機動戦士ガンダム-ハウンドドック-   作:ナイトメア・ゼロ

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8話 ドーベル・ウィンターズ

 皆さん、はじめまして。私は、レベッカ・アルツァー軍曹です。私は連邦軍の新兵ではありますがモビルスーツ隊、ドッグズのオペレーターに選ばれマドラス基地奪還のためにインド地方で仲間達と一緒に戦っています。この前の戦闘のせいで基地は30%ほど破壊されましたし私自身も死にかけましたが仲間達と力を合わせてなんとか生き残りました。

 そして今、私が何をしているのかというと。同期であり恋人でもあるドーベルとデートをしています。

 

「こうやってお互いの時間ができるのは久しぶりだなレベッカ」

 

「そうね。モビルスーツ隊ドッグズに入ってからは忙しかったしマドラスに来てからは戦闘ばっかりだったからね」

 

 第二基地を奪還するかマドラス本拠地を強襲するかをハンドラーと司令官が話し合ってる中、私達はハンドラーに「今の間に体を休めておけ」と、言われ休暇をいただきました。

 シープドック隊は、マドラスに来たばかりだからハンドラーの仕事の手伝いをしていますがハウンドドック隊とバトルドック隊は、休暇を与えられて奪還した小さな町に来ています。

 カイルは、ジャックと一緒にゲームセンターに向かおうとしていましたがバトルドック隊に捕まってそのまま飲みに連れていかれました。私とドーベルが無事なのはうまいこと逃げることができたからです。

 

「それにしても2人には申し訳ないことをしたな。バトルドック(アイツ)らは、酒に強い分飲み始めたら止まらねーからな」

 

 そう言って、ドーベルは、買ってくれたソフトクリームを私にくれました。

 

「ありがとうドーベル。バトルドック隊もちゃんと分かってるはずよ。作戦に支障をきたすようになるまではさすがに飲まないわよ」

 

「それ、本気で言ってる?」

 

 そう言われて私はたぶんすっごい勢いで目を逸らしたと思います。しばらく私達は2人っきりでデートを楽しんでいると。

 

「見つけたぞお前ら!」

 

 酒の悪魔達が来ました。

 

「お疲れ様です。大丈夫かカイル、ジャック?」

 

「これが大丈夫に見えるなら病院行け」

 

 カイルはバトルドック隊に弱い所を見せたくないからか顔を青くしながら自力で歩いていてジャックは、酒を飲みすぎたのか顔を赤くして目を回しバトルドック隊に担がれていました。

 

「ったく、ハウンドドックは、情けねーなー!この程度の酒でダウンしやがって!」

 

 バトルドック隊がガッハッハッと笑いそれを聞いたカイルはバトルドック隊を睨みつけると。

 

「戦場に出たら絶対に闇討ちしてやる」

 

と、物騒なことを言いました。

 

「それよりもせっかく合流したんだ!お前らも付き合え!」

 

「ちょっ!こっちはデート中なんですよクロウ少尉!」

 

「だったら尚更だ!レベッカ!酒をがぶ飲みしてそのままドーベルを押し倒してやれ!!」

 

「セクハラですよクロウ少尉!」

 

「こりゃぁ、完全に出来上がってるな」

 

 そう言ってドーベルは、私の肩に手を置くと全てを諦めたような顔をしていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「盃を交わすと書いて『乾杯』と読む!!」

 

「「「「かんぱーい!!!!」」」」

 

 クロウ少尉の音頭で乾杯をした。

 

「もう、アイツらもヤケになってるな」

 

 諦めがついたドーベルもため息を吐いてそのまま大ジョッキのビールを飲んだ。

 

「なんかごめんなレベッカ。こんな事になって」

 

「もう、ここまで来たら諦めるわよ。私も未成年なのに」

 

 そう言って、レベッカもカクテルを少しだけ飲んだ。クロウ少尉とカイル軍曹が酒の一気飲み勝負を始めたりツマミの取り合いをしたりと完全に店に迷惑をかけるような馬鹿騒ぎだった。

 

「後でハンドラーに報告しとこ」

 

