「デッッッカ……」
食事も終わり入浴の為に脱衣所に行き、ふと視界に入った鏡越しの自分を見て思わず声を上げてしまった。
いきなり推しの艦娘が目の前に全裸で現れたのだ、思わずそれに食いつかざるえない。
「あう……」
しかし大きな胸が全裸ゆえに暴れてしまい危うく転倒しそうになった、しかし艦娘になった事で運動神経が上がり何とか耐える事ができた。
「……何してるのよ」
山城は呆れた表情でこちらを見ていたのでちょっと恥ずかしくなった。
「いえ、その……、初めて見たもので……」
「まぁ今までと一変して驚くのは分かるけど、これからは貴女の体なのだから慣れていきなさい」
「そうですね、慣れていかないとですね……」
肯定はしたものの、男だった自分にとっては自らを見下ろした景色と鏡で見た光景がしばらく慣れそうにない。
それから山城に教えてもらいながら髪の毛と体を洗っていく、艦娘といえど女性の体なので思ったよりも柔らかい肌で自分の物なのに緊張してしまった。
「はぁ~……」
緊張した状態から湯舟に入った事で今までで1番気の抜けた声が出た、女性になったのもあってとても気持ちよく入浴できた。
やたら長い髪の毛を乾かせるのは思ったよりも時間がかかるのが驚いた、それに肌の手入れに関しても種類があり、女の子は大変だと思っていると山城にツッコまれたりした。
「とても濃い1日だった……」
「そりゃあ全てが初めてならそうでしょうね……」
胸が大きいせいで仰向けもうつ伏せもできないので横向けになって寝ている、2段ベットなので山城の顔は見えないが、少なくとも悪い感じはしない。
「今日は本当に助かりました」
「このくらい構わないわよ」
「今日は見て回っただけなのに疲れちゃいました」
「そりゃああれだけ振り回されていたらね……」
「一体どうやったら振り回されずに済むんでしょうか?」
「慣れよ慣れ、自分の体なんだからそれが一番よ」
「それもそうですね……」
「明日からは少しだけど訓練があるからもう寝なさい、私ももう寝るから」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみー」
扶桑さんになった事でテンションがまだまだ上がっているのでしばらく寝られそうにない、山城の方からは寝息が聞こえるのですっかり眠っているのだろう。
暇になってしまったので、日中に少ない荷物を机や棚に収納した時に、自分にあてがわれた机の引き出しに手紙が入っていた、月明かりしかないのだが艦娘になった事で視力が超よくなったので難なく読むことができる。
【次の私へ】
そんな宛先の手紙を読む、この私というのはおそらく扶桑になった自分の事だろう。
(えっと……)
読み始めようと思ったが、書かれている文字が達筆で読むのがとても難しかった。
何とか読もうと考えこんでいる内にどうやら寝落ちしてしまい、気が付いたらラッパの音が全体に響き渡っていた。