吉良親子は静かに暮らしている   作:すも

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息抜きを兼ねて投稿しました。更新は不定期です。


吉良吉影と予期せぬ介入

「バッド・カンパニー!…………な、なにぃッ!?」

 

正体不明の男を見て形兆は即座に自分のスタンドであるバッド・カンパニーで攻撃を仕掛ける。自分達の秘密を知られたので口封じの為に始末しようとしたが、それ以外にも形兆の勘が目の前にいる男が危険だと訴えていたからだ。

 

だがバッド・カンパニーの兵士達による一斉射撃は謎の見えない壁によって防がれてしまう。吉良吉影は余裕な態度を崩さず興味深い様子を見せていた。

 

「それが君の異能なのか。小さな兵士達を無数に展開させるとは。私のキラークイーンや親父の能力とは全然違うな」

「バリアーだと!まさか、これがお前のスタンド能力なのかッ!?」

「スタンド?君達は超能力の事をそう呼んでいるのか。まあいい、これは私の能力ではないよ」

「あ、兄貴ィッ!?何か俺達の周囲に見えない壁ができているよ!スタンドで殴ってもビクともしないッ!」

「こォ〜〜〜ろォ〜〜〜すゥ〜〜〜ッ!」

 

吉影が見せた写真には虹村兄弟を憤怒の形相で睨みつけている吉廣の姿が写っていた。それを見た形兆は見えない壁の正体をある程度推測する事ができた。

 

「そ、そのジジイは……俺達の横にジジイが写っているが横を見ても誰もいない……写真の中にいるのか!この見えない壁はジジイのスタンド能力!さっきシャッター音が聞こえたが、あの時既に俺達はスタンド攻撃を受けていたのかッ!」

「ほーう、賢いじゃないか。親父の能力をすぐ把握できるなんて。なら君達の生殺与奪の権は私達が握っているのも理解できるだろう?」

「チィッ……!」

 

余裕綽々な態度の吉影に対して形兆は深刻な焦りを見せており、この状況をどう打開するか必死に考えていた。

 

「せ、せーさつよだつのけん?な、なんだそりゃあ?」

「……そちらの弟の方は頭が悪いようだ。いや、まだ子供だし難しい言葉を知らないのも無理はないか。簡単に言うと私達は君達を何時でも殺せるというわけだよ。君達はもう碌に抵抗もできず死ぬしかないのさ」

「ゲェ!?」

 

吉影の言葉を聞いて億泰は顔を青くした。自分達が詰んでいると聞いて億泰は思わず兄の方を見るが、形兆が苦い表情を浮かべているのを見て事実だと悟りますます顔を青ざめる。

 

「さぁて、お仕置きの時間だ。ああ心配しなくていい、私も鬼じゃないし子供を嬲り殺しにする趣味はないよ。親父がサクッと君達の首を落として私のキラークイーンで証拠隠滅するさ」

「こォ〜〜〜ろォ〜〜〜すゥ〜〜〜ッ!」

 

虹村兄弟は絶体絶命のピンチを迎えていたが、ここで予期せぬ乱入者が現れる。

 

「ガアアアァッ!!」

「お、親父!?」

「ッ!?キラークイーン!

 

突如として現れた怪物……虹村兄弟の父親が吉影に向かって飛び掛かってきたのだ。怪物のような姿をした乱入者に対して吉影は自分が最も信頼するキラークイーンで迎撃し殴り飛ばした。

 

「こいつも仲間なのか?だが私のキラークイーンの敵じゃない……何かわからないが爆破してやる」

 

-カチッ-

 

キラークイーンの能力によって爆弾にされた虹村父は爆発し、チリ一つ残す事なくこの世から消滅したのであった。

 

 

 

「なんだ、見掛け倒しか」

「おどろおどろしい見た目じゃったが大した事なかったのぉ」

 

乱入者があっさり消滅したのを見て吉良達は拍子抜けしていたが、油断せず虹村兄弟に向き直る。

 

