吉良親子は静かに暮らしている   作:すも

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息抜きを兼ねて投稿しました。更新は不定期です。


杜王町の猫達を調査しよう③

「しかし承太郎、いきなり臨戦態勢とはお前らしくないのぅ。近づいてきているとはいえまだ向こうから手を出してきたわけでもないのに」

「忘れたのかジジイ、以前この町で起きた首狩り事件を」

 

スタンド使いと遭遇した直後にスタープラチナを出した承太郎をジョセフは訝しんでいたが、承太郎は呆れつつも首狩り事件の事を言及する。

 

「首狩り事件?あー、確か杜王町出身の極悪人が首を刎ねられたというアレか。まだ犯人は捕まっておらんようじゃが……おい、まさか」

「俺の勘だが片桐安十郎を殺したのはスタンド使いだ。だが吉良吉影の犯行ではないだろう。彼のスタンド能力は触れた物を爆弾にして消滅させる能力……わざわざ首を刎ねて死体を残す必要はない。そしてこの町には数年前からスタンド使いが続々と生まれているのが確認できた。ここまで言えばジジイだって理解できるはずだ」

「つ、つまり首狩り事件の犯人は人間じゃなく猫だと?」

 

ジョセフの言葉に承太郎は頷いて肯定する。

 

「ああ、片桐安十郎は極悪人だったとはいえ躊躇なく人を殺せる猫のスタンド使いがこの町にいると俺は考えている。首狩り事件の犯人はあの猫かもしれないんだ。油断するなジジイ、気を抜けば次の瞬間には首を落とされているかもしれないんだぞ」

「ぬ、ぬぅ」

「猫の反応速度は約0.1秒以下と人間を凌駕している。その気になれば瞬時にスタンド攻撃を仕掛けてくるかもしれない。悠長にスタンドを出してから迎撃する余裕など俺達にはないぞ。ジジイも自分のスタンドを出すんだ」

「うむ、わかったわい」

 

承太郎の言葉を否定できないジョセフは自分もハーミットパープルを出して警戒する事にした。

 

 

 

 

 

「な、なんだ?なんだかあの人達僕らの事をすごく警戒してるみたいだけど……」

「シャッ!シャァーーーッ!!」

「お、落ち着いてよ!どうしちゃったのさエリザベス!いつもはすごく大人しいのに今のエリザベスはちょっと怖いよッ!?」

 

 

 

 

 

「……あの、自転車に乗っている俺と同じくらいの歳の子ですけど、すごく困惑しているというか、何も知らない感じのように見えるんスけど」

「う、うーーーん、確かにのぉ。慌てふためいて隙だらけじゃし、とても擬態には見えん」

「あの少年は黒猫の飼い主なのだろう。スタンドも見えていないようだし、何も知らない一般人のようだ。スタンド使いの戦いに巻き込むわけにはいかないな」

 

自転車に乗っている少年が無関係な一般人だと察した承太郎達は、彼を巻き込むわけにはいかないと結論した。

 

「そこの君!すまないが停まってくれ!それ以上近づいてきたら俺達も迎撃するしかない、突然わけのわからない事を言われて混乱するだろうが俺の指示に従ってくれ!」

「えっ!?あっ、は、はいッ!」

 

承太郎から制止された少年……広瀬康一は慌てて自転車を停める事にする。承太郎達から5メートル程離れた場所で停止した康一は何が何だかわからず困惑していた。

 

 

 

 

 

「す、すごい警戒してるよぉ……でも僕じゃなくてエリザベスの事を警戒しているみたいだ。さっきからエリザベスの様子がおかしいし一体何が起きてるんだ?」

「すまない、俺達に戦う意図はない。悪いがその黒猫を近づけないでほしい。出来れば迂回してくれないか?」

「あ、はい。よくわからないけど、そう言う事なら僕達は別の道から家に帰り「シャァッ!!」えっ?……で、電柱が斬られてるゥ~~~ッ!?か、鎌鼬なのぉ!?」

 

 

 

 

 

「やれやれ、問答無用か。こちらを完全に敵と認識したようだ。スタンドを出したのは迂闊だったかもしれない。だがスタープラチナを出していたからギリギリ反応できたのか」

「は、速い!スタープラチナを出した承太郎だから避けられたが儂では碌に反応できなかった……しかもなんという切れ味だ!電柱に深々と傷跡が残っておる。あんな物を生身で受けたら胴体が真っ二つになるぞッ!?」

「グ、グレートにヤバいっスね」

 

