1991年4月、M県S市にある杜王町……そこは日本ではよくある普通の街である。観光客が多く訪れる観光地でもある杜王町は住民達から見ても住みやすく快適な街として評判であった。
「ええと、カメラは持ったな。それと娘も準備万端だし後は出発するだけだ」
そんな杜王町の郊外にある邸宅では、とある父親が娘の入学式の為に準備をしていた。愛娘の入学式という一大イベントに父親は少しウキウキとした様子を見せていた。
「しかし娘も小学生か。月日が経つのは本当に早いなぁ」
「吉影!そろそろ出発しないと不味いぞ!早くぶどうヶ丘小学校に向かうんじゃ!吉美ちゃんはもう車の前で待っておるぞい!」
「わかってるよ親父」
祖父の言葉を聞いて父親は家を出て車に向かう。
「待たせてすまないね、じゃあ行こうか」
「うん!」
愛娘の元気な返事を聞いた父親は満足気に頷いた後、車を運転して目的地に向かうのであった。
「1+1は?」
「に!」
目的地であるぶどうヶ丘小学校に到着した親子は校門の前で記念撮影をしていた。周囲では大勢の親子が同じように記念撮影をしておりとても騒がしい様子を見せていた。
「よし、いい笑顔だ。ベストショットが取れたと確信できたよ。帰りにカメラ屋さんで現像してもらおう」
「上手にとれたかな?」
「ああ、とてもいい笑顔だったよ」
上手く笑顔ができたか心配する娘を微笑ましく見ていた父親は娘を連れて入学式が行われる体育館に向かう事にした。
【新入生の皆さん、御入学おめでとうございます……】
私の名は吉良吉影、年齢は25歳。大学卒業後はカメユーチェーンで会社員として働いている。タバコは吸わない、酒も飲まない、そして飲み会は参加しないし定時になったらどんな事があっても絶対に帰宅する……愛する娘が待っているからだ。そして今日は愛娘の吉美の入学式という目出度い日であり、今日は特別に有休を取得して入学式に参加している。上司や同僚達は快く有給を認めてくれたしカメユーチェーンは子育てにも寛容ないい職場だと思う。
「……う~~、ううう~~ッ」
表向きは妻は事故で死亡し現在は娘と2人で暮らしていることになっている……あの女は顔は抜群にいいが性質の悪い女だった。やめよう、
「よ、吉美っ、吉美ちゃんっ……!」
あの女を消すついでに一緒に処分するつもりだったが、両親が懇願するから生かしておいた。まあ今となっては可愛い一人娘だし衝動的に殺さないでよかったよ。子育ては大変だが親父が面倒を見てくれてるからとても助かっている。それに吉美は私に似て聡明で手間のかからない良い子だし、私の事を素直に慕っている可愛い愛娘だ。
「吉美ちゃんの、かわいいかわいい孫の入学式を見る事ができて儂は感無量じゃッ!ああッ、生きててよかったッ!この日まで生きてて本当によかったぁぁ~~~ッ!」
「いや死んでるだろ」
写真の中で号泣しつつ世迷言を言う親父……吉良吉廣に対して思わずツッコミをいれてしまう。そういえば自分の入学式の時も親父達が号泣していたのを思い出し苦笑するが、周囲に気付かれないように注意する事にした。
「落ち着いてくれ親父、あんまり号泣してると周囲に聞こえるかもしれないだろう?嬉しい気持ちはわかるが声は抑えてくれよ」
「す、すまん」
親父が落ち着いたのを確認した私は娘の嬉しそうな姿を見て心が温かくなるのを自覚する……自分が父親になった事で親父達が私を可愛がっていた気持ちが理解できた。自分の子供というのは本当に素晴らしい存在だね。
「こうやって吉美が成長していく姿を見るのはいいものだ。あの子もいつか小学生から中学生になり、高校を卒業して大学生になって大人になるのか」
「吉美ちゃんは幼い頃の吉影と同じく可愛い顔立ちをしておるし、成長すればきっと美人になるじゃろう!悪い虫がつかないように今から見張っておかんとな!」
「気が早いな親父は。あの子は私に似て聡明だし大丈夫さ」
杞憂な事を考える親父に呆れつつも、私は娘の幸せな様子を見て再度幸福な気持ちになる……だが入学式が終わる前にやっておく事があるのを思い出す。
