報告は突然だった。
「その情報は本当なのか!?」
「間違いありませんハンドラー。ジオン軍の新兵器によりレビル将軍率いる艦隊が大打撃を受けました」
星一号作戦が始まろうとした時、連邦艦隊はジオン軍の新兵器【ソーラーレイ】により大打撃を受けたのだ。しかし、新兵器の事を知らなかったドッグズは、この突然の情報に驚愕していた。
「レビル将軍は、無事なのですか?」
「不明です。艦隊の方も混乱していて情報がめちゃくちゃに」
レベッカの報告を受けてアシュレイ中尉は、少し考えると。
「ハンドラー、ここは一旦コンペイ島に向かうべきです。あそこなら情報整理もしやすくこの先どうすればいいか分かるでしょう」
と、進言した。
「いや、艦隊との合流をしよう。おそらく、残存艦隊が再編成と生存者の救助を始めるはずだ。あり得ないがもしかしたらそこを狙って黒騎士が攻撃をする可能性もある」
しかし、アシュレイ中尉の進言を却下し残存艦隊との合流を決めた。アシュレイ中尉は不満そうだったがハンドラーが決めた以上従うことにしドーベル達も特に嫌がる素振りも見せず従った。
「アシュレイ中尉は、どのように考えるんですか?」
そう言ってアシュレイ中尉の囲碁の相手をしているドーベルが質問をした。
「たぶん、レビル将軍はジオンの新兵器で戦死してるでしょう。さすがの将軍も2度目の悪運は続かなかったみたいだ」
「2度目の悪運?」
アシュレイ中尉の答えにドーベルは首を傾げた。
「知らなかったのですか?レビル将軍は、大出力の質量兵器に縁があるんですよ」
「縁って、連邦艦隊に大打撃を与えるような新兵器がそんなポンポン出てきてたまるもんですか」
そう言って白の碁石を置いた。
「だが、ジオンはそういった新兵器をポンポンと前線に出してくる。ジオンの技術力は、連邦より10年も進んでるみたいですから」
「ジオン脅威のメカニズムって奴ですか?」
「だが、どちらにしてもジオンには国力がない。どれだけ新型のモビルスーツを作ろうと強力な新兵器を作ろうとそれを量産し実戦配備させれるほど国力に余裕はない。まさに、『ジオン兵なし』って奴ですよ」
「そう言えば、レビル将軍は、大出力の質量兵器に縁があるんですよね?最初はどこだったんですか?もしかしてコロニー落としとかじゃ」
「いや、オデッサの戦いでレビル将軍は、超大型メガ粒子砲を受けたらしい。あれで、レビル将軍が搭乗していたビッグトレーが大破したらしい」
「超大型メガ粒子砲?よく生き残ってましたね」
そう言ってる間にドーベルは、白の碁石をごっそりと取られてしまった。
「あ、負けた」
「・・・・ゲームをやっていて感じたがドーベル准尉、お前は本当に純粋なパイロットのようだな」
「どういうことですか?」
「お前は、指揮官や隊長に向いてない。お前はどちらかというと『リードパイロット』向けなのかもしれませんね」
「?なんですかそれ?」
「指揮官や隊長は、戦場全体を見て最適な行動を指揮するがリードパイロットは、後続の部隊や味方を動きやすくする者のことだ」
「囮とかに使いやすいってことですか?」
ドーベルは、不満そうな顔で碁石を回収した。
「そうだ。お前は操縦技能も高いし基本的になんでもできるオールラウンダー。だからこそ、お前は使いやすい駒だ」
そう言って、黒の碁石と白の碁石を置いた。
「今回は、バトルドックとシープドック、ガードドック、ハンドラーすらも囮になる。ドッグズが囮になってお前と黒騎士を1対1の勝負に持っていくが勝算はあるんでしょうね?」
「その前に本当にレックスがこの艦を襲うのかな?護衛艦もついてないし怪しんで襲って来ないかもしれませんよ?」
「そんなことはどうでもいい。お前が勝てるかどうかが重要だ。お前が負けたらハンドラーのドッグズは解散になってもおかしくありませんからね」
「分かってますよ」
そう言ってると敵襲警報が鳴った。
「総員、客が来たぞ。客は黒騎士だ。盛大に迎えてやれ」
ハンドラーの放送を聞きながらドーベルもノーマルスーツに着替えヘルメットを被った。
(・・・・レックス。・・・・やっぱり、これが俺達の運命なのかもな)
獲物を発見した黒騎士隊は、ドーベルが乗っているコロンブス級に襲いかかった。新型のリックドム、【リックドム高機動試験型】通称、PR型に乗ったレックスは、ビームバズーカを構えた。
「!!いるな、ドーベル」
彼もリックドムPR型に乗るためにギレンの強化手術を受けリックドムPR型のGにも耐えられるようになりさらにリーファの時と同じように彼も偶然とは言えニュータイプに覚醒したのだ。
ニュータイプの感覚でドーベルの気配を感じとるとレックスは、ドーベルを引きずり出すつもりなのかビームバズーカを撃ちそれに続くように黒騎士隊のザクが数機突撃した。ビームバズーカのビームを躱しコロンブスは、カタパルトデッキからはバトルドック隊のジムコマンドとシープドック隊のジムキャノン、甲板に取り付いていたガードドック隊のジム・ガードカスタム、そしてハウンドドック隊のジムコマンドが2機出撃した。
そして、ドーベルのプロトジーラインが出撃した。
それを確認したドッグズは、ドーベルを援護するようにプロトジーラインの道をあけるとレックスは、ドーベルの存在を感じとり誘うようにその場から離れた。それを見たドーベルは、レックスを追いかけ両者部隊からある程度離れたデブリが多数ある宙域で睨み合った。
「・・・・・レックスで合ってるな?」
ドーベルは、オープンチャンネルで呼びかけた。
「殺してやる!お前だけは、俺の手で!!」
ドーベルは、レックスを見て悲しそうな顔をし覚悟を決めた。
「レックス、決着をつけよう。あの日からすれ違い続けた俺達の運命に」
そう言って、ドーベルは、上下ガトリング砲を構えた。