機動戦士ガンダム-ハウンドドック-   作:ナイトメア・ゼロ

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エピローグ

 連邦軍とジオン軍の戦争は終結した。【一年戦争】と名付けられたこの戦いは、地球連邦軍の勝利で終わったがジオンもタダで負けたわけではない。

 戦争終結後、キシリア・ザビとドズル・ザビ、そして各政治家達が交渉の席に出席し連邦軍も交渉の席に引きずり出された。交渉の末、宇宙要塞ア・バオア・クーは、連邦軍に引き渡されその代わりにグラナダなどの月面都市はジオンの支配領域となった。

 更に、キシリア・ザビの交渉によりジオンの独立は認められなかったが連邦軍傘下の自治国として認められジオン公国は、解体された。そして新たに【合衆国ジオン】と言う国名で再出発をすることになった。

 ドズル・ザビは、敗戦の責任を取り軍を辞職。

 キシリア・ザビは、新しいジオン、合衆国ジオンを率いてもらう為に【合衆国ジオンの初代大統領】に選ばれた。

 そんな合衆国ジオンに向かっている一隻の宇宙船。中には連邦軍の制服を着たドーベルとレベッカがいた。

 

「ねぇ、本当に大丈夫なの?」

 

 レベッカは、心配そうに尋ねた。

 

「さぁな。ジオンからしたら俺は故郷を裏切った裏切り者として見られてリンチされてもおかしくないかもな」

 

 ドーベルは、揶揄うように答えた。

 

「そうじゃなくて、リーファさんの遺体をご両親に返してドーベルは、復讐されるかもしれないんだよ?」

 

「かもな。大切な一人娘が殺されたんだ。その報復を受けてもおかしくないと思ってる」

 

「だったら」

 

 ドーベルは、人差し指をレベッカの唇に当てて優しい笑顔を浮かべた。

 

「・・・・アンタどこでそんなの覚えたのよ」

 

「カイル達が教えてくれたんだ。こうしたら大体の女の子は顔を赤くして俯くって」

 

 とりあえず帰ったらカイル達をぶん殴るとレベッカは、心に決めた。

 合衆国ジオンの宇宙港に到着し棺桶を受け取りレンタカーに乗せると目的地へ向かった。

 

「久しぶりに見たな。サイド3のコロニー」

 

 助手席に座り外を眺めていたドーベルがそう言うと。

 

「ねぇ、ドーベル」

 

「しつこいぞレベッカ。俺は大丈夫だから心配するな」

 

「でも、せっかく生き残れたのに・・・・・お義父さんやお義母さんとようやく再会できたのに」

 

 終戦後、ドーベルの両親は真っ先にドーベルに会いにきた。勝手に出て行って勝手に連邦軍に入隊したことをドーベルは、両親に謝ったが両親は生きていてくれてよかったと言ってドーベルの生還を喜んでくれた。

 そして、両親に事情を説明しハンドラーに預けていたリーファの死体をジオンにいるリーファの両親に返すためにジオンに帰って来たのだ。

 

「100%納得はしてないかもしれないけどなんとか説得はしたさ。それにもし、帰らなかったとしてもリーファの両親を恨まないでくれって伝えてもいる。全て覚悟の上だ」

 

「分かったわ。もう何も言わない」

 

 そう言ってるとようやく、メイル家の家に到着した。ドーベルは、緊張しながらインターホンを鳴らした。すると中から激しい音が聞こえると。

 

「リーファ!」

 

 中からリーファの母親が出て来た。

 

「お久しぶりです。おばさん」

 

 ドーベルは、頭を下げて挨拶をした。リーファじゃなくて落胆したのか反応が遅れたのかリーファの昔の幼馴染ドーベルだと分かると。

 

「も、もしかしてドーベル君?ドーベル君なの?」

 

「はい」

 

 少し気まずそうな顔でドーベルは、頷いた。

 

「あ、あなた!ドーベル君が!!」

 

 すると中からリーファの父親も出て来た。父親はドーベルの姿を見て何かを察したのか辛そうな顔をした。ドーベルは、姿勢を正し敬礼をすると。

 

「私は連邦軍、独立モビルスーツ隊、【ドッグズ】に所属していますドーベル・ウィンターズ准尉です!本日は、お二人にお預かりしていたリーファ・メイルさんを連れてまいりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中に入れられリビングのソファーに座らされるとドーベルは、テーブルの上にリーファの遺体が入った棺桶を置き中を見せた。

 

「!!り、リーファ・・・・」

 

 母親は、覚悟はしていたのかもしれない。だけど、いざ娘の死体を見ると両手で口をおさえそして泣き出しそうな顔をした。そして、ドーベルは、隠さずに全てを話した。

 

「リーファさんを殺したのは私です。私がちゃんとリーファさんの想いに気づいていれば・・・・レックスの闇に気がついていればこんな悲劇は生まれなかったかもしれません。本当に申し訳ございませんでした」

 

