【完結】フリーレン達のエロ&下ネタ冒険譚を無許可で書いた結果   作:シャリ

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2話:最強の戦士

 勇者ヒンメル一行が魔王を討ち、王都に凱旋してから二年後。

 

 

 とある街から少し離れた森の中に、素朴な丸太小屋が佇む。

 街の喧騒から隔てられたその場所で、戦士アイゼンは静かに一人暮らしを続けていた。

 

 アイゼンの朝は、常に早い。

 日の出の光が森の木々を優しく照らし始める頃に目を覚ます。

 

 まずは体を温めるための軽い鍛錬として腕立て、素振り、そして深い呼吸法。汗を拭い、簡素な朝食を取る。干し肉と森で採れた野草のスープ。それが彼の変わらぬルーチンである。

 

 世間では勇者一行の物語が熱狂的な人気を博していたが、アイゼンの生活に、そんな波は届かない。

 森の静寂の中で、彼はただ己を磨き続けるだけだった。

 

 ──ある日までは。

 

 

 

 

 その日、アイゼンは小屋の中で斧の手入れに没頭していた。

 刃の微かな欠けや傷を目と指で確かめ、磨き布に油を染み込ませて丁寧に伸ばしていく。長年の戦いで培われた、武器に対する深い理解が、手つきに表れていた。

 

 

 作業を終える頃、森の奥から足音が近づいてくるのが聞こえた。乾いた枝葉を踏む、軽やかな音。

 魔族の気配ではない。人間の、それも穏やかな存在感。

 

 来客は実に珍しい。

 

 

 

 

 扉を叩く控えめな音が響いた。

 

「入っていいぞ」

 

 アイゼンが低い声で応じると、扉がゆっくりと開いた。現れたのは一人の女性だった。

 淡い金髪を簡素な布で束ね、白い僧衣に身を包んだ、二十代の若い女僧侶。穏やかな瞳に、かすかな緊張が混じっていた。

 

「突然お邪魔して申し訳ありません。私は街の教会で治療を営むマルレと申します」

 

 アイゼンは軽く頷き、部屋の隅にある粗末な椅子を指差す。

 マルレと名乗った女僧侶は丁寧に礼を述べ、椅子に腰を下ろした。

 

「それで、俺に何の用だ?」

「……実は、少し困ったことが起きていまして」

「言ってみろ」

 

 マルレは苦笑いを浮かべた。

 

「最近、冒険者の間で『戦士アイゼン式特訓』というものが流行っているんです。若い戦士たちがあなたの真似をしています」

「……そうか」

「その特訓で怪我をする方が多いんです。治療しても、また同じことを試して怪我をする方もいて困り果てています」

 

 マルレは深く息を吐き、懸命に訴えるような目でアイゼンを見つめた。

 

「お願いです、アイゼン様。街に来て、彼らに真似を止めるよう言っていただけませんか? 皆、アイゼン様に憧れているんです。あなたの言葉なら聞いてくれるはずです」

 

 アイゼンは少しの間、沈黙した。

 椅子の背にもたれ、腕を組む。

 

「……怪我するのは、普通だ」

「え?」

 

 期待とは違った答えで困惑するマルレだが、アイゼンは構わず言葉を紡ぐ。

 

 

「特訓というのは、怪我するものだ。俺も若い頃はよく皮膚が破け、骨を折った。血を吐いたこともある。それでも続けたから魔王を倒し、こうして今も生きている」

 

 マルレは言葉を失ったように口を閉じた。

 アイゼンの声には経験に基づく、静かな重みがあった。

 

「痛みから学び、段々と強くなる。誰かに『やめろ』と言われてやめるようじゃ、戦士にはなれん」

 

 

 マルレは視線を落とした。言葉を探すように唇を動かす。

 

「それはっ……そうかもしれません……ですが……!」

 

 声を震わせて、言葉の先を続けるのを躊躇う。

 

 

 アイゼンはしばらく黙っていた。

 窓の外で風が葉を揺らし、遠くで鳥のさえずりが聞こえる。静かな森の調べが、二人の間に流れた。

 

 やがて、マルレが顔を赤らめながら、遂に続きを吐き出した。

 

 

 

 

「アイゼン様の真似をして、おっ……お尻の穴に武器を入れようとして怪我をした方々の治療はもうしたくないんですぅ!」

 

「なんだと」

 

 

  ◇ ◇ ◇

 

 

 荒野で勇者たちは大魔族アスールと対峙していた。乾いた風が砂塵を巻き上げ、緊張の空気が張りつめている。

 

