吉良親子は静かに暮らしている   作:すも

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息抜きを兼ねて投稿しました。更新は不定期です。


番外編:空条承太郎イタリアへ行く②

「プ、プフウゥ〜〜〜ッ……」

「チッ、もうやられちまった後か。ナポリから避難させる前に襲撃されるとはよ。幹部のポルポは再起不能(リタイア)だし、この有様じゃ「矢」も奪われちまったようだ。護衛のスタンド使い達がいたがソイツ等も纏めてブチのめされてやがる」

「……」

 

 

 

「しかし空条承太郎達の動きが早すぎる。まさかポルポがいるナポリに一直線に向かうとはビックリしたぞ。奴等はどうやってその情報を知ったんだ?まさか組織に裏切り者が……幹部や親衛隊はともかく末端のカス共ならやりそうだな。忠誠心のないチンピラあがりのマンモーニ(ママっ子)が金に目が眩んで話したか?」

「……」

 

 

 

「それかスタンド能力で事前に調査していた……それが一番ありえそうだな。スピードワゴン財団が金を積んでスタンド使いを雇ったか、財団が既に確保していた「矢」を使ってスタンド使いを生み出したかはわからねえけどな」

「……」

 

 

 

「でもわかっていたが本当につえーな空条承太郎達は。護衛だけでなく復讐に燃える残党達まで軽く蹴散らしやがった……不甲斐ない連中だなオイ。勝つとは思ってなかったがもう少し粘って欲しかったぜ。どうするドッピオさん?」

「……えっ、あっ、ああ、そうですね」

 

親衛隊員から話しかけられたヴィネガー・ドッピオは動揺しつつも今後どうするべきか必死に考えていた。

 

(あまりに動きが早すぎる……ッ!まさかここまで強いとは想定外だった!このままでは「矢」をイタリア国外へ持ち出されてしまう!それだけは絶対に許してはならないッ!)

 

ドッピオ(ディアボロ)が必死に考え込むのを見た親衛隊員は言葉を続ける。

 

「連中は目的の「矢」を確保したしイタリアから脱出するだろう。空条承太郎はローマの空港に向かっていると報告があった。組織の力で妨害しているようだが、奴等がイタリアを脱出するのは時間の問題だ。それに別に飛行機じゃなくても船や陸路で脱出すればいいからな……どうする?そのままお帰りねがうか?」

「たった二人にここまでコケにされたら組織の面目が立ちませんよ。もし見逃したら他のギャング達に笑われてしまいます。組織の全力を持って彼等を始末し「矢」を取り戻さなければ」

 

最終的にドッピオ(ディアボロ)は被害を度外視して空条承太郎達を始末する事にした。「矢」を取り戻す為でもあったが組織の面子にかけて彼等を始末する必要があったからだ。

 

「とぅるるるるるん……………ボスから指令がありました。僕は他の人達に連絡する為に別行動を取りますので、貴方は先に行って空条承太郎達を足止めしてください」

「りょーかい、さぁて気合い入れてがんばりますかね」

 

親衛隊員に先に行くよう指示したドッピオ(ディアボロ)は必ずや空条承太郎達を始末し「矢」を取り戻すと誓うのであった。

 

 

 

 

 

「まずは無事に「矢」を確保できたな。お前がついてきてくれて本当に助かったよ承太郎」

「礼はいい。しかし手厚い歓迎を受けたな。組織のギャングだけでなくDIOの残党達まで参加した盛大なパーティだった」

「あまりにも数が多過ぎて何度襲撃者を返り討ちにしたか忘れたぞ。あのエジプトの旅以上に濃密な数日間だったぜ」

 

パッショーネに妨害されつつもナポリに到着した空条承太郎達は、幹部のポルポを撃破し「矢」を確保していた。ナポリから離れて車を運転していた承太郎達は一息つきつつ今後どう行動するか話し合っていた。

 

「俺達の目的である「矢」は確保した。後はこのままイタリアを脱出してもいいが……ナポリに向かった時のように妨害が予想されるな。空路を使うのはやめるべきだぜ」

「そうだな。最悪の場合飛行機ごと破壊してくるかもしれないし、何も関係ない一般人を巻き込むつもりはない。財団に船を用意してもらい海路で脱出するのもいいかもしれない」

