リゾートビーチから出撃したハウンドドック隊は、マドラス第一基地の近くにある小都市に向かっていた。
「ったくよ。なんで、俺達があんな価値のない小都市を制圧しなきゃなんねーんだよ。後続の部隊でいいじゃねーか」
ハウンド2は、ブツブツと文句を言っていた。
「仕方ないでしょハウンド2。ハンドラーからの指示なんだから」
「だけどよ、ハウンド3。なんかバトルドック隊にいいとこ取りされたようじゃねーか」
2人が話していると。
「我慢しろよハウンド2。そもそも俺達とバトルドック隊じゃ仕事の内容が違うだろ」
ハウンド1が索敵をしながら言った。
「というか、なんでそんなにライバル視してるんだハウンド2?バトルドック隊の方はハウンドドック隊をライバル視するのは分かるけど」
ハウンドドック隊の仕事は、威力偵察や奇襲を前提とした先制攻撃、可能であれば拠点の制圧が主な仕事。
バトルドック隊は、正面からの戦闘や基地の破壊及び制圧が主な仕事。それ故、バトルドック隊は、常に一番槍を欲しがっているが部隊の特徴上どうしてもハウンドドック隊が一番槍の可能性が高くなってしまう。
バトルドック隊が一方的にライバル視しているのはそれが原因だった。だからこそ、なぜハウンド2・・・・・カイル軍曹はバトルドック隊をライバル視しているのか2人は分からなかった。
「なんでかって?そんなの決まってんだろ」
そう言ってハウンド2は死んだ目をした。
「訓練時代、未成年だって言ったのに無理矢理飲ませやがって・・・・あの時の恨み今でも忘れてねーからな」
「懐かしいな。訓練時代、休日日は、よく飲まされたっけ?訓練が終了して配属されてまだ日が経ってないのにもう懐かしく感じるな」
ハウンド1は懐かしそうな顔をした。
「そういえば、ハウンド2はよく、バトルドック隊につぶされてたっけ?」
「だから、復讐するんだよ!アイツらの活躍片っ端から奪ってやるつもりだったのによ!」
すると。
「ハウンド2、ハウンド3。思い出話は一旦終わりだ。やっと、着いたぞ」
ハウンド1がそう言うと視線の先には小都市が見えた。ハウンド1とハウンド2は、100ミリマシンガン、ハウンド3は、ロケットランチャーを構えるとそのまま侵入を開始した。
一方、主力部隊とバトルドック隊は、マドラス第一基地に進軍していた。情報を掴んでいたジオンは既に迎撃の準備が完了していた。
マゼラアタックが8台、ザクが6機そしてその他、防衛兵器が用意されて防衛陣形が作られていた。
「陣形はオーソドックスな防衛陣形ですね。どうしますかハンドラー?」
ホバートラックにいるハンドラーは、隣にいるマドラス攻略司令官を見ると。
「司令、やはり、ハウンドドック隊の到着を待つべきです。ハウンドドック隊には、小都市の制圧後、そのまま第一基地への進軍を命令しています。うまくいけば敵の側面を奇襲することもできますしそれに合わせれば」
「しつこいぞ大尉。大尉も分かってるだろ?我が軍には時間がないんだ。この地の制空権は、完全にジオン軍のものだ。我々を侮ってるのか爆撃をしてこない内に第一基地を奪還し戦力の増強を急がなければならないんだ」
マドラス攻略司令官は、そう言ってハンドラーに命令した。
「大尉、戦車隊を砲撃しながら進軍させる。君のバトルドック隊は、モビルスーツ戦の方を任せたい」
「了解・・・・ですが、バトルドック隊は私の言う事を聞いてくれないかもしれませんよ?」
ハンドラーは、そう言うと。
「バトルドック隊に通信。戦車隊と連携しつつ敵モビルスーツ隊を撃破しろ」
「了解」
オペレーターの女性兵士はそう言ってバトルドック隊に通信をするが。
「・・・・ハンドラー。バトルドック隊、味方を無視して敵に突っ込んで行きました」
オペレーターの報告を聞いてマドラス攻略司令官は、目を丸くした。
「やっぱりか」
ハンドラーは、分かっていたのかククッと微笑していると。
「バトルドック隊は何をやってるんだ!!これでは作戦の意味がなくなるじゃないか!!」
「それがバトルドック隊の仕事ですよ司令。真正面から敵に突っ込み敵を食い散らかす。味方との連携を無視しますがその分、彼らは強力な火力を我々に見せてくれますよ」
ハンドラーがそうフォローするとマドラス攻略司令官は、頭痛を抑えるように頭を押さえ。
「戦車隊長に伝令、作戦を変更。バトルドック隊の援護に回れ」
「了解」
バトルドック隊は、ロケットランチャーとミサイルランチャーという大火力で攻撃しマゼラアタックを3台、ザクを3機撃破した。
「今のところは順調だな。作戦はめちゃくちゃになったが結果的に短期決戦になってよかったよ」
マドラス攻略司令官はホッとしていると。
「司令、まだ、安心はできません。警戒を怠らないよう」
その時だった。前線で大きな爆発音と地響きがなった。
「なんだ!?」
マドラス攻略司令官は、驚愕した。
「状況報告!何があった!?」
ハンドラーは、オペレーターに何があったのか訊くと。
「砲撃です!さっきの砲撃で61が3台ヤられました!」
「残りの戦車隊とバトルドック隊は!?」
「戦車隊は大破が2台、中破が1台残り3台の61は、小破ではありますが戦闘に影響はありません!」
「歩兵部隊のほうはどうなってる!?」
「現在、確認中です!」
2人のやりとりにマドラス攻略司令官が割り込むと。
「さっきの砲撃はどこからだ!?」
と、訊いてきた。
「現在、確認中!少し待ってください!・・・・・解析完了しました!弾道から予測すると敵の位置は北東、ハウンドドック隊が向かっている小都市からの砲撃です!!」
小都市に侵入したハウンドドック隊は、小都市に配備されていたジオンの戦闘ヘリや戦闘車両がミサイルを発射して陸戦型ジムを攻撃するがハウンドドック隊には効いておらず次々と撃破されていた。
「やっぱりこの程度しか配備されていませんでしたね隊長」
「そうだな。マゼラアタックくらいはあるかなって思ってたけど案外、すぐに片付きそうだ」
ハウンド1とハウンド3がそう話していると。
「!?な、なんだ?」
突然、砲撃音が鳴り響いた。ハウンドドック隊は、反射的に砲撃音が鳴った方向を見ると。
「確認に行くぞ」
そう言って警戒しながら進んだ。ビルに隠れながら確認すると。
「!?なんで、こんな所にあんなのがあるんだ?」
ハウンド1は目を疑った。
「どうした隊長?」
ハウンド2とハウンド3も確認するとそこには偽装ペイントをされた大型陸戦艇ダブデがあった。