セクハラ辞めたらパーティーメンバー全員病んだ。なんで?   作:陽波ゆうい

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第5話 セクハラするけど、メンバー全員母親属性しかいない

 夕食の時間になり、パーティーメンバー全員で食卓を囲んでいた。

   

 俺は、メイン料理であるハンバーグから手を伸ばす。

 

 ナイフを入れた瞬間、じゅわっと肉汁が溢れ出す。

 表面はしっかり焼かれていて、でも中はふんわりジューシー。デミグラスソースの匂いも合わさり、腹がぐぅと減る。

 

 大口でぱくっと食べれば、もう……最高っ!

 

「ふふっ。ユーガ君の食べっぷりはいつみてもいいですね。その表情で十分すぎるぐらい分かりますが……ユーガ君? ハンバーグのお味はどうですか?」

「ん! 美味しい! めちゃくちゃ美味しいです、マルテさん!!」

 

 思わず敬語が取れてしまうほど、美味い。

 

 使っているのは魔物肉だけど……全然抵抗感はない!

 むしろ、魔物肉の方が好きかも。

 

 前世に食べたジャンキーな感じのハンバーグとは違い、マルテさんの作るハンバーグは洋食レストランとかそういう専門の店で食べる味。

 

 マルテさんの作る料理はどれも美味しいけど、俺は特にハンバーグが好きだ。

 

「ユーくん、ユーくん♪ お口には何も付いていないけど、拭いてあげるね♪」

「ありがとうこざ……えと、セフィアさん? 何も付いていないなら拭かなくて……むぐぐっ!」

 

 セフィアさんが紙ナプキンで俺の口周りを優しく拭いてくれる。

 

「はい、綺麗になりました〜♪」

「元々綺麗だったのでは? でも、ありがとうございます!」

 

 まあ拭いてくれたから、お礼は言うけどな。

 

「マルテ、ハンバーグおかわりだ。おい、ユーガ。たくさん食べないと大きくなれないぞ?」

「もちろんですよ、ジーナさん! 俺もパンとスープとハンバーグおかわりしますから」

 

 会話が途切れることなく、和気あいあいとしたいい雰囲気の夕食時。

 

 みんな優しくて思いやりがあって、仲の良いパーティー……なんだけど。

 

「今日は久しぶりにお酒飲もうかしら」

「マーちゃん珍しい〜。じゃあ私はワイン〜」

「アタシはキンキンに冷えたビールだな! よぉし! 早速、飲もうぜー!」

 

 えーと……なんでこのパーティーは俺以外全員、()()()()なのだろうか?

 

 最強の剣使いと呼ばれる若き騎士団長の母親である、マルテさん。

 

 どんな傷も一瞬で癒し、謙虚で朗らかな人柄も人気な若き聖女様の母親である、セフィアさん。

 

 なんでもどこでも作り出せる凄腕の若き錬金術師の母親である、ジーナさん。

 

 そして、その子供たちは今……。

 

「それにしても、あの子たちが旅に出てもう1年が経つのですね……」

「みんな元気かなぁ〜。怪我してないかな〜。お腹空かせてないといいけど〜」

「まあアイツらなら大丈夫だろ。なんたって、アタシらの子供で勇者として選ばれるぐらい強いしな!」

 

 そう、勇者。

 

 この3人の子供たちは、()()()()()()()として魔王討伐の旅に出ているのだ。

 

 つまり、このパーティー。

 

 実質、勇者パーティーとして魔王討伐に出ている我が子を待つ、健気な母親たちの集まりなわけで……。

 

 だから……なんか、申し訳なくなってくるのよ!!

 

 そりゃ、俺だって最初の頃は異世界で無自覚、無双、美少女ハーレムを築きたいと思っていたけどさ!!

 

 けど、気づいたらパーティーメンバー全員、母親だよ! なんでっ!?

 

『魔王討伐から帰ってきたら、母親全員寝取られてました』みたいなタイトルになるの嫌だよ!!

 

 だから俺は、セクハラをして母親全員に嫌われたい。

 

 そうして、早くこのパーティーから引き離されたいのだ。

 

 ……変な気が起こる前に。

 

「しんみりした空気になってしまいましたね。ユーガ君もお酒飲みますか? 私のでよければ少しだけでも……」

「ユーくんが飲むならほろ酔いサワーからよ〜。わたしの1口飲まない〜?」

「いいや! ここは男らしく強い酒でいこうぜ、ユーガ! アタシのビールを飲め飲めっ!!」

 

 俺の気も知らずに、母親たちがお酒を勧めてくる。

 

「い、いやぁ……俺は大丈夫です! ご飯いっぱい食べたいので!」

 

 そう返すと、3人は「若いわね〜」と言いながらお酒を飲んでいた。

 

 異世界だと15歳から成人と見なされるので、俺はお酒はもう飲めるのだけど……。

 

 飲んで、酔った勢いで母親全員襲っていました、みたいな展開になりたくないし……!

 

 俺は早くセクハラして嫌われて、このパーティーから追放されたいんだ!!

 

 

 そんなセクハラ生活が続いたある日のことだった。

 

 勇者パーティーが魔王を討伐したというニュースが街中に知れ渡った。

 

 




あらすじの"母親属性"がポイントになってきます。
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