機動戦士ガンダム-ハウンドドック-   作:ナイトメア・ゼロ

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「第133基地まで落ちたのか!?」

 マドラス基地の司令官はそう言って机を強く叩き立ち上がった。

「はい、しかも黒騎士隊のエース2人も戦死しズゴックも破壊されたようです」

 報告を聞いた司令官は、ため息を吐いて灰皿に置いていた葉巻を咥えた。ニコチンを摂取して少しでも落ち着こうとすると。

「司令官はいるか?」

 レックス大尉が入ってきた。

「なんのようだね大尉。見ての通り私は今忙しのだが?」

 司令官はレックス大尉を睨みつけると。

「申し訳ありません司令官。今回の第133基地の防衛失敗は、ある意味で俺の責任だ」

 そう言ってレックス大尉は、頭を下げた。

「本当に情けない奴らに防衛を任せてすいませんでした。ったく、役立たずが。与えられた仕事もまともにこなせないとは黒騎士隊の恥だな」

 レックス大尉がそう言うと司令官の顔が険しくなった。

(自分の部下を仲間を殺されてるんだぞ?なぜ、そんな冷酷なことを言えるんだ)

「なんだ司令官?」

 だが、司令官は何も言わない。レックス大尉の父親はギレン派の政治家。対して司令官は、どの派閥にも所属してないただの一軍人。レックス大尉に手を出してギレン派に睨まれるのは望むところではなかった。

「いや、それよりも第132基地の防衛はどうなっている?」

「大丈夫だ。あそこは、リーファと俺が防衛に着く。なにやらドッグズとかいう連邦のモビルスーツモルモット隊がいるみたいだがおれとリーファにかかればあんなザコは、一瞬だ。朗報を期待しとけよ司令官」

 そう言って大笑いしながら出て行った。

「・・・・・今回ばかりは連邦のモビルスーツ隊を応援するかもしれんな」

 そう言って葉巻を灰皿に押し付けるのだった。


28話 嵐の前の静けさ

「それは本当なのか?」

 

「仮説でしかありませんがね」

 

 第三基地を奪還しジャブローと通信をしているハンドラーは、あることを報告していた。

 

「信じられんな。モビルスーツ用の兵装がジオンに横流しされてるなんて」

 

「まだ決まったではありません。ですが、実際にまだそんなに量産されてないはずのハープーン・ガンがこの基地にあった」

 

「確かにハープーン・ガンは、海軍の一部隊には配備しているが少なくともマドラス付近に連邦海軍が出撃した記録はない」

 

「別の場所で鹵獲されたにしてもなぜ、こんなところにあるかも分からない・・・・が、一番分からないのは」

 

 ハンドラーは、データを見ると。

 

「これは明らかに何者かが手を加えていることだ。強化されてる上に連邦製モビルスーツだろうがジオン製モビルスーツだろうが関係なく使えるように洗浄されている」

 

「・・・・・ジオンがやった可能性もあるが分かった。こちらで調べてみよう」

 

「感謝する」

 

 そう言ってハンドラーは、通信を切ろうとすると。

 

「そういえば、お前達には関係ないが一応、報告しておく。オデッサ作戦は失敗するかもしれない」

 

「!?どういうことだ?」

 

 ジャブローからとんでもない爆弾が落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞いたか?オデッサは、今かなりやばい状況らしいぜ」

 

 第三基地を奪還したものの各モビルスーツが中破、大破レベルまでもっていかれたドッグズは、修理とフルメンテナンスする必要があった。それまでの間、暇になったドッグズは、ハンドラーから特別休暇をもらいみんなで飲みに行っていた。

 クロウ少尉がビールを片手にそう言うとアシュレイ少尉は驚いて呑んでいたビールを吹き出してしまった。

 

「きたな!なにすんだよ!」

 

 目の前の碁盤とカイル軍曹にビールがかかりカイル軍曹が少しキレた。

 

「お前!なんで知ってる!?それは、極秘情報だぞ!?」

 