「面白い……人間風情がここまで強いとは」

 

 勇者ヒンメルは剣を構え、フリーレンは杖を握りしめ、アイゼンは戦斧を肩に担ぐ。ハイターが後方から、女神の魔法で支援を続ける。

 

「僕たちは世界を救いに来たんだ」

 

 ヒンメルが静かに宣言する。

 

「お前を倒して先に進む」

 

 アスールは鼻で笑い、嘲るような視線を投げかけた。

 

「世界を救う? 実に滑稽だ。……だがいい。貴様らのような愚か者は、力の差を知ってから死ぬのが相応しい」

 

 アスールの足元から、光が迸る。

 光は瞬時に魔法陣を形成し、広がっていった。巨大な結界が展開され、一帯を覆いつくす。

 

 

 フリーレンがアスールを見て顔を歪める。

 

「魔力が膨れ上がった……!」

 

 期待通りの反応だとばかりに、愉悦に満ちた声が響く。

 

「どうだ? これが我が魔法『覇者の選定』だ。この結界内で、とある条件を満たした者だけが大幅に強化される」

 

 敵の増大した圧力にヒンメルが冷や汗を流しながら尋ねる。

 

「条件ってなにかな?」

 

 魔族は待ってましたとばかりに得意げに語りだす。

 

「我が魔法により、結界内で最も大きい物体をお尻の穴に入れている者が強化されるのだ」

 

 拳をグッと握りしめ、続ける。

 

「我がお尻の穴には拳サイズの金属を入れてある。……なぜそんな条件付けをしたのかと疑問を持っているようだな」

 

 ニヤニヤと余裕を持って説明を続ける。

 

「人間どもの身体は魔族に比べて脆弱だ。その中でも、お尻の穴は特に弱く、性器と違って男女を問わずに存在する。鍛えることも難しい。つまりだ」

 

 大魔族が高らかに勝利宣言を行う。

 

「お尻の穴こそが人類の弱点なのだ! 故に、我こそが頂点! 強化された我には誰も敵わぬ!」

 

 

 調子に乗っていた隙を突いて、ヒンメルが斬り伏せにかかる。

 

 ──が、剣は指先だけで受け止められた。

 

「化け物め」

「光栄だよ、脆弱者」

 

 軽く身体を殴られただけで、ヒンメルが吹き飛んだ。倒れたヒンメルはどうにか立ち上がるも、足元がおぼつかない。

 

 

 絶望の空気が漂い始める中……アイゼンが、一歩前に出た。

 彼は静かに斧を頭上に掲げる。

 

「何のつもりだ?」

 

 アスールの瞳が疑念で細まった。

 

「……強い戦士は武器の扱いが上手いもんだ。武器の振り方、手入れの仕方、そして何よりも」

 

 アイゼンが下半身を露出し、斧をお尻に近づける。

 

「自分のケツ穴に入れるのが、武器を扱う技術力と強さの証明になる」

 

 まるで魔法のように、体格的には入るとは思えない大きさの斧がアイゼンのケツ穴に収納された。

 

 

「あっ、ありえない!」

 

 魔法の強化対象がアスールからアイゼンに移り変わった瞬間、余裕の態度が消し飛ぶ。

 

「我こそが最強のはずだ! 人間如きのお尻に負けるなど!」

「違う。お前は、自分が最強だと思っているだけだ」

 

 アイゼンの瞳は力強く、一切の迷いがない。

 

 

「俺はアイゼン。世界最強のアナル戦士だ」

 

 

  ◇ ◇ ◇

 

 

 ビリビリと音を立て、本は引き裂かれた。

 

「ふざけているな」

 

 マルレの頼みを聞き、街に行ってバカな真似事をした彼らに注意を終えた。

 そして風評被害の元凶を知り、件の本を購入して内容を確認。

 結果、本は千切れたゴミに変わった。

 

 

「作者をぶん殴っておかないと気がすまん」

 

 アイゼンは手早く旅支度を終えると、小屋を後にした。




【後書き】
お尻は大事にしよう。

真面目な話の流れからネタに落ちるのいいよね…。
(原作ザインの上半身だけコマに映った状況で、親友の手を取らなかった後悔の語りからの底無し沼にハマってました状況のオチとか)

今回はアイゼンが風評被害を受けました。
次回はフリーレンが風評被害を受けます。


あと、評価や感想やお気に入りやここすきなど、ありがとうございました!
糧にしています。
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