あの魔女達には、バカしかいない   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 時間的には、5話です。


与太話、3

 

 

「さぁ始まりました第n回『vs【読全の魔女】ハックルベリー戦』実況は私、グーフアップ。解説にはクライペイントさんを呼んでいます。よろしくお願いします」

 

『よろしくおねがいします』

 

「これまで多くの戦闘を繰り返して来た私達ですが、こうして真面目に対峙するのは始めてかも知れませんね。勝敗は分かり切っていますが、戦いの内容はどうなるでしょうか?」

 

『結構良い戦いになるんじゃないかって思うよ。コダマちゃんの戦い方は把握してるし、今のベリーさんのスタイルならコダマちゃんも分かってるハズ。コダマちゃんがベリーさんをメタって立ち回れば、ほんの少しの可能性はあるのかも知れないね』

 

 

「なるほど。コダマさん頑張れ、と言う事ですね。まだお互いに様子見と言ったところでしょうか、余り戦闘は進展していません。今のうちに世論の評価を聞いて見ましょう。この組み手、何処が注目のポイントになるでしょうか?」

 

 (その辺の“魔法少女”に質問し、返答を貰う)

 

「自分の実力を出し切る事は重要ですからね。相手を調子着かせない事も気を付けなければいけません。ありがとう御座いました」

 

『おっ、コダマちゃんが前に出たね。あれはベリーさんの動きと視界を制限する為かな。時間を掛ければ掛ける程、ベリーさんと戦いにくくなるからね』

 

「コダマさん、接近戦出来たんですね。彼女の魔法は中〜遠距離でこそ輝くと思いますが、クライさんはどう思いますか?」

 

『ボクも同意見だね。でもだからといって近距離で使えない訳じゃないよね。寧ろソロだからこそ、FF(フレンドリーファイア)を恐れずに近接で使えるんだと思う。音撃はともかく反射膜は罠みたいなモノだし、咄嗟の連携は難しいだろうからね。後は、コダマちゃんの近接戦闘の技術次第かな、まぁでも魔法と戦闘スタイルがあんまり噛み合っていないのは確かだね』

 

「今回の組み手は、新たな可能性を模索している、と言う事でしょうか」

 

『そうだろうね。コダマちゃんは何時だって向上心に溢れているし、失敗には反省と改善を持って再挑戦をする子だよ。何も考えていないハズがない。けれど、試すならベリーさんじゃなくてボクかグーさんの方が良かったんじゃないかな』

 

「私もそう思います。ただ、ベリーさんに通用すれば、大抵の相手に使えるだろうとも思いますけどね」

 

『クハハッ!それはそうだね』

 

「おや、コダマさんが距離を取りました。何やらハープを奏でていますね、攻撃の気配は感じられませんが、これは音撃の追加でしょうか?」

 

『そうだとも言えるしそうではないとも言えるね。音撃は間違いなく展開されているけど、直接ベリーさんへは向けていないよ。それにハープの音色がここまで聞こえるってことは、演奏と音撃を同時に行っているっことだからね。音撃を絞らせないのが狙いなんじゃないかな』

 

「ふむふむ、意識のリソースを割かせるのが目的なんですね。確かにベリーさんには有効そうな手です。ですがこの曲は…」

 

『曲がどうかしたの?』

 

「この前、ベリーさんがギターで弾いてました」

 

『効かない可能性が出てきたね。適当に鳴らさず、音楽を奏でてしまうが故の弊害だ。音楽家には辛いかも知れないね。こうなってくるとただの音ゲーに様変わりだよ。コダマちゃんは気付いているだろうか』

 

「あ!」

『お!』

 

「ベリーさんが慌てて動きました!表情が変わりましたね、これは…アレンジです!曲にアレンジを加えています」

 

『明らかに動きがズレたよね。攻撃を避けるリズムゲームから、コダマちゃんの人読みも必要になってきたみたいだ。ベリーさんに付け入る隙ができたから、攻めるには良いタイミングだよ』

 

「コダマさんが再度接近戦を仕掛けます。やはり足業が多いですね、それだけハープは切り札なのでしょう。柔らかで(たお)やかなドレス風貌の割にアグレッシブな連撃です。例の海賊漫画に倣って緑足と呼んで差し上げましょう」

 

『いやそこまで足業にこだわってないと思うよ』

 

「じゃあ止めましょう」

 

