き延びてほしいけど隊長は、絶対に死んでほしい。少なくともマドラス基地にいる兵士は全員そう考えているぜ」
捕虜の話を聞いてドーベルは耳を疑った。
「だからよ、隊長が不利になるなら、お前に情報を売るのも一興だろ」
捕虜は、そう言って話し始めた。
「まず、副隊長は、隊長の婚約者だ」
「婚約者?」
「そうだ。だけだよ、隊長は副隊長にベタ惚れだけど副隊長は、隊長を死ぬほど嫌ってる・・・・いや、あれは嫌ってるじゃなくて無関心だな。隊長の父親は、ギレン派の政治家でよ、それなりに発言力があるんだ。隊長が副隊長を自分の手元に置いておきたいから父親にわがままを言って無理矢理副隊長を黒騎士隊に入れたって噂だ」
「それで?」
「隊長は、かなりめんどくせぇ奴でよ。隊長は仕事ができる奴だけど気に入らないことがあったり仕事に失敗したら凄い勢いで噛みついて来て時には手を出すこともある。時には、上官にすらも噛み付くこともあるんだ。だけど、偉大なお父様のおかげで上官に噛みついてもなんのお咎めもないんだ」
「おい、隊長の話はいいからリーファの話を」
「待てって、順番に喋らせろ」
そう言われてドーベルは黙った。
「まぁ、早い話、隊長は、副隊長を隊長の女だと認識させる為に週に3回は副隊長を抱くんだぜ」
「・・・・」
「でもよ、副隊長は、そのせいか知らねーけど心を閉ざしてよ隊員や他の奴らが話しかけても副隊長は無反応。あそこまで行ったら副隊長には悪いけどあれはもう隊長の『人形』って、言ってもいいかもな」
「・・・・・そうか。だから、リーファは俺と出会ったことに狂ったように笑ったんだ。黒騎士隊隊長から引き離してほしいからリーファは、俺を欲しがったのか」
「え?副隊長笑ったの!?無表情で人形みたいな副隊長が笑ったの!?それめちゃくちゃ興味あるんだけど!」
「隊長の名前はなんだ?」
「さすがにそれは言えねぇな」
黒騎士隊の隊長を嫌っていてもさすがに名前までは、教えてくれなかった。とりあえず、うまくやればリーファを保護できるかもしれない可能性が生まれた事を良しとして独房のから離れようとすると。
「おい、ドーベル・ウィンターズ」
捕虜に呼び止められた。
「もし、副隊長を助けたいんなら何があっても隊長を殺せ。そうすれば、副隊長は、助かるはずだ。それともう一つ、隊長は、お前を強く怨んでいる」
「どういう事だ?」
「さぁ、そこは自分の目で確認しな」
そう言って捕虜はベッドの上で横になると。
「お前の正義と隊長の憎しみ、どっちが勝つかここから見物させてもらうぜ」
と、言った。
「これより、第三基地攻略作戦のブリーフィングを始める」
そう言ってハンドラーは、作戦の説明を始めた。
「今回の作戦は、海軍との合同で行う」
「海軍と合同で?」
カイル軍曹が首を傾げた。
「そうだ。連邦軍は、大規模反抗作戦オデッサ作戦を開始したが海軍は暇を持て余している。そこで海軍にも仕事を回した。軽巡洋艦1隻と駆逐艦2隻の艦隊で艦砲射撃を行い第三基地に係留している軍艦を撃破する。そして我々ドッグズは、陸から攻撃をする。ハウンドドックは、左からバトルドックは、右から攻めシープドックは、砲撃支援でハウンドドックとバトルドックを援護挟み撃ちで一気に畳み掛けるんだ」
そう言って話が進む中、ドーベルは、別のことを考えていた。
(・・・・あそこには黒騎士隊のザクがいたけどリーファが乗っていたのは専用カスタムされていたドムって機体だった。いる可能性は、低いけどもしいたら・・・・俺はアイツを保護できるのか?)
「ハウンド1!!」
ハンドラーに呼ばれビクッと肩を振るわせ意識がハンドラーの方に向くと。
「聞いていたのか?」
「えっ?えっと、はい」
「・・・・なら、作戦を言ってみろ」
「えっ?えっと・・・・・とにかく海軍と挟み撃ちをするんですよね?」
ドーベルは、そう答えると。
「・・・・まぁいい、ハウンド2、ハウンド3。後でちゃんと説明しておけ」
「す、すいません」
ドーベルは、頭を下げて謝りそして作戦ブリーフィングは、終了し出撃するのだった。
第三基地では2人の黒騎士隊に所属しているエースが格納庫にある2機のモビルスーツを見ていた。
「これが俺達に与えられた新型か」
「なんか、人型っぽくないな。こいつって本当に使えるのか?」
整備兵にそう訊くと。
「モビルスーツの性能を引き出せるかはお二人次第ですがゴックのデータから更なる改良を受けた結果、ツィマッド社の傑作機として高い評価を受けているので性能は間違いありません。特に水中であればこの機体は最強を通り越して無敵のはずですよ」
と、答えた