STARWARS バクトゥールの地にて   作:バケツ頭 小説もどき家

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血塗られた式典#5

 市中央にある保安センターの通信指令室は現場部隊から入ってくる通信で慌ただしい。保安部隊は予想以上の現場の混乱ぶりに翻弄されていた。

 

 式典に招待されてると言い張る者、自称マスコミ関係者、反帝国的な言動を叫ぶ狂乱者。担当エリアが広く、パーティーに“乱入”しようする者達も多いのに、警備に投入された部隊は少数。現場はパンク寸前だった。

 

『西側b-2検問所、バリケードを乗り越えた男が数人、警戒エリアに侵入。現在捜索中。応援を求む』

 

「了解──管理官、b-2検問所の部隊が応援を求めてます」

 

「バンサ分隊を向かわせて」

 

 ルヴェ厶・ヘラサ。彼女と彼女の部下達は保安部隊に編入されたゼント・セキュリティの職員で、保安部隊の通信業務を担っている。ルヴェ厶ら少数の管理官は指令室内を歩き回り、現場部隊とやり取りするオペレーター達の様子を観察し指示を出していた。

 

「了解──バンサ分隊、至急b-2検問所へ向かえ」

 

『了解。移動する──お前達行くぞ』

 

 トルーパーの低い声。ホロマップ上で青色のマーカーが移動を開始する。彼らが動いたことで、ホテルに配備されている分隊は会場フロアの通路口と一階搬入口を警備する二個のみとなった。

 

『指令部、こちらBOMB。エリア223の不審物は爆発物にあらず。ただのバックパックだった。危険性はない。これより撤収する』

 

「了解」

 

 報告を受けたオペレーターはため息をつき、通信を切る。

 

「まるで帝国の日並みの混乱ぶりですね。そう思いません?」

 

「そうね」

 

 ポケットの中で振動するコムリンク。ルヴェ厶から笑みが消え、彼女の表情が強張る。

 

「帝国軍も帝国の日の時ぐらいの応援を──」

 

「ごめんなさい。ちょっと席を外すわ」

 

 ルヴェ厶は部下との会話を切り上げ、モニターに背を向ける。

 

 

「ガイバグ人のトラクターは?」

 

「市内を出ました」

 

「ならプローブドロイドを引き上げさせて。もう彼を監視する必要は──」

 

「リリア」

 

 声を掛けられ、リリアは後ろを振り向いた。右耳に装着された白いコムリンク。綺麗に纏められたブロンドの髪。その黒い制服はオペレーター達と同じだが、左腕に巻かれた青い腕章は彼女が管理官である事を示している。

 

 リリアは同僚に手のひらを向け、待つように頼んだ。

 

 ルヴェ厶はポケットでコムリンクが震える中、静かに彼女を待つ。

 

「ドロイドを引き上げさせて」

 

 リリアは指示を出すと、ルヴェ厶に顔を向けた。

 

「どうしたの?」その顔は微かな笑みを纏っていた。

 

「少しの間席を外すわ。その間、カバーをお願い」

 

「ええ、構わないわ。だけど、この貸しは高いわよ?」

 

「ありがとう。直ぐに戻るわ」

 

 リリアは親友が足早に去っていくのを眉をひそめながら見つめた。

 

 あの素っ気ない態度。いつもの彼女じゃない。リリアはルヴェ厶の表情と態度に違和感を感じたが、それが何であるかまでは分からなかった。最後の最後まで。

 

 

 

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