「アレは君達の仲間だったのかい?」

「……………親父は死んだのか?」

「質問を質問で返すんじゃない、私の質問に答えてもらおうか……さっきのアレは確実に死んだよ。私のキラークイーンがアレを爆弾にして消滅させたからね。生きているわけがないさ」

「……………ハ、ハハッ。マジかよ。親父はようやく死ねたのか。まさかこんな近くに目当てのスタンド使いがいたなんてよォ」

「あ、兄貴ィ」

 

泣き笑いの表情を浮かべる虹村兄弟に吉影は怪訝な顔をしつつも、気を抜く事なく始末する事にした。

 

「ふうむ、あの化け物が父親だと?何だか色々と事情があったようだけど私の知った事ではないな。じゃあ君達も始末するとしよう。あの世で父親と仲良くするんだね」

「……億泰だけは見逃してくれないか」

「だめだめだめだめだめだめだめ!君達は死ななくてはならないんだ。大丈夫、すぐ終わるからさ。時間を掛けるつもりはないよ」

「地獄で反省しろクソガキ共がッ!」

 

吉影達は虹村兄弟を生かすつもりはなく、さっさと始末して愛娘がいる自宅に帰ろうと考えていた。

 

「そこまでだ、流石に子供が死ぬのを見逃す事はできないな」

「そうだ、アンタも落ち着けよ吉良さん」

「ッ!」

 

しかし突如として謎の二人組が乱入してきたのであった。

 

 

 

 

「……なんだね君達は。この兄弟の仲間なのか?」

「いいや違う。俺達は「矢」の行方を調査する為にこの町に来た」

「娘が危険な目に遭ってハラワタが煮えくり返っているのはわかるが、子供を殺すのはよくないぜ」

 

(なんだコイツ等は?いつの間に私の背後まで近付いていたんだ?……兄弟の反応を見るに部外者なのは本当のようだ)

 

突然の乱入者に困惑する虹村兄弟を見て吉影は事態がややこしい事になったのを把握する。

 

(この男達、かなりの手練れだな。立ち振舞に隙がないし私の事を油断せず観察している)

 

「おいアンタ達、ソイツに写真を撮られるな!俺達みたいに閉じ込められるぞッ!」

「チィ、余計な事を「シルバーチャリオッツ」……なぁ!?」

「おっと、すまないが念の為カメラを破壊させてもらった。後で弁償するから勘弁してくれ」

 

(は、速い!?私のキラークイーンがまったく反応できないだとぉ!?……まさか、キラークイーンより強いというのか!)

 

一瞬でインスタントカメラを破壊された吉影は、謎の外国人が自分よりも遥かに強い事を理解した。

 

「そろそろ落ち着いてほしいのだがな、手荒な真似はしたくない」

「……フウゥ~〜〜ッ。わかった、わかったよ。非常に癪だが見逃してやるよ。親父、能力を解除しろ」

「わ、わかった」

 

その気になれば自分達を簡単に制圧できると理解した吉影は虹村兄弟を始末するのを諦めた。そして吉影に言われて吉廣は渋々とした様子で自分のスタンド能力を解除する。

 

「よし、落ち着いてくれてよかった。大丈夫か君達」

「あ、アンタ達は……スピードワゴン財団のスタンド使い!しかも、あの空条承太郎なのか!?」

「スピードワゴン財団?世界的に有名な財団じゃないか」

 

吉影は乱入者の二人がスピードワゴン財団のエージェントだと推測し苦い表情を浮かべる。

 

(なんという事だ。財団のエージェントだとしたら目の前の二人組を始末したところで問題は解決しない。むしろ事態は更に悪化するじゃないか!)

