機動戦士ガンダム-ハウンドドック-   作:ナイトメア・ゼロ

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7話 安全か強襲か

 ドッグズに新しくシープドック隊が入りマドラスの戦況は連邦軍が支配しつつあった。ドッグズの指揮官であるハンドラー、参謀役にも任命されたシープドックの活躍により第一基地周辺の街や村は、順調に制圧しつつあった。

 そして。

 

「すっげぇ!!」

 

 第一基地に追加のモビルスーツも配備された。それを見た連邦軍の兵士達は目を輝かせていた。

 

「連邦軍も遂にモビルスーツの大量生産を実現したのか!」

 

「これも陸戦型ジムなのか?」

 

「これは普通にジムらしいぜ。タイプで言うんだったらザクと同じように汎用性が高いモビルスーツらしい」

 

「これがあれば勝てるんじゃないか?」

 

 モビルスーツを見て兵士達の士気は上がっていた。その光景を指揮所から司令官とハンドラーが見ていた。

 

「いい流れだ。モビルスーツの大量生産のおかげで兵士達の士気も心配なさそうだ」

 

「司令官、確かにモビルスーツを配備されたのは朗報ですが、我々は、そんなことよりも」

 

「分かってる。こちらはマドラス攻略に集中するだろ」

 

 そう言って、司令官はタバコに火をつけた。

 

「だが、この地での流れもこちら側になりつつある。ジャブローからもモビルスーツが配備された。そろそろ決着をつけるべきだな」

 

「司令官、まさか」

 

「防衛部隊を残し現在の大部隊でマドラス本拠地を強襲する」

 

「待ってください!!マドラス本拠地を攻略するのは早すぎます!今は、第二基地、第三基地、第四基地を順に攻略しマドラス基地を奪還する方がこちらに有利に働くはずです!」

 

 ハンドラーは、司令官の強襲作戦を全力で反対した。

 

「確かに君の言う通りだ。だが、言い換えればジオンは、各基地に防衛能力を分散しているという情報がある。本拠地だって、最初と比べれば多少なりとも低下してるはずだ」

 

「それでも、安全策を取るべきです!下手な賭けはこちらも消耗してしまいます!」

 

「こちらにはモビルスーツがあるんだ!大部隊のモビルスーツと戦車で一気に強襲すれば数の暴力でジオンを確実に圧倒することができる!それに、本拠地を押さえればジオン残党兵は、降伏か、第三基地の軍港を使ってアフリカ方面に逃げるはずだ。多少なりとも犠牲は出るかもしれんがそれでもやってみる価値はあるはずだ!」

 

 ハンドラーは、安全策として周りの基地を奪還してからの作戦を提案したが司令官は、本拠地を強襲しその後に残存兵を追い込む作戦を強行しようとしていた。

 

「それでは、部下達が無駄に死ぬだけです!偵察兵によればマドラス本拠地には、エース部隊の【黒騎士】隊がいるとの情報もあります!」

 

「黒騎士隊?確か、連邦軍の賞金首リストの中に黒騎士隊がいたな。・・・・なら、尚更、好都合じゃないか」

 

 司令官は、そう言って灰皿に吸い終えたタバコを押し付けた。

 

「黒騎士隊の隊長、【黒騎士】は、確か賞金首リストに入ってたし隊員もネームドではなかったがリストに入っていたはずだ。上手く狩れればマドラス奪還の功績だけじゃなくエース部隊を倒したと言う功績まで手に入る。上手くやれれば、かなりの出世になるはずだぞ。君も出世を望んで前線に出たんじゃないのか大尉?」

 

 そう言ってハンドラーの両肩に手を置いた。

 

「確かに出世は、望んでいます。ですが、部下を死なせてまで出世を望んではいません!」

 

「聞け大尉!私もそうだ。だが、これは戦争なんだ。犠牲は付き物だ。エース部隊を狩ってマドラスを奪還すれば金も勲章も望むがまま。部下達にだって相応の出世を与えられるかもしれない」

 

「相手はエースなんですよ!?ドッグズもエース級の部隊だと考えていますがそれでも黒騎士隊に勝てるか分かりません。そんな相手をなぜ獲物として見られるんですか!?」

 

「エースなど所詮はジオンのプロパガンダだ!確かに普通のパイロットと比べて強いかもしれないがたった1人、たった1個の部隊で戦況が変わるわけないだろ!数の暴力で攻めれば必ず勝てるはずだ!」

 

「でしたらルウム戦役はどうご説明なさるつもりなのですか!?赤い彗星や黒い三連星他にも名を上げたエース達が参加したあの戦いは数では連邦軍が圧倒的でした!」

 

「あれは、モビルスーツの事を理解できていなかったから負けたんだ。しかし、今の連邦軍は、モビルスーツのことを理解している!そして、あの時は、宇宙だったがここは地上だ。宇宙は、三次元の動きがあったが地上にはそれがない!物量で押し潰せば必ず勝てるはずなんだ!」

 

 2人は激しく言い合っていると。

 

「失礼します」

 

 シープドック隊が入って来た。

 

「会議中でしたか?でしたら出直しましょうか?」

 

「いや、大丈夫だ。少し熱が上がりすぎました。頭を冷やして来ます司令官」

 

「そうしてくれ大尉」

 

 そう言ってハンドラーは、敬礼をすると指揮所から立ち去った。

 

「それでなんのようだ?シープドック」

 

 シープドック隊は、司令官に敬礼をすると持っていた書類を司令官に手渡した。

 

「ハンドラーからは、参謀役にも任命されていますのでこれからの方向性を3つほど用意してみました。ご確認ください」

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