ドーベルは、ビームサーベルを抜きレックスとの格闘戦を考えていた。息を吐き出しいざ戦場に飛び出そうとした時だった。
(待ってベル、あれ)
「ん?」
メインカメラがジムのラージシールドが浮遊しているところを捉えた。
「あれはジムのシールド」
ドーベルは、ジムのラージシールドを拾うとそのまま左手で持ちビームサーベルを構えた。
「何もないよりマシって言うべきか、ラッキーって言ったらいいのか分からないな。(それにしても、なんかやたらとついてるような気がする。もしかして非科学的だけどリーファの加護みたいなのがついてるのか?)」
(本当は隣にいるんだよ。でも、ベルはニュータイプじゃないから私のことは見えてないみたいだけど)
ドーベルは、ブースターを吹かしてレックスを探し始めた。
「死ねぇ!!」
「!!」
すると下からレックスが姿を現し胸部拡散メガ粒子砲を撃ってきた。
「下からか!」
ドーベルは、拡散メガ粒子砲を躱しそして高機動で突っ込んできたレックスのビームサーベルの突きをビームサーベルで受け流した。そしてそのまま背中に頭部バルカンを撃ち込んだ。
「リックドムPR型のバックパックを舐めるなよ!なにせこいつは、大推力スラスターが弱点になるからな!破壊されなように装甲も頑丈になってるんだよ!」
そう言って旋回してビームサーベルで突いてきた。ドーベルは、ビームサーベルを振り激しい斬り合いが始まった。時折、頭部バルカンやキャノン砲で攻撃をするが頭部バルカンはのような豆鉄砲じゃリックドムPR型には、たいしたダメージを与えられずキャノン砲も簡単に躱された。
「チッ、やっぱり格闘戦になるとレックスの方が何枚も上手だな」
ラージシールドでレックスのビームサーベルを防ごうとしたが予想通りシールドは、簡単に貫かれプロトジーラインの左頭部をかすめた。
「左モニターが!」
左モニターは、さっきのビームサーベルをかすめたせいなのか映ってはいるもののノイズが走り左側の外が見えにくくなってしまった。
(大丈夫だよベル。見えない所は私がなんとかするから)
幸いな事にレックスは、まだ気づいておらず。
「これで死ねぇ!!」
胸部拡散メガ粒子砲で至近距離からドーベルを殺そうとした。それを見たドーベルは、咄嗟に蹴りを入れた。蹴りをいれられたレックスは、後ろに吹き飛び胸部拡散メガ粒子砲は、明後日の方向に飛んでいった。
「ドーベルぅぅぅぅっ!!ッ!!」
レックスも一応、ニュータイプとして覚醒した男。ドーベルの視界が制限されたことに気づくのはすぐだった。だが、皮肉なことにそれを知ったのはドーベルの近くにいるリーファは魂の声を聞いたからだ。
しかし、レックスは、追撃をせずにその場に止まった。突然、動きを止めたことにドーベルの猟犬としての嗅覚が攻撃するのを止めると。
「なんでだ・・・・・・なんで、お前はずっと、俺が欲しかったものが・・・お前なんかに・・・・・」
「?レックス、泣いてるのか?」
レックスは、泣いているのか声が震えていた。
「権力とか金とかどうでもよかった。親父の事は昔から嫌いだった。だけど、お前もリーファも俺が欲しかった、家族の愛情を常に持っていた。俺がリーファに惚れたのにリーファは、俺のことを見ずにお前だけを見ていた!!俺は、俺を愛してくれる人が!!家族が欲しかった!!なのになんでお前みたいな凡人にばかり与えられるんだよ!!俺はフェンシングの天才って呼ばれてこの戦争で【黒騎士】って呼ばれるようになった英雄なんだぞ!!なんでだ!なんで、そんな俺がお前みたいな凡人に負け続けるんだよ!!」
「レックス」
ドーベルは、目を瞑りゆっくりと開くと。
「なぁ、レックスには、見えてるみたいだけど俺にはお前の姿が見えないし声も聞こえない。だから、これは独り言だと思っていい。もし、俺の隣にリーファ、お前がいるんだとしたら頼みがある」
(ベル)
「レックスがあんな風になったのもお前が死ぬ原因になったのも全部俺のせいだ。俺は2人の幼馴染という立場でありながら俺はレックスの後ろをついていくだけでリーファに想われておきながらそれに気づかなかったバカだ。そんな俺が頼むのも烏滸がましいかもしれないけどそれでも頼む。リーファ、レックスを見てやってくれ。レックスを愛してやってくれ」
そう言ってドーベルは、首にかけていたリーファの写真が入ったロケットペンダントを開きリーファの写真を見た。
「これで決めるぞ。リーファ」
ドーベルは、そう言うと腰の10連装ミサイルランチャーからミサイルを全弾発射した。ミサイルの弾幕はレックスに向かって飛んでいきレックスは、それを躱しながらドーベルに突っ込んだ。
「ドーベルぅぅぅぅぅぅっ!!!」
ビームサーベルで突きをいれてきたがドーベルは、ラージシールドでビームサーベルを防ごうとしたが貫通し防御できなかった。・・・・いや、これがドーベルの狙いだった。
「レックス!これで決着をつけてやる!!」
そう言ってそのままラージシールドでレックスを殴った。レックスは、後ろに吹き飛びそれに合わせて頭部バルカンでリックドムPR型のモノアイを破壊した。
「たかがメインカメラを破壊したくらいで俺に勝てると思うなよ!!」
そう言って胸部拡散メガ粒子砲をフルチャージして強力なビームを撃った。しかし、ドーベルはブースターを吹かして急上昇しそのまま無理矢理軌道を変えてビームサーベルを構えた。
「お前のことは見えてるぞドーベル!!」
その時にレックスは気がついた。
「!?リーファの奴、どこにいった!?」
その時だった。
(レックス)
レックスは、温かい気配感じた。振り返るとそこにはリーファの魂があった。
「リーファ?」
(ごめんねレックス。ずっと嫌な思いをさせて。ずっと孤独を味わせてごめんね。私、最低の女だよね。だけど、もういい。もういいの。もう、頑張らなくていいの)
リーファは、背中からレックスを抱きしめた。
(私はベルを守りたいの。だけど、同時にあなたも助けたい。行き先は地獄かもしれないけど今度は地獄でちゃんと上げよう。私とレックスの結婚式を)
「!!それって」
(レックス、地獄へでもどこまでも一緒にいてくれる?)
この時、リーファは、初めてレックスをちゃんと見た。それに気づいたレックスは、ハイライトを失い憎しみが支配していた目に光が宿った。
「あぁ、どこまでも一緒だリーファ」
この時、レックスは、初めて笑った。
「さよなら、レックス。次会う時は地獄で2人の夫婦生活を聞かせてくれ」
そう言ってドーベルは、ビームサーベルでリックドムPR型のコックピットを貫いた。レックスはビームサーベルで一瞬で蒸発した。ビームサーベルを引き抜きそのまま離れるとリックドムPR型は、爆発した。
「・・・・レックス、リーファ」
幼馴染2人を殺したドーベルは、静かに涙を流した。
そしてその3時間後にドッグズは、ア・バオア・クーの戦いに間に合わずそのまま戦争は、連邦軍の勝利で幕を閉じたのだった。