 

自分の事がスピードワゴン財団に把握されていると予想した吉良は目の前の男達を始末しても意味がないと察した。

 

「そうか、あの野良犬がスタンドに目覚めたのは君達が「矢」を使ったからか」

「あれは不慮の事故だった。俺は不死身の化け物になった親父を殺してくれるスタンド使いを生み出す為に「矢」を使ったんだよ。でもまさかこんな近くにいたなんてな……もう目的は達成されたし「矢」は不要だ。「矢」はアンタ達に渡す事にするよ」

「ああ、こちらで預かろう。それと詳しい話を聞きたいが構わないな?」

「別にいいぜ。知っている事は全て話すさ」

「あ、兄貴ィ〜〜〜ッ!」

 

吉影が悩んでいるのを他所に財団のエージェント……空条承太郎は虹村兄弟を尋問していた。虹村兄弟の事情を聞いた吉良は思わず呆れた表情を浮かべる。

 

「なんて傍迷惑な、あんな危険な「矢」を使って他人に死ぬかもしれない博打をやらせるなんて」

「それについては同意する。彼等にも事情はあったが他人に迷惑かけていい理由にはならないからな。それとアンタにも話を聞きたいんだが」

「……………今日はやめてくれないか。娘が私達の帰りを待っているし夕飯の用意をしなくちゃいけないからね。せめて明日にしてくれ」

 

ポルナレフの言葉を聞いた吉影は嫌そうな顔をしつつも、断る事はできないと悟っていたので承太郎達の訪問を受け入れる事にした。

 

「そうだな、娘さんがいるし当然だ。では明日アンタの自宅に訪問するとしよう。承太郎もそれでいいか?」

「ああ、そうしよう。今日はこの兄弟から色々と話を聞く必要があるからな」

「……………ハァ、今日はなんて日だ。あのおみくじは全然あてにならないな」

 

吉影は溜息をつきつつも、もう用事はないので娘が待つ自宅へ帰ろうとするのであった。

 

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●吉良 吉影

→虹村兄弟を始末しようとしたら乱入者が現れたので渋々諦めた。承太郎達が歴戦の戦士だと瞬時に見抜き、正面から戦えば勝てない事は理解している。そして財団のエージェントである承太郎達を殺しても問題は解決しない事を悟っており、どうすればよいか頭を悩ませている模様。初詣で引いたおみくじは全然あてにならないなと思ったとか。

 

 その日は色々あったせいで熟睡できず少しだけストレスを感じていたようだ。幸いな事に本性はバレてないから大丈夫だ、問題ない。もしバレていたら針串刺しの形にされて再起不能になっていただろう。

 

 

 

●吉良 吉廣

→吉影から言われて不承不承ながら虹村兄弟を見逃した。承太郎達にスタンド能力をある程度推測されているので不意打ちは非常に難しいだろう。

 

 

 

●虹村兄弟

→間一髪のところで承太郎達に助けられた。怪物となってしまった父親の殺害という悲願が達成された形兆は憑き物が落ちたように大人しくなった。その後承太郎達に事情を説明し「矢」を渡す事にした。

 

 そして「矢」が承太郎達に回収されたので片桐安十郎はスタンド使いにならず、東方良平も生存する事が確定したのであった。

 

 

 

●虹村父

→三部ラスボスであるDIOの死後に肉の芽が暴走し理性のない不死身の怪物となっていたが、吉良吉影のキラークイーンで爆弾にされて消滅した。あまりにあっさり返り討ちにされたので承太郎達も止められなかった模様。虹村兄弟の願いは叶ったので大丈夫だ、問題ない。

 

 

 

●承太郎とポルナレフ

→凄腕のスタンド使いの二人組。吉影も彼等には勝てないと悟り大人しくする。万全な状態の承太郎とポルナレフに吉良吉影が正面から戦って勝てるわけがないのだ。虹村兄弟を尋問しまずは一本目の「矢」を回収した。

 

 承太郎達は吉影の娘である吉美が危ない目に遭った事は把握しており、父親の吉影が怒るのは無理もないと理解している。だが吉影のキラークイーンの能力を見て油断ならない奴だと警戒しているようだ。




趣味で書いているので更新は遅くなります。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。
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