「そうだ、一度トイレに行って
「しかし親父も困ったものだよ、孫の入学式を見て号泣するのはわかるが泣き過ぎだろう。そういえば昔、私の入学式の時でも親父達は号泣してて周囲の視線を集めてたな。ハハッ、あの時は恥ずかしかったが今なら親父達の気持ちがわかるよ。いやでも周囲を気にせず号泣するほどではないな……君の時はどうだったんだい?」
「君をあまり構ってあげられなくて申し訳ないけど、最近は娘の入学式の準備とかで忙しかったんだ。大目に見てくれないかな?ありがとう、君は優しいね。手も綺麗だけど心も美しいみたいだ」
「あの子は私に似て容姿も整っているし、親父の言うように成長したら美人になるだろうね。フフフ、親の贔屓目かもしれないがきっとそうなるよ。君とはこれでお別れだ。娘の入学式に付き合ってくれてありがとう……キラークイーン」
入学式が終わり
「吉美、今日は疲れただろう。家に帰ったらご馳走を作るから楽しみにしていなさい。そうだな、親父と一緒に吉美の大好きなハンバーグを作ってあげるよ」
「わあ、うれしい!お父さん大好き!」
「フフ、私も吉美の事が大好きだよ」
「よっ、吉美ちゃん!?儂はっ、儂はどうなんじゃッ!?」
「おじいちゃんも大好き!」
「う、うっ、うううっ……うおおおぉ~~~んッッ!こんなかわいい孫を持てて儂は幸せ者じゃあ~~~ッ!」
「五月蠅いぞ親父」
無邪気な吉美の言葉を聞いて感極まった親父を窘めつつ車を運転する。……これが私の日常だ。かわいい愛娘に過保護な親父の3人で暮らしている極普通な家庭だ。まあ親父は死んでいて写真の中に住み着いている幽霊だし私もちょっとした異能を持っているが、それについては周囲に露見する事無く平穏な生活を送っている。
そして私はとある
今の環境は素晴らしい。娘の成長を見守りつつ
「ああ、なんて素晴らしい日常なんだ」
「お父さん?」
「おっと、口に出ていたか。なんでもないよ」
この素晴らしい日常に満足しつつ私はこの生活を続けこれからも幸福に生きていこうと決意したのであった。
<人物紹介>
●
→吉良吉影の一人娘。オリキャラ。吉良吉影が大学時代に若さ故の過ちを犯した結果誕生した可愛い娘である。父親譲りの整った顔と知性で将来は美人になる事が確定している。性格は無邪気で穏やかであり、ハンサムでカッコイイ父親と優しい祖父の事が大好き。父親の
スタンドは発現していないがスタンド使いになれる素質はあり吉廣の姿は見えている。吉影の娘なのだから当然である。
●吉良 吉影
→ジョジョ4部のラスボス。聡明で手間のかからない娘を可愛がっている。父親の吉廣のように親バカにはならないが娘の事は大事に思っており、娘の成長を我が事のように喜んでいる。殺人鬼でも自分の子供はかわいいのだ。会社の上司や同僚達からは娘思いのいい父親だと思われている模様。
殺人が趣味のブタ野郎な部分は変わっていないが、
●吉良 吉廣
→写真の親父。故人。スタンド能力で幽霊として現世にしがみついている。吉美はかわいい孫であり吉影と同じくらい溺愛している。吉良が仕事で家にいない時は吉美の相手をしており、赤ん坊の頃から世話しているため可愛くて仕方ないようだ。亡くなった妻も天国で喜んでいるだろうと確信している。
●吉美の母親
→故人。大学に入学した吉影を襲って吉美を作った行動力の化身。その後スタンド能力に目覚めた吉影に抹殺された。今後出てくることはない。
●今回の
→吉良吉影に殺された犠牲者の手首。独身の会社員。最近忙しくて構ってあげられなかった事を謝罪されつつ最後に尻を拭かされ、その後キラークイーンで爆破され消滅した。
●キラークイーン
→吉良吉影のスタンド。触れた物を爆弾にする能力を持ち証拠隠滅に大活躍している。ちなみに吉美が赤ん坊の頃はオムツを処分したり吉美を寝かしつけたりしていたようだ。
趣味で書いているので更新はおそくなります。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。