 レベッカがボソリと小声で呟くと。

 

「そういや、ドーベル。前からお前に訊きたかったことがあるんだ」

 

 バトルドック隊の隊員が言った。

 

「なんで、ジオン出身のお前が連邦軍に入隊しようと思ったんだ?」

 

・・・・・・・・酒のせいなのか思いっきり地雷を踏んだような気がした。酔っ払っていたクロウ少尉も含めてみんながシーンとなった。ドッグズは、ドーベルがジオンの出身であることを知っていたのだ。だが、なぜジオンに帰らず連邦軍を選んだのかはドッグズでも知らない。気にならないと言えば嘘になるがそれでも地雷だった。

 

「おい、訊いていい事と悪い事があるだろ」

 

 さすがのクロウ少尉も隊員睨みつけ地雷を踏んだと分かるとすぐに謝り身を小さくした。

 

「別に大した理由は無いですよクロウ少尉」

 

 そう言ってドーベルはビールを飲んだ。

 

「俺が連邦軍に入隊しようと思ったのは、個人的な正義感からだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイド3からサイド6に移住した俺は、サイド6でも平和に過ごしていた。高校も無事編入できたし父さんの仕事も順調だった。だけど、俺がもうすぐで高校卒業する時にジオンが地球連邦に宣戦布告をした。

 サイド6は、中立を表明していたからもう俺には関係ないと思っていたけどジオンの戦争をテレビ中継で見ていた時俺は目を疑った。ジオンの最悪の作戦、【ブリティッシュ作戦】。ジオンは、サイド2のコロニー、アイランド・イフィッシュを使ってコロニー落としをした。

 コロニーがオーストラリアに落ちてたくさんの犠牲者をテレビで見た。その時に俺は思った。「ジオンを止めないと」って。

 昔の故郷とはいえ、こんな非道なことをしたんだ。責任感からかそれとも俺の正義感かは、自分でも分からない。

 だからジオンを止めるために俺は連邦軍への入隊を決めた。まぁ、両親からはめちゃくちゃ反対されたけど、両親の反対を振り切って俺は家出をし連邦軍に入隊した。

 だけど、俺は入隊の際に失敗した。身辺調査で素直にサイド3出身なんて書かなければよかった。訓練を受ける為に南米の最南端の教育隊に入ったのはいいけど、俺がジオン出身の話は広まっていて教官からはかなり嫌われたしその時の同期からはかなりイジメを受けていた。

 あの時は、マジで心が折れかけて連邦軍から脱走しようとも考えた。

 そして、短い訓練期間を終えていざ戦場に出るかと思ったら南大西洋にある連邦軍の海中資源回収基地である【バリスタ基地】の資源回収員に選ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そしてなんやかんやレベッカ達と出会って現在に至るってところかな?」

 

 ドーベルは簡単に言うと。

 

「いや、隊長。たぶん、それ普通に責任感だと思いますよ?自分の昔の故郷があんなことをしたなら誰だってそうなるかもしれませんし」

 

「俺はならねーかな。正直、故郷がどうなろうと家族や友達、自分が生きていればそれでいいし」

 

と、ジャック軍曹とカイル軍曹が答えた。

 

「ジオンの兵士をなるべく捕虜にしてるのは言い方が悪いがジオンを裏切った罪悪感からなのか?」

 

 クロウ少尉にそう訊かれた。

 

「そう言うわけじゃないですよ。単純にできることなら殺したくないって言う甘ちゃんの発想ですよ」

 

(その甘ちゃんの発想を可能な限り実現してるのはある意味でドーベルの恐ろしいところだわ)

 

 ドーベルの隣で話を聞いていたレベッカも心の中でそう言った。

 すると。

 

「!」

 

 クロウ少尉の携帯が鳴った。クロウ少尉が携帯に出ると真面目な顔をして。

 

「お前ら急いで第一基地に戻るぞ」

 

と、言った。

 

「決まったんだな?」

 

 カイル軍曹がそう言うとクロウ少尉は、首を縦に振り全員金を払って急いで第一基地に帰るのだった。

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