『緩急付けた良い攻撃が続いているけど、ベリーさんにはまだ当たらないね。読みの強い人なのは確かだけど、見てから対応出来る反応速度も持ってるからね。アレで良いならボク達はもっと楽に1本取ってるよ』

 

「本当ですよ。不意を突いても避けられたり、そもそもそれ自体を誘われていたり。純粋に読み合い化かし合いを仕掛けるのは止めるのが賢明でしょうね。まあそれはコダマさんも理解しているはずですし、これからの展開に期待しましょう」

 

『展開なら進んでいるよ。ベリーさんを見てほしいんだけど、攻撃を防御したり音撃を撃ち落としたりしているよね。思い出してごらんよ、さっきまで他の子の相手をしていたときと比べてどうかな?』

 

「面の攻撃すらも簡単に避けるベリーさんが、避けきれないと判断する飽和攻撃は何回でしたか。ギャラリーの皆さん、覚えていますか?私は覚えていませんし、何なら見てもいません。ただ、貴女方への反撃や回復以外であの銃を使ったのはごく僅かだと思います。それこそ決死の必殺技を打ち破る時ぐらいでしょう」

 

『つまりコダマちゃんは、君達の全力の必殺技を常時展開しているようなものだよね。ちゃんと追い付けるように精進してね』

 

「さて話しを戻して現在の戦況は、コダマさんが音撃とその反射を絡めた接近戦を仕掛けている所、一時は焦りを見せたベリーさんでしたが、余裕を取り戻してしまったようです。このままではガス欠必至、何とか状況を打破しなければコダマさんに勝ち目はありません」

 

『反面、ベリーさんの手札は莫大。元々攻めの強い人だし、正直に言えば受けに徹している事自体が手加減、ハンディキャップを背負ってるよね。これを崩せない時点でチャンスも何も無い訳で…でも様子を見るに、コダマちゃんにはまだ何か秘策があるっぽいね』

 

「ベリーさんはそれを待っている。そうですね、あの人は敢えて相手の攻撃を受ける、待つ悪癖がありますからね。まだ隠していると分かっていれば、それを待つのは()()()と言えます。しかし、コダマさんは秘策を使うのを躊躇っているのでしょうか」

 

『それか、使うには準備や溜めが必要なのかも。いくらベリーさんでも、明確に隙があれば待たずに反撃するからね。手札があっても、今の飽和攻撃と接近戦闘を続けたまま使うのは難しいよ』

 

「では、このまま諦めてしまうと?」

 

『それこそまさかの話だ、ありえないね。コダマちゃんは絶対に諦めないよ。必ず実行する。料理中のこのボクを連れ出すぐらいだからね、やり遂げるのは間違いないさ』

 

「最近ますます遠慮が無くなってきましたからね、そんな日もあると思います。確かに、コダマさんも考えるタイプですし、何かしらの方法は取るでしょう。駄目でも無理矢理実行するんでしょうね」

 

『割と頑固で強引な所があるよね、悪いとは言わないけど』

 

「おっと、今度はベリーさんが仕掛けます。手始めに反射膜の破壊をしていきます」

 

『2発ずつ弾丸を打ち込んでるね。1発目は反射膜を利用して威力を上げて跳弾、2発目で破壊してるよ。跳弾先はコダマちゃんとその回避先だね、何でそれが出来るのか分からない。まったくもって恐ろしいヒトだよ』

 

「ですがコダマさんも流石と言うべきか、減衰の反射膜を周囲に張り巡らす事で被害を最小限に留めています。それに、彼女にとって反射膜はリスクやデメリットのある行動ではありません。簡単に作り出して消す事の出来る通常技です。それでも破壊したのには何か理由があるのでしょうか」

 

『それは多分、邪魔だったからじゃないかな。グーさんなら気にせず突っ切れるだろうけど、ボクとかあのスタイルのベリーさんには結構な障害物だからね。だから単純に鬱陶しくなっただけかも。無理にでも意味を付けるなら、コダマちゃんに〔こんなの意味ないぞ〕って示したかったんじゃない?ベリーさんの考える事はよく分からないや』

 

「ありえそうですね。むしろなにも考えていない可能性すら浮上してきました。そんな話をしていますが、周囲にあった反射膜は粗方破壊し終わりました。次にベリーさんの取る行動は…リロードでしたね。親指を除いた指の間に3発の弾丸を生成しました。しかもこれみよがしに装填しましたよ」

