STARWARS バクトゥールの地にて   作:バケツ頭 小説もどき家

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血塗られた式典#2

 アルフォルド司令はテロとの戦いとバクトゥールに対しての軍の貢献を強調するため、ゼント・シティーで大規模なセレモニーを開催した。勲章授与者の名簿にはガイバグとの戦闘に参加した帝国とバクトゥール星系防衛軍の士官らの名前が並び、その中にファマの名も記載されていた。

 

 アルフォルドが上機嫌で乾杯の号令を掛けた頃、ファマは木にぶつかって煙を上げているランドクルーザーの上に腰を下ろし、足を組みながら迎えを待っていた。彼女を運んでいた送迎サービス会社の運転手が事故をやらかしたのだ。

 

「申し訳ありません……」

 

「いいよ。気にしないで」

 

 そう笑うファマ。気弱そうな新人の運転手は何度も頭を下げ「直ぐに迎えが来ますので」と謝った。少し前に彼のコムリンクから漏れ聞こえた「代わりなんて寄越す暇はない!」という声がファマの幻聴でなければ、迎えはいつ来るか分からない。これも招待しておいてラムダ級を寄越さなかった軍部と、部下と連絡を取るためのコムリンクを基地に忘れてきた自分が悪い。ファマはそう感じ、運転手を哀れにさえ思っていた。

 

 黒のジャケットを羽織り、白い脚をブーツに突っ込んでいる若い女が、実は帝国軍士官で勲章授与対象者なんてジェダイにしか分からない。もしも運転手が彼女のバックに収まっている緑色の軍服を見て、彼女が何者であるかを知ったならば自暴自棄になるであろう。運転中、発禁処分になった『ベイダーの人工器官』を実は好きだと言ってしてしまったなら尚更だ。

 

 独特なエンジン音が聞こえてくると、ファマは顔を上げる。

 

 ガタガタと音を立てながら近づいてくる一台のトラクター。「何だか良い予感がしてきた!」ファマの緑色の瞳が輝いた。   

 

 

 

 

 

『退屈なアウターリムの生活を彩る放送局シグナル7! ただいまアウターリム全域で放送中! さて、次の曲はタトゥーインで人気のこの一曲! お聴きいただきましょう“わたしに夢中”』

 

 ノイズ混じりの音楽が車内に流れ、隣に座る女の頭が揺れる。その様子にジャルミクは微かに口角を上げ、顔の鱗を寄せた。黒いジャケットにブーツを履いた若い女性、恐らく都会を夢見て家を飛び出した浮かれた若者か何かだ。拾ったのが自分で本当に良かったと、ジャルミクは思った。自分が拾わなければ何か悪いことに巻き込まれていただろう。彼女の人懐っこさと警戒心のなさからガイバグ人はそう想像した。

 

「ゼントへは何をしに行くんだ?」

 

「呼び出されたのよ。仕事が忙しいっていうのにいい迷惑」

 

 と女は笑った。

 

 ここらへんの仕事というと、ムジャフルーツの労働者か地元の酒場か。ジョミックは隣の女が家出娘ではないことに安堵し、彼女の職業を想像した。

 

「タダでご馳走を食べれるから文句はないけどね」

 

「友達の結婚式にでも出るのかい? その割に迷惑そうな感じだが」

 

「結婚式? いいえ違うわ」と、女は言った。「友達の結婚式なら喜んで出席するわ。たとえ招待されてなくてもね。私が行かなきゃならないのは軍の式典、死ぬほど退屈なパーティーよ」

 

 

 

「……軍の式典?」

 

「そう。街で盛大な式典を開くんですって。数時間後には制服を着て、胸にメダルをつけられてるわ。遅刻で名簿から名前が消されてなければね」そう言って、女はガタガタと鳴るエンジン音に耳を澄ませた。「どうやらまだ修理には出してないみたいね。悪いことは言わないから早めに出したほうがいいわ」

 

「……まえに何処かであったか?」ガイバグ人は目を女の方に動かした。

 

「あったよ」女は黒いジャケットに刻印された小さなカドゥを指差した。「このマークに見覚えない?」

 

 ジャルミクは少し沈黙した後、記憶の海からその印を引き上げた。

 

「あの時のトルーパー!」

 

「そう!」

 

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