アルザーノ帝国の都市、フェジテ。そこに聳え立つアルザーノ帝国魔術学院。
その大講堂の中である6人の天の領域に到りその力を行使出来る魔術士たちが集まり、椅子に座っている。
「それでは、これより我々はどうするのかを話し合って決めるわよ」
「ちょっ、ちょっと待ってください、イヴ先生。」
そう言われるとこの会議のまとめ役、イヴ=イグナイトがルミアの方へと体を向ける。
「どうかしたのかしら?ルミア。」
「いえ、私達がそれぞれの虚無空間を分断をしながら捜索して、グレン先生を見つけるんじゃないんですか?」
「私もそうしたいのは山々なんだけどね。今フェジテではやらなければいけないことが沢山あるわ」
最終決戦が終わったフェジテだがまだ戦争の爪痕が酷く痛ましいほどに残っている。あちこちの建物が倒壊して焼き焦げ、あるいは焦土と化していた。今はあちらこちらで作業員たちが瓦礫などの撤去作業や家屋の再建作業などを行われている。住処を失って路上生活を強いられてる市民たちには公的機関が主催する炊き出しも行われており、市民たちが列を作って並んでいる。未だ拭いきれない市民達の安全を守るためにフェジテ警邏庁の警備官達や、フェジテに駐屯している帝国軍がしっかりと警備を行い、治安維持にも尽力してくれている。
今このフェジテはーーー、いや、アルザーノ帝国はボロボロで虫の息の状態ではあるが、女王アリシア七世の指導の下、着実に再生への道を一歩ずつではあるが、歩み始めている。
「陥落していた帝都オルランドにおいても、ルチアーノ卿を主に、さまざまな商会が採算度外視で積極的に物資を流通させてくれたお陰で再建がもう始まっているわ。ただ、まだ陛下にはフェジテにいてもらい引き続き私とアルベルトが護衛をするわ」
「・・・・え、今アルベルトさんもここにいますけど大丈夫なんですか?」
「心配するな、フィーベル。今は残りの特務分室のメンバーに女王陛下の護衛を任せてある。元々、翁やクリストフがいれば充分だと俺は考えていたのだがな・・。」
「それで万が一のことがあったら目も当てられないわよ。ただでさえ特務分室の奴らは頭のネジが一本外れているような連中ばっかだってのに、全く。手綱を引くの大変すぎな連中でしょ。」
「「?」」
「そこで惚けてるアンタたちも人のこと言えないからね!!このワーカホリックとナチュラルボーン戦車!!」
「あ、あはは。」
「はぁ、いつになったら本題に入るの、コイツら」
そうナムルスはぼやく。そんなナムルスに向かってリィエルがちかづく。
「・・・・・ん。ナムルス、私の苺タルトあげる。これを食べて落ち着いて・・・?」
「・・・フン!餌で私を釣ろうだなんて100万年・・早い・・・わ・・よ・・・・?え・・・・・・?」
そう素直になれないナムルスがそう言いながらも苺タルトをもらおうとリィエルの方へと向くと・・・
「リィエル、このお菓子のかけらって・・・・」
3、4欠片の苺タルト?(もはや小さいビスケット)を手に出しながらリィエルは自信満々に呟く。
「・・・ん。苺タルト。」
「これは苺タルトじゃなくて、もうビスケットよ!あぁ、もう!」
そう言って席を勢いよく立つ。
「あなた達の事情は分かったけど、わたしには関係無いことよ。さっさとグレンを探しに行くわ」
「待ちなさい、ナムルス。貴方はフィーベル邸でお世話になるんじゃなかったのかしら?」
「ええ。まぁ、私としては主人様ーーーグレンの家に住んでも良いんだけどね・・・・」
「「絶対にだめーーーっ‼︎‼︎」」
「何よ、システィーナにルミア。そんなに大声を出して」