自転車の籠に入っている黒猫がスタンドビジョンを出した直後に攻撃を仕掛けてきて、承太郎は紙一重で回避していた。電柱に深々と傷跡が残っているのを確認した承太郎は冷や汗を流しつつも冷静に敵スタンド使いを観察する。

 

「お、落ち着いてよエリザベス!さっきから何が起きてるのかわからないけど争うのはよくないよッ!」

「ニャッ!シャ-ッ!!」

 

康一が必死にエリザベスを宥めているのを見た承太郎は眉間に皺を寄せて考えていた。

 

「あの黒猫はエリザベスというのか。少年に懐いているようだが、こちらへの敵意はまだ消えてないな。首狩り事件の犯人はあの黒猫なのか?……それを確かめる為にもまずは大人しくさせる必要があるか」

 

そう結論を出した承太郎は溜息をついて自分の切り札を使う事にした。

 

「あの黒猫との距離は5メートル程、スタープラチナの間合いに持ち込むには少し距離がある。普通に近づけばスタンドで迎撃してくるだろうが、時間を停めれば何も問題はない。5秒どころか2秒もあれば十分だ……スタープラチナ・ザ・ワールド

 

 

 

 

「ニャ、ニャッ!?ニャ~~~ッ!?」

「よし、捕まえたぞ」

「い、いきなり目の前に現れてエリザベスを抱えてるぅ~~~ッ!?しゅ、瞬間移動なのぉ!?」

 

スタープラチナ・ザ・ワールドで時を停めた承太郎は康一の自転車の前に立ちエリザベスを抱えていた。突然の展開に康一は大いに困惑していたが、承太郎に抱えられたエリザベスも何が起きたのかわからず茫然自失となっていた。

 

「あ、あれが承太郎さんのスタープラチナのスタンド能力なのかぁ。時間停止能力とかグレートにスゴイっスね」

「うむ、近距離パワー型のスタンドで承太郎のスタープラチナに勝てる奴はおらんじゃろうな。まあDIOも時間停止能力を持っておったが、あのくそったれ野郎は承太郎に負けたしのぉ」

「えっ、承太郎さん以外にも時間停止能力を持った奴がいたんスか?じ、時間停止能力って結構ありふれてるんスね……」

「いやそんなわけないわい。今のところ確認できておるのは承太郎とくそったれ野郎のDIOだけじゃ」

「くそったれ野郎って、どんだけソイツの事嫌いなんスか爺さん」

「DIOという奴は本当にくそったれで最低な男だったのじゃ。今度DIOのくそったれな所業を教えてやるわい」

 

緊張を解いたジョセフと仗助が会話している中、承太郎は油断せずエリザベスに話し掛けていた。

 

「大人しくしろ、俺のスタープラチナはお前の事を油断せず見ているぞ。何か動きを起こせばお前の命はない」

「ニャ、ニャア……」

「ま、待ってください!エリザベスが何かしたみたいですけど、この子は本来は悪い子じゃないんですッ!」

 

冷たい目でエリザベスを観察する承太郎に康一は慌ててエリザベスを助けようとする。

 

「ああ、君には懐いているようだし普段は大人しくて賢い飼い猫なのだろう。今回の件は我々にも非があるしこの黒猫が大人しくすれば危害を加えるつもりはない。だが解放する前に確認しておきたい事がある……この猫は何歳かわかるだろうか?」

「えっ?ええと、エリザベスは去年拾いましたけど、去年はまだ子猫でしたし多分1歳前後だと思います」

「なるほど、確かにかなり若い雌猫だ。では首狩り事件の犯人ではないな。あの事件が起きたのは1994年だ。去年生まれた猫が関与できるわけがない」

 

康一の言葉を聞いた承太郎は納得してエリザベスを康一に返す事にしたのであった。

 

 

 

「ニャ!」

「エリザベス!よかったぁ」

「すまなかった、我々が迂闊な行動をしたせいで警戒させてしまったようだ」

 

紳士的な態度を取る承太郎を見て康一とエリザベスも落ち着き警戒を解く事にした。

 

「あの、何があったんですか?なんか貴方やエリザベスが超常現象を起こしたのはわかりますけど。それと首狩り事件の犯人とか言ってましたよね」

「ふむ、君はスタンド使いではないようだが、飼い主である君は知っておくべきかもしれないな。後日説明の為に家に訪問してもいいだろうか?」

「はい、わかりました」

「それと質問があるのだが、そのエリザベスのように尋常ではない雰囲気を纏った猫が他にいるかわかるだろうか?」

 

承太郎の質問に康一は少し考えた後、自分のわかる範囲で答える。

 