「まあ俺としては麻薬をバラ撒いている組織のボスをブチのめしたいとは考えてるが、これ以上欲をかいたらマズイし一度帰還するべきだな」

 

承太郎達は組織とこれ以上戦うつもりはなく脱出方法を模索していた。目的を果たした以上は敵の本拠地に留まるつもりはなかったからだ。

 

「これでパッショーネの動きを牽制する事ができればいいのだが」

「少なくない数のスタンド使い達を再起不能にしたから、奴等も被害を無視できないはずだ。それに「矢」がなくなってスタンド使いの量産もできなくなったから今までのような急拡大は難しくなるだろうな。後はイタリアのギャング達に任せるとしよう」

「ああ、イタリアの事は彼等に任せよう…………道路工事で通行止めか。いよいよ形振り構わなくなってきたな」

「奴等も必死だな。まあ当然か、「矢」を奪われるのは絶対に避けたいだろうしな」

 

パッショーネの妨害工作を見た承太郎達は溜息をつきつつ降車し徒歩で移動する事にした……徒歩で移動している間もパッショーネのスタンド使い達が頻繁に襲撃を仕掛けてきたが、全員あっさりと返り討ちにあっていたのであった。

 

 

 

 

 

「いやホントつえーな。DIO様を倒すくらい強いのは知ってたけどさぁ。マンモーニ(ママっ子)共はともかくベテランや親衛隊のスタンド使いもいたはずなのに全員再起不能(リタイア)じゃねーか。しかも奴等全然疲弊してないようだしよぉ」

「どうしますか?奴等は確実に港町に近付いています。どうやら船で脱出するつもりのようです。援軍は間に合いそうにありませんしこのまま見逃すわけには」

「んなことわかってるぜ。ハァ、やるしかねえな……俺が前に出る。ブチャラティは後詰めとして後方で潜んでろ」

「一人で挑むのですか?俺も戦います!」

「いや無理だろ。お前はガキとは思えないくらい優秀だし他のマンモーニ(ママっ子)共と違って見込みがあるけど、まだガキだから空条承太郎達に勝てるとは思ってないぜ。もうすぐ他の奴等が援軍として来るだろうからお前が出る必要はないし後方で待機しろ。いいな?」

「……わかりました」

 

 

 

 

 

「そこまでだ、ここから先は通さねえぜ」

「正面から男が来たぞ、刺客か。それもスタンドに目覚めたばかりの素人じゃない。恐らく親衛隊の人間だ」

「やれやれ、本当にしつこい連中だな」

 

襲撃者達を全て撃退し港町まで進んだ承太郎達は、目の前に立ちはだかった男を見て油断せず臨戦態勢を取っていた。

 

「お前等が好き勝手暴れてくれたお陰で組織は大打撃を受けちまった。今はまだバレてないが他のギャング組織が知ったら嬉々として攻めてくるだろうな……そして「矢」まで持っていかれたら組織の面目は丸潰れだ。返してもらうぜ」

「断る、「矢」は危険な代物だからスピードワゴン財団が管理する必要がある。少なくともギャング組織に持たせるわけにはいかないと俺達は考えている」

「承太郎の言う通りだぜ。勢力拡大の為にスタンド使いを量産し、麻薬をバラ撒いて資金調達している悪党共には渡せねーな」

「……まあそうだよなぁ」

 

承太郎達の反論を聞いた親衛隊員は苦笑する。自分達パッショーネが碌でもないギャング組織だという自覚があったからだ。だが親衛隊員は勝ち目が少なくても挑むしかないと気合いを入れる。

 

「だがそのまま持ち出されるわけにはいかないぜ。ポルナレフ!DIO様を裏切ったクソ野郎は俺が串刺しにしてやる。俺と一騎討ちで勝負しろ!」

「ほぉ~う、他の残党共とは違って正々堂々としているな。それにスタンドに自信があるようだ。なるほど、いいだろう。承太郎は後ろに下がってくれ」

「ああ、わかった。どうも周囲に複数の気配が隠れているようだし警戒しておこう。気をつけろよポルナレフ」

 

