【完結】フリーレン達のエロ&下ネタ冒険譚を無許可で書いた結果 作:シャリ
勇者ヒンメル一行が魔王を討ち、王都に凱旋してから二年後。
とある交易都市の喧噪の中でフリーレンは、いつものように魔導書を探して街路をさまよっていた。
やがて、古びた看板の下にある本屋にたどり着く。
小さな店構えは、街の賑わいから少し離れた静かな佇まいを保っていた。興味を引かれ、そっと木製の扉を押し開けた。
「いらっしゃいませ……あら?」
店主の女性が、カウンターから顔を上げて目を見開いた。彼女は中年の女性で、眼鏡をかけ、髪を後ろで束ねた簡素な装いだった。
「あなた……『搾精のフリーレン』様じゃあないですか!」
「え?」
聞き慣れない呼び名に、思わず眉をひそめる。
「ほらほら、あのシリーズで有名な。うちでもよく売れてます!」
店主は嬉しそうに棚から数冊の本を持ってきた。フリーレンは一冊を無言で手に取って、表紙を眺めた。鮮やかなイラストが描かれ、大きくタイトルが印刷されている。
『秘められし冒険譚14~搾精のフリーレン~』
背表紙に目を移す。そこには代表的なセリフが誇張された字体で記されていた。
『ふざけるな! 私は500人と乱交した大魔族だ』
『アウラーラ、お前の前にいるのは千人以上と乱交した魔法使いだ』
『搾精の…フリーレン……!』
眉がぴくりと動いた。
「……これ、誰が書いたの?」
「オーシュって作者ですねぇ。最近どこの本屋でも大人気なんですよ〜」
フリーレンは店主と会話を続け、本の内容が事実として人々に誤認されていることを把握した。数冊を購入し、宿に戻った。
夜。
宿泊する部屋にあるランプを灯し、柔らかな橙色の光の下でベッドに腰を下ろす。購入した本を広げ、ページをめくり始める。
「あっ、絵が主体なんだ。読みやすいね」
フリーレンは魔法書なら喜んで読み耽るが、小説には興味が薄い。文字ばかりの物語は、彼女の長い人生では退屈に感じられることが多かった。
それと比べて漫画には視覚的な魅力があり、表現技法として好みに合っていた。
漫画を読み進めるごとに、フリーレンの表情は変化する。
ペラッ。
『貴族とのえっち大好き♡』
「……私はこんなこと言わない!」
思わず大声を出して否定し、えっちなページを読み飛ばした。
ペラッ。
「……ミミックは卑猥なことしないよ」
ありえない描写にツッコミを挟みつつも、えっちなページは読み飛ばした。
ペラッ。
「……あっ、この魔法の使い方はいいね」
ちょっと参考になる場面もあった。
ペラッ。
『今の僕はフリーレンよりも君の方が好きだ。君が世界で一番可愛く、愛おしい』
「……ヒンメルはこんなこと言わ……」
断定はできなかった。長い旅の中でもヒンメルが女性を口説くところは一度も見たことがない。考えてみれば、この場面のようなヒンメルの『男』としての側面は知らない。
ヒンメルの知らない面がまだあったことに今さら気づく。
それなら、私はもっと…………なんだろう。上手く言葉にできない。
あと、このページのやり取りを読むと胸の奥がなぜかチクリと痛む。不快感が生じる。
二人のえっちなページは読み飛ばした。
ペラッ。
『僕はフリーレンを愛している』
「……ヒンメルはこんなこと言ってない」
でも、読むだけで胸の内から不思議な熱が湧き上がる。
私とヒンメルのえっちなページは……ちょっとだけ読んでから飛ばした。
最後の本のページを閉じて、深くため息をつく。
結論は出た。
「私たちの旅をバカにしているよね」
翌朝、宿を出たフリーレンの耳に街の噂が飛び込んできた。市場の商人や通行人たちの声が、風に乗って届く。
「昨日さぁ、フリーレン様が自分の本を買ってたらしいぞ!」
「ほんと!? サイン貰えないかな〜」
「それよりも男の喜ばせ方を教わるべきよ!」