「えっと、それなら以前エリザベスに空地へ連れてってもらった事があったんです。エリザベスみたいにすごく賢い猫が他に4匹ほどいたっけ。猫達が集まる空地はここからまっすぐ行った先にありますよ」

「そうか、情報提供してくれて感謝する。やれやれ、やはりこのエリザベス以外にも猫のスタンド使いがいるのか。それとまた質問して申し訳ないが、この町の猫達を支配するボス猫について何か知っているだろうか?」

「あ、それなら知ってます。すごく堂々とした威厳のある黒猫ですよ。首輪がついてるから誰かの飼い猫だと思います。確か首輪にはクロミって名前が書かれてました」

 

康一の言葉を聞いた承太郎は目を閉じて考え込み、やがて溜息をついた。

 

「……本当にやれやれだな。やはり件の黒猫がボスとして君臨していたか。これから吉良吉影の家に行って確認する必要があるな」

「うむ、そうじゃな。今から向かうべきじゃ」

 

承太郎の結論を聞いたジョセフは同意する。これ以上クロミを放置するのはマズいと理解していたからだ。

 

「ではそうしよう。さっそく吉良吉影の家へ……………ジジイ、仗助君の傍にいろ」

「ニャア」

「オーマイガッ、まさか本人、いや本猫が来るとは!?」

「あ、あれがこの町のボス猫でスタンド使いのクロミか。確かに普段とは違ってグレートにヤバい雰囲気を発しているぜ……」

 

尋常ではない威圧感を発しながら近寄って来る黒猫を見た承太郎達はすぐさま警戒態勢に入るのであった。

 

 

 

 

 

<人物紹介>

●空条 承太郎

→首狩り事件を思い出し警戒していたが少し迂闊だったと反省する。でもスタープラチナを出しておかなければ反応できず真っ二つにされていただろう。杜王町のボス猫であるクロミが近づいてくるのを発見し臨戦態勢に入った。

 

 首狩り事件の犯人はクロミではないかと疑っている。

 

 

 

●ジョセフ・ジョースター

→エリザベスの攻撃速度に戦慄しつつも、承太郎があっさりエリザベスを捕まえたのを見てさすが承太郎だと安心する。

 

 DIOの事は蛇蝎の如く嫌っている。まあジョースター家の人間からすればジョナサンの身体を奪って好き勝手していたDIOは本当に最低な奴であり、好きになる要素が皆無だから仕方ないね。まあでもジョナサン本人はDIOの事をそこまで嫌ってはないと思われる。

 

 

 

●東方 仗助

→承太郎のスタープラチナの能力を見てグレートだと感心していた。時間停止能力とか反則じゃないかなと思ったようだ。

 

 ちなみにその後ジョセフからDIOの事を聞いた仗助は「な、なんだそのグレートにヤベー奴は」とドン引きした模様。

 

 

 

●広瀬 康一

→何も知らず巻き込まれた一般人。承太郎達も「あ、この少年無関係だわ」と察して康一君を巻き込まないよう気を付けていた。何が起こったかわからないがエリザベスを庇う飼い主の鑑である。

 

 エリザベスに連れられて杜王町に住む猫達を紹介されていた。クロミの事も知っており、クロミからは「ふーん、中々いいじゃないか」と高評価を受けていた。

 

 

 

●エリザベス

→先手必勝と攻撃を仕掛けるも、スタープラチナの時間停止能力を体験し宇宙猫とポルナレフ状態になり戦意を喪失する。まだ若くて未熟なので戦意喪失も仕方ないね。でも康一君に庇われたのは嬉しかったようだ。

 

 もう戦うつもりはないが、父親がやる気なのを見て大丈夫なのか心配している。

 

 

 

●エリザベスのスタンド

名前:キャッツ

タイプ:近距離パワー型

ステータス:【破壊力 - B / スピード - A / 射程距離 - D~B(斬撃の射程距離は半径8メートル) / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - B】

→猫のような姿をしたスタンド。腕を振ると斬撃を飛ばす事が出来る。斬撃は人体程度なら軽く両断する事ができるようだ。猫の反射速度で攻撃されれば人間が瞬時に対応するのは非常に難しいだろう。でもまあ本体が未熟で貧弱なのでそこまで強いスタンドではないと思われる。

 

 

 

●クロミ

→猫達から知らせを聞いて現場に急行した。承太郎達が自分と同じスタンド使いなのを察し、自分のボスである吉良吉影が望む平穏な日常の為に排除するべきか考えているようだ。

 

 でも吉良吉影がこの状況を知れば「おいやめろバカ猫」とブチギレる事だろう。




趣味で書いているので更新は遅くなります。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。
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