(よし、まずは一騎討ちにまで持ち込めた。二対一じゃ勝ち目はねーからな……後は他の連中が承太郎をやってくれるまで粘ればいい)

 

一対一に持ち込む事ができた親衛隊員は安堵しつつ自分のスタンドを発現させポルナレフに挑む事にした。

 

「しゃあッ!」

シルバーチャリオッツ!なるほど槍を持った騎士のスタンドビジョンか。スピードは早いし動きもいい。よく鍛えているようだ。だが俺の剣捌きに勝てるかな?」

「別にDIO様への敬意とかもうねーし承太郎に負けた敗北者なんてどうでもいいけど、とりあえず敵討ちはするぜッ!」

「……敬意とかないなら呼び捨てでいいんじゃないか?」

「あっ、確かに」

「いや素直に納得するなよ!」

 

強敵ではあるが何処か抜けている親衛隊員の男にポルナレフは思わずツッコミを入れるのであった。

 

 

 

 

「やれやれ、ポルナレフとほぼ互角に打ち合えるとは凄腕のスタンド使いだな。ポルナレフが負けるとは思えないが、周囲には複数の気配を感じるし奇襲の可能性もある。警戒を怠らないようにしよう」

 

 

 

「なんという事だ。後一歩で脱出されるところだった。何としてでもここで始末して「矢」を取り返さなければ。しかし私自ら出向く羽目になるとは。空条承太郎とポルナレフよ、貴様等は私を本気で怒らせたぞ。貴様等を始末しこの試練を乗り越えてみせるッ!……親衛隊員が注意を引いている隙を狙うとしよう」

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●ポルポ

→承太郎達に襲撃され再起不能(リタイア)となり「矢」を奪われる。ポルポに過失はなく相手が悪かった。

 

 

 

●親衛隊員

→ポルナレフと一騎討ちに持ち込む。スタンド使いとしての力量は0.9ポルナレフである。スタンドについては次回で説明します。

 

 宮本武蔵を尊敬している凄腕のスタンド使いであるが頭は悪く億泰並。でも素直だし嘘はつかないのでディアボロも評価して親衛隊に入れた模様。

 

 

 

●ヴィネガー・ドッピオ(ディアボロ)

→承太郎達の動きが早すぎて兵隊を集める時間がなく、自ら出向く羽目になった。潜伏して隙を伺っているが承太郎に把握されている模様。全盛期並の力を発揮するスタープラチナに不意打ちなんて無理なのだ。

 

 

 

 

●DIOの残党達

→あっさりと返り討ちにされたので出番はない。所詮負け犬集団である。親衛隊員やディアボロも彼等が勝つとはまったく考えてなかった。

 

 

 

●ブチャラティ

→この世界では既にパッショーネに加入しスタンドに目覚めている期待の新人である。承太郎達を足どめする為に近くにいたブチャラティが呼び出されていた。

 

 親衛隊員はブチャラティを高く評価しているが、まだ子供なので戦わせるつもりはない模様。

 

 

 

●ポルナレフ

→親衛隊員の一騎討ちの提案に応じる騎士の鑑。親衛隊員の力量を認めつつも頭が悪いのを察して呆れていた。

 

 

 

●空条 承太郎

→一騎討ちを見守りつつ奇襲に備えて周囲を警戒している。スタープラチナのお陰でブチャラティやドッピオ(ディアボロ)の気配を察している。パッショーネに勝ち目はあるのだろうか?

 

 

 

●パッショーネ

→承太郎達のせいで少なくない数のスタンド使いが再起不能になった。そして「矢」まで奪われてしまい泣きっ面に蜂である。

 

 パッショーネと敵対している他のギャング組織はまだ事態を把握していないが、もし知ったら嬉々として徒党を組み侵攻してくるだろう。パッショーネは麻薬をバラ撒いてイタリアを荒廃させていて恨まれているので仕方ないね。




趣味で書いているので更新は遅くなります。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。
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