「ほ、ほら!グレン先生の家って今アルフォネア教授もいないし完全に先生と二人っきりになっちゃうから!あのあの、アレがその・・・・とにかく!取り敢えずナムルスは私達と一緒に暮らすの!良いわね⁉︎」
「えっえぇ、わかった、わ?」
「そっそう、ナムルスさんがわかれば良いんだよ、あははははは・・・」
「・・・ん。システィーナとルミア、変なの。」
「・・・はぁ、話を戻すわよ。」
イヴが話の軌道を元に戻す。
「フィーベル夫妻や他の方達も見つかってそろそろ・・・そうね。あと、二、三日程度で戻ってくる予定よ。一応居候をするのであれば、形式上でも良いから挨拶をしておかないと行けないわ。それにナムルスの過去の偽装話も作っておかないといけないわ。流石に、私は外宇宙から来た神です!なんて言われたら溜まったもんじゃないわ」
「・・確かに。一理あるわね。ただ、そんな事であれば私はそこのルミアと双子の関係で千年以上もの間離れてた。くらいの設定じゃダメ?」
「そんなんで納得してくれるわけないでしょう!ほら、さっさと考えるわよ、ナムルス。」
「あ、あはは・・・。私たちはナムルスさんのフォローとかをする感じでしょうか?」
「ええ、あの感じだといつボロを出すかわかったもんじゃ無いわよ。さりげなくフォローをしてあげて頂戴。それに貴方達も色々あって両親と会うのは久しぶりじゃないのかしら?」
「・・・そうですね。お義父様たちにはかなり久しぶりですね。」
帝都オルランドが襲われて魔導領官だった両親と連絡が取れなくなってしまった。それはシスティーナ達に
「じゃあ、両親にちゃんと喜んで会えるようにしないとね」
「それに俺もこの右眼を使って、グレンを探して見ようと思う。安心して両親と会ってこい。もちろん探すのは、任務を終わらせてからになるがな・・・。まぁ、あいつはなかなか死ぬような玉ではない。それは俺が保証しよう」
特務分室時代、アルベルトはよくグレンとペアを組んでいたためよく知っていた。グレンのいざという時に持ち前の武器と培った経験を活かして状況を切り抜けるところを飽きるぐらい見ていたからだ。だからこそアルベルトはこうも断言できるのだ。
「そもそも、フィーベル達は天の位階の魔術士になったとはいえ、まだ学生だ。まだお前達には学ぶべきことが沢山あるだろう。グレンが居ない間はイヴが代わりに授業を引き継ぐらしいのでな。もし火急のことがあれば連絡をする。だからそれまでは勉学にも励め」
「まぁ、グレンも何もせずにおとなしくその世界に留まる、という事はしないと思うわ。もしかしたら何かしらの方法で自分がどこにいるのかを教えてくれるかも知れないわね。まぁ、何かしらのアクションは起こすと思うわ」
そこでイヴは一同を見渡す。
「後は私達がいかにしてその手段を気付けるかどうかにかかっているわ。それぞれ、それまでに各自準備を整えておきなさい」
「分かりました!」「はい!」「・・・・ん。」「・・・ふっ、了解した」「・・・はぁああああ、わかったわよ!待てば良いんでしょ、待てば!」
「ええ、それで良いわ。他の人たちにも説明をして協力をしてもらわないとね。・・・・貴方達、あの馬鹿教師を全員で助けに行くわよっ!!」
各々が各自闘志を燃やし始め、グレンを待つ。グレンがこちらに何かしらのアクションを取ることを信じて待つ。
例えどれだけ離れても迎えに行く。そんな思いを胸に抱いて・・・・。
かなり投稿するのが遅くなって申し訳ありません!色々な二次小説を見ていて小説を書く時間が滞っていました。・・・いやほんと、すいません。つ、次はもっと早く出せるようにしていきますので(汗)。次は第一章!グレン先生視点へと戻ります。頑張って失踪しないようにします。
モチベーションに繋がるので評価やコメント是非していってください!ではまた!