「勇者様からも搾り取る伝説のエロテクを学ぶチャンスね!」
ギョッとしたフリーレンは手早く魔法を駆使し、人目を避けて街から脱出した。
「一人で魔法を集めている場合じゃないよね」
自分たちの旅が好き勝手に書かれて、事実無根の風評被害を受けている。
「どうしよう」
対処が必要だと考え込むが、一人では答えが見えない。頭を巡らせる中、ふと仲間たちの顔が浮かんだ。
「とりあえず……みんなに会う?」
こうして、フリーレンが長い年月を挟まずに仲間の元へ向かう流れが起きた。
因みに、フリーレンは仲間と合流するまでに──
「わわっ……うわぁ…………」
何度も漫画を開いてチャレンジし、えっちなページも読み切ることに成功。赤面しながらも特にヒンメルとの純愛パートを読み直していた。
【オマケ話1:魔法都市オイサースト】
「射精しても萎えずに、すぐに二回目のえっちができるような魔法をください」
「……いいだろう」
「おっぱいが大きくなる魔法でお願いします! 彼氏のモノを胸で挟むパイズリってやつをしてあげたいんです!」
「…………いいだろう」
「身体の感度を上げる魔法が欲しいですね。えっちの気持ちよさで頭グチョグチョになってみたいので」
「………………いいだろう」
「今年の合格者はどうなっている……」
流行っているオーシュが描いた漫画に出てきたエロ魔法や性行為に興味を持った若い魔法使いたちが、好きな魔法を貰える『特権』目当てに一級魔法使い試験に合格。
ゼーリエは有用性の有無に限らず何でも魔法を蓄えていたので、困惑はありつつも願いが叶えられる魔法を与えていった。しかし、そのせいで誤解が起きていた。
「やったぁ、本当にゼーリエ様からエロ魔法もらえたよー!」
「エルフの魔法使いはやっぱりエロ魔法のエキスパートなんだな。漫画でしか知らないが、搾精のフリーレン様もそうだったしな」
「そうね。古くからのエロ知識や技術を蓄えているに違いないわ。エルフはまさしく生きたエロ百科事典ね」
フリーレンに留まらず、エルフ全体に風評被害が広まりつつあった。
【オマケ話2】
旅を続けるには路銀が必要である。そのため、旅人が街にしばらく滞在してお金を稼ぐのは珍しい話ではない。
エルフの男性であるクラフトも同様だった。とある街で、彼はモンクとして鍛えた身体を活かし、重い荷物の配達で路銀を稼いでいた。
そして、彼は服を着ていると暑くなりやすく汗が流れると考えて上半身裸になって仕事をしていた。
「荷物、ここに置いておくぞ」
「クラフト様♡ ありがとうございます♡」
彼は人目に対して無頓着な部分もあるため、女性相手でも己の鍛え抜かれた美しい腹筋や胸筋を隠すような真似をしない。
エルフなので美形で顔が整っており、街の女性達を知らないうちに魅了していた。
「エルフの男……えっちすぎる……!」
「あたしを抱いてほしいって頼んでみようかなぁ」
「やめときなさい。エルフなんだし、良い女を沢山抱いてきてるでしょ。比べられちゃうわよ」
「うっ、それはヤダ……。見て楽しむだけにしとこ」
「イケメンエルフが惜しげもなく裸を見せてくれるのありがたいわね〜」
「漫画で描いてある通り、エルフってえっち種族なのねぇ」
こうして、路銀を稼ぐクラフトはエルフ全体への風評被害の拡大に加担していることに気づかないのであった……。
【後書き】
クソボケ情緒エルフには寝取られエロ漫画と純愛エロ漫画で刺激を与えたまえ!!!!
エロ小説だとフリーレンが読んでも上手くそういう場面が想像できなかったでしょうが、漫画は視覚的に表現されるのでそういう問題が起きませんでした。
今回はフリーレンが風評被害を受けました。
次回はヒンメルが風評被害を受けます。
エルフはえっち種族?
-
はい
-
いいえ
-
分からない
-
たぶんそう 部分的にそう
-
たぶん違う そうでもない