 アシュレイ少尉がクロウ少尉の胸ぐらを掴んだ。

 

「お前の部下から聞いたんだよ。流石に詳しくは聞いてねーけど」

 

 アシュレイ少尉が2人を睨みつけると2人はバツが悪そうに目を逸らし酒を飲んだ。

 

「とりあえず、あの2人は後でハンドラーに報告しておきましょう」

 

 アシュレイ少尉は、ため息を吐いて左手で顔に触れ首を振った。

 

「それでなにがあったんですかアシュレイ少尉?」

 

 ドーベルが訊ねるとアシュレイ少尉は、座り直し。

 

「オデッサでジオンの新兵器をくらったようなんです」

 

と、言った。

 

「新兵器?」

 

 ドーベルが首を傾げた。

 

「詳細はまだ分かっていませんがどうやら超大型のメガ粒子砲を受けオデッサ攻略軍は、全体の戦力の約3割をもっていかれたそうです」

 

「3割も!?一体どんな兵器を使ったのよ!?」

 

 被害を聞いたレベッカは、目を丸くしドーベル達も飲んでいた酒やつまみを吹き出しそうになった。

 

「まさな、核を使ったとかじゃないよな?」

 

「聞いてなかったのですか?私、言いましたよね?超大型のメガ粒子砲だって」

 

 話を聞いてなかったのかカイルがそう言いアシュレイ少尉が訂正すると。

 

「話ちゃんと聞いとけよカイル。だいたい、ジオンだって南極条約をちゃんと守ってる。条約を無視したこうげきなんてするはず・・・・・・」

 

 ドーベルが途中で言葉を詰まらせた。

 

「ドーベルだって詰まってるじゃねーか。俺のイメージするジオンならやりかねねーぞ。コロニー落としはともかくとして核ミサイルによる攻撃とか」

 

「元故郷なのに弁護できる要素がない」

 

 ドーベルは、テーブルに倒れ落ち込んだ。

 

「レビル将軍はどうなってるんですか?確か、レビル将軍がオデッサ攻略軍の総司令官だったと思うですけど」

 

「そこまでは情報が入ってませんがまだオデッサの戦いが続いてるならたぶん生きてるでしょう」

 

 レベッカの質問にアシュレイ少尉はそう答えると。

 

「それよりもいよいよ、第四基地です」

 

 そう言ってアシュレイ少尉は、話題を変えた。

 

「あそこが落ちればマドラスでの制空権も完全に奪還できマドラス全体も落ちたも同然ですね」

 

 それに乗っかるようにジャック軍曹がそう言うと、

 

「第四基地か」

 

 そう言ってドーベルは、遠い目をした。

 

(リーファ・・・・第四基地は、お前が防衛してるのか?お前を支配してる黒騎士隊のリーダーは、誰なんだ。そいつを殺せばお前は自由になれるのか?・・・・・・あの時、俺がジオンから離れた時、一体何があったんだ?)

 

「ドーベル?」

 

 レベッカに声をかけられドーベルは、我に返ると。

 

「な、なんだレベッカ?」

 

「どうしたのボーッとして」

 

 レベッカは、心配そうな顔を向けてきた。

 

「大丈夫だ。なんでもないよ」

 

 そう言ってドーベルは、無理矢理入れられたビールを飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第四基地の滑走路。そこにはリーファ専用のドムがしゃがんでおりドムの左手にリーファが立っていた。

 

「クフフフ、フヒヒヒッ」

 

 リーファは、不気味な笑い声を上げると。

 

「もうすぐだ。もうすぐで会えるねベル」

 

と、呟いた。

 

「早く、会いたい。ベルの声を聞きたい、ベルの目が見たい、ベルの髪の毛が欲しい、ベルに抱かれたい、ベルの体液が欲しい、嗚呼、ベルの全てが欲しい」

 

 両手が頬に触れ恐ろしい狂気のような色気を放ちながらそう言うと。

 

「今、なんて言った?リーファ」

 

 いつの間にかレックス専用イフリートが来ていた。

 

「今、ベルって言ったな?」

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