 

『後3発だって事だろうね。あの銃は6発装填できるやつだから、完全に挑発してるね』

 

「その割に動く気配がありませんね」

 

『何か隠してるだろ、待っててやるから早く使えよって言ってるね。正面から迎え撃つ気かも、ベリーさんの待機モーションが始まったし』

 

「あぁ、貴女たしか唇の動きを読めるんでしたっけ。さてその挑発に対してコダマさんは?挑発に乗る事にしたようです。攻撃の手を…いえ、足を止め音撃を止めて再度距離を取りました。コダマさんの隠し玉は近距離では使えない模様です」

 

『同時に使えないか、距離が必要か。さあ舞台も大詰め、見どころだよ』

 

「しっかりと溜めを作っているコダマさん、いったいどのようなモノを見せてくれるのでしょうか」

 

『あのベリーさんに使おうとするぐらいだから、相当自信があるのは間違いないだろうね。となるとやっぱり[大連響]みたいな範囲攻撃になるのかな?』

 

「溜めが終わった様です。コダマさんは指鉄砲で照準を定めています。これはまさか単体攻撃でしょうか!?伸ばした腕と指鉄砲に沿うように、次々と反射膜を重ねています。円筒状の柱を思わせるほど隙間なく連なる反射膜ですが、どのようなと意図があるのでしょう」

 

『反射膜はあくまでも反射させる魔法だからね。トランポリンだって突き抜けたら跳ねないのと同じで、重ねる意味がないどころか無駄に消耗するだけだと思うよ。でもそんな訳無いから、きっと──っ!』

 

「わっ! と何が起こったのでしょうか!?コダマさんが何か言っていたと思った次の瞬間には、爆音と共に2人を土煙が包み込んでしまいました!」

 

『はぁービックリしたぁ…アレは多分だけど、重ねた反射膜の中を高速で増幅反射させ続けた音撃を撃つ。ただそれだけなんじゃないかと思う。ボクはギリギリまで反射膜を見てたんだけど、中央部分から消えていくのを確認したから、間違いないね』

 

「普段の音撃とは明らかに威力が違いますが」

 

『きっとそこがさっきの溜めだよ。力を多く込めて強度と増幅限度を上げた膜の間を何度も反射させて撃ち出したんだと思う。1度反射させた膜をすぐに消してるのか、耐えられずに消えてるのかは分からない。どちらにせよ新しく作るだけの余裕がないから、先に展開してるんじゃないかな』

 

「なるほど、後で本人に聞くか考察をしなければいけませんね。あの威力があれば、私でもダメージは免れないでしょう」

 

『そうだね、元が音撃、音速の攻撃なだけあって避けるのも難しそうだし。あと撃ち出した時の音ってソニックブームなんじゃない? 音速を更に加速して撃ち出してる訳だしさ』

 

「それはそのうち解明しましょう。ほら、土煙が引いてきましたよ」

 

『結果はどうかな? ベリーさんでも直撃してたらただじゃ済まないよ』

 

「気になる結果は…見えましたね。ベリーさんの勝利です。コダマさんの背後に立ち、銃口を突き付けています」

 

『しかも無傷。我等がハックルベリーはあの攻撃を回避したみたいだね』

 

「密着距離になってしまうとコダマさんは為す術がありません。全ての動作より先に、ベリーさんの弾丸が直撃してしまいます。今、コダマさんがゆっくり両手を上げました」

 

『負けました、だってさ』

 

「“魔法少女”コダマの『vs【読全の魔女】ハックルベリー戦』の決着です。勝者はハックルベリーでした。総評としてコメントはありますか?」

 

『いい戦いにはなっていたと思うんだけど、相手が悪かったとしか言い様がないよね。最後のとっておきを、ああも簡単に避けられるのはそうそう居ないはずだから、気を落とさずに今後の課題として立ち向かってほしいね。ベリーさんに関しては何も言うことがないよ。ボクでもどうしたら良いのか分からないから。むしろどうやってあの人を倒すのか、ボクも議論に混ざりたいくらいさ』

 

「ありがとうございました。これにて我々はおさらばさせていただきます。さようなら」

 

『バイバ~イ』

 

 

 

 





 いやほんと、マジで本編の筆が進まないのよ。
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