 ドーベルは、頭を下げそれを見たレベッカは、心配そうな顔でそしてもしもの時はいつでもドーベルを守れるように動ける準備をしていた。

 

「・・・・・・」

 

 母親は、無言で立ち上がりキッチンに向かうと包丁を手に取り戻って来た。それを見たレベッカは、取り押さえようとすると。

 

「レベッカ!」

 

「!!」

 

「そこを動くな」

 

 母親は、包丁をドーベルに向けるとドーベルは立ち上がりそして両手を広げた。

 

「構いませんよおばさん。俺は、復讐される理由がある。可能な限り殺したくはなかったけどそれでも殺さなきゃ自分が生き残れない戦いもあった。おじさんとおばさんは、そんな大切な娘を俺に殺された。俺は、復讐される覚悟できています。両親には、俺が帰って来なくてもおじさんとおばさんを恨まないでくれと伝えています。ですから、安心して復讐してください」

 

 ドーベルがそう言うと母親は、震える包丁を構えてそして・・・・・。

 

「できないわ」

 

 そう言って包丁を落とした。

 

「あなたを殺したらリーファは帰ってくるの?」

 

 両手で顔を覆い膝をつき母親は泣き出した。父親は母親に近づき包丁を拾いそれをキッチンに戻し母親の両肩に手を置いた。

 

「本当は分かっていた。リーファは、もうこの世にいないことを」

 

「・・・・・」

 

「もしかしたら、戦場であのガキとはぐれてしまってどこかでひっそりと生き残ってるかもしれないと考えていた。いや、現実逃避していたのかもしれない」

 

「・・・・・」

 

「だけど、ドーベル君。君が責任を感じる必要はない。私達は、逆らえなかった。こんなことが起きると分かっていながら私達は、レックスの・・・・あのガキの権力に逆らえずリーファをあの男に渡してしまった。・・・・・いや、売ってしまったと言ってもいいかもしれない。私達が例え嫌われてでも家から出さず戦場に出さないように引き留めておけばこんなことにはならかったのかもしれない。リーファが死ぬ原因となったのは私達だ」

 

 父親は、リーファの頬に触れ涙を流しながら優しく撫でた。

 

「だから、君には感謝をしたい。ありがとう、リーファを娘をこの家に帰してくれて」

 

 ドーベルは、挨拶をしてメイル家から出て行き宇宙港に戻った。

 

「本当にいなかったわね。レックスのお父さん」

 

「奴は、ギレン派の政治家で終戦した後も徹底抗戦を訴えていた奴だ。行方不明になったのはキシリアの派閥につきたくなくてギレン派・・・・いや、この場合は、徹底抗戦派か?まぁ、そいつらと合流して戦争の準備をしているって噂だ」

 

 そう言ってドーベルは、チケットを購入してレベッカに渡した。

 

「これからどうするの?連邦軍を辞めてサイド6に帰るの?」

 

「いや、もうしばらく連邦軍に付き合ってやるさ。俺は2人を殺した。その償いは、戦場で生き続けることだと思ってる。レベッカ、もし嫌なら俺は別れてもいいって思ってる。どうする?俺と別れるか一緒にいるか」

 

「一緒にいるに決まってるでしょ。何せ私が惚れた男なんだから」

 

 そう言ってレベッカは、ドーベルの腕に抱きついた。すると宇宙港の重力システムがなぜか一時停止になり無重力空間になった。

 

「え?」

 

「なんだいきなり?」

 

 ドーベル達は、その場の固定物に捕まり浮遊しなようにすると。

 

「ん?」

 

 何かがドーベルのもとに飛んできた。それをキャッチし見てみるとそれはハート型のロケットペンダントだった。中を開けてみると。

 

「!?」

 

「?どうしたの?」

 

「いや、なんでもない」

 

 そう言ってドーベルは、拾ったロケットペンダントを首にかけた。

 

「それって落とし物じゃ」

 

「いや、これは俺のだ。あの時、無くしたものが帰ってきたんだ」

 

 そう言ってると重力システムが回復して宇宙港の重力が復活した。

 

「帰るぞレベッカ」

 

 ドーベルは、そう言って宇宙船に乗ると首にかけている2つのロケットペンダントを開けて中身を見た。1つはドーベルとリーファの写真が入ったリーファのペンダント。そしてもう一つは、レックスとリーファが映った写真が入ったペンダントだった。

 それを見たドーベルは確信していたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は地獄で会おうぜレックス、リーファ」




 宇宙港の前で1人の女の子が立っていた。人を探しているのか女の子はキョロキョロと視線を動かしていると。

「ん?」

 女の子の前をドーベルが横切った。女の子はしばらくドーベルを見ていると。

「おーいアルマ!どうしたんだ?」

 女の子の友達なのか2人の女の子が駆け寄って来た。

「うんうんなんでもないよ。ただ」

「ただ?」

「さっき通った人、すっごくいい人なんだろうなって思って」

「なんだよそれ?」

 彼女の目をには見えていた。ドーベルの周りを守護霊のように飛んでいる二つの魂を。
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