「……そういうわけで先週は大変だったんだよ。ペットとして迎えた猫のクロミが超能力に目覚めてしまってね。思わぬトラブルでドタバタしていたんだ」
「ああ、心配してくれるのかい?大丈夫だよ。クロミにはしっかり
「それに吉美もクロミが来てからはいつも楽しそうにしていてさ。就寝する時はクロミと一緒に寝たりしてるのを見ると心がポカポカするんだ。ちょっとトラブルがあったけどクロミを迎え入れてよかったと今では思っているよ」
「私も君に愚痴を聞いてもらってストレス解消になったし、クロミの件についてはもういいだろう。じゃあお別れしようか……キラークイーン」
「さて、今週は吉美の授業参観がある。事前に有給を申請しているから問題なく参加できるな。フフフ、楽しみだなあ」
「では今週の金曜日はよろしく頼むよ」
「いいって、いいって!吉美ちゃんの授業参観楽しみだな!」
「あ、そうだ。今年も10月に有給を取るつもりなのか?」
「ああ、吉美の誕生日があるからね。今年も祝うつもりだよ」
「本当に子煩悩だな、子供の誕生日を休みを取ってまで祝ってあげるなんて」
「おいおい、今年は吉美の7歳の誕生日なんだぞ。7歳の誕生日は人生で一度きりしかないんだから盛大に祝ってあげないと」
「うーん、相変わらず親バカだなぁ。吉美ちゃんもこんな父親を持てて幸せだね」
吉影の親バカな発言を聞いて同僚や周囲の社員達は苦笑する。会社員としては平凡な吉影だが父親としては親バカで微笑ましいものだと周囲から評価されていた。
「そんなにおかしな事かな?私の小さい頃は誕生日に親父は必ず休みを取って祝ってくれたぞ」
「ああ、お前さんの親バカな部分は父親譲りなのかあ……まあ、会社に迷惑をかけているわけじゃないし別にいいと思うぞ俺は」
「ふむ、子供が大勢いるな。小学校なんだから当たり前だが」
授業参観の日となりぶどうヶ丘小学校を訪れた吉良吉影は子供達の騒がしい声に苦笑していた。
「騒がしいものだね。昔の私ならウンザリしていただろうが父親となった今ならある程度耐えられるな。子供は元気な事が一番だよ……まあ五月蝿すぎるのは我慢できないが、少しくらいなら我慢するさ」
昔の自分なら考えられない心境の変化を自覚しつつ吉良は愛娘のいる教室に向かう事にした。周囲には吉良と同じく授業参観に参加する為に来た保護者達が大勢いたが、吉良のような父親の参加者は珍しく少しだけ目立っていた。
「あら、あの人若くてハンサムだわ」
「あらホント、ウチの主人とは大違いねぇ」
「あの若さだと学生結婚かしら?でも父親が授業参観に来るのは珍しいわね」
「はぁ~〜〜ッ、ああいう人が主人だったらよかったのに。交換できないかしら」
エリートのような気品と物腰がある吉良は女性の保護者達から注目されており、吉良も自分が少し目立っているのを理解する。
(ふむ、やはり少し目立つみたいだ。他の保護者と比べても若いし男一人で参加したのも原因か……でも夫より私の方がいいと言うのは妻としてどうかと思うぞ)
吉良は聞こえない振りをしつつ周囲の会話を聞いていたが、異性として興味を向けている保護者もいるのを察して内心で呆れていた。
(もし子供がそんな事を聞いたらどんな気持ちになるかわからないのか?まったく最近はモラルのない人間が多くて嘆かわしいよ)
最近の女性のモラルのなさを嘆きつつ吉良は気を取り直して愛娘の吉美がいる教室に移動することにした。
「こんにちは吉良さん」
「ええ、こんにちは矢安宮さん」
教室に辿り着いた吉良は重ちーこと矢安宮重清の両親と挨拶していた。重ちーの両親は以前吉良へ挨拶をしており顔見知りとなっていた。
「両親揃って授業参観に来るとは。重清君は本当に愛されているようですね」
「はい!重ちゃんはちょっと変わってて世話が焼けますけど本当に可愛い子ですから!」
「重ちゃんは吉美ちゃんが友達になってから毎日楽しそうに学校に行ってるんですよ。あの子が笑顔だと私達も嬉しくなります。吉良さん、これからもよろしくお願いしますね」
「ええ、こちらこそ」
(本当にまともだなあ……この両親からどうしてあんなドリアン頭が生まれるんだろうか?)
失礼な事を考えつつも吉良は愛娘の様子を観察する。
(うん、よろしい。それに喧しく騒いだりせず気品のある態度を取っている。フフフ、流石私の娘だね)
娘が健やかに育っているのを確認した吉良は満足気な様子を見せつつ、娘の今後について少し考えていた。
(あの子は将来どんな道を歩むのだろう?目立つ真似はやめてほしいが私の我儘で吉美の夢を邪魔するわけにいかないし、私の平穏を乱さないのなら好きにやらせてみようかな?よし、そうするか)
父親として娘の進路を応援しようと考えた吉良は、ふと教室の窓から校庭を眺める。
(外では体育の授業をしてるのか……………ん、んんッ?)
何気なく眺めていた吉良はとある生徒を見て思わず困惑する。
(リーゼント?小学生が?……最近の子供は小学生の頃から気合いが入っているな)
小学生にも関わらずリーゼントの髪型をしている事に吉良は少し困惑してしまうものの、頭を振って思考を切り替える事にした。
(しかし最近の子は色んな髪型をしてるんだな。オシャレに気を使っているというか、なんというか……私が小学生の頃とは全然違うなあ。これが時代の流れなのか?)
どうでもいい事を考えつつも吉良は授業参観に集中する事にしたのであった。
<人物紹介>
●吉良 吉影
→ジョジョ4部のラスボス。表向きは顔はいいし気品もあるのでモテる男。有給を取って娘の授業参観に行ったり誕生日を祝ったりしているので周囲から親バカだと評価されているが、本人としては親父のような親バカじゃないと思っている。
愛娘が健やかに成長していくのを微笑ましく見守る父親の鑑であり、自分が殺人鬼である事を棚に上げて女性のモラルのなさを嘆いていたダブスタで殺人が趣味のブタ野郎である。
●今回の
→吉良吉影に殺された犠牲者の手首。予想外のトラブルでストレスが溜まっていた吉良が愚痴を吐く相手として適当に選んだ不幸な女性。でも尻を拭かされる事はなかったのでマシである。
●吉良の同僚
→「やめとけ!やめとけ!」から始まる台詞で有名なモブキャラ。吉良の有給を笑って認める同僚の鑑である。吉影の親バカは父親譲りなのかと納得する。
●カメユーチェーン
→吉良の有給をあっさり認めたホワイト企業の鑑。吉良については家庭を第一に考える男だと評価している。
●
→吉良吉影の一人娘。オリキャラ。ハンサムで気品がある自慢の父親が授業参観に来てくれたのでとても嬉しかった模様。
重ちーについては面白くて優しい男の子だと思っているようだ。
●重ちー
→原作キャラの矢安宮重清。吉美の友達。吉美とは仲良く遊んでいる。授業参観にパパとママが来てくれてとても嬉しかったらしい。
●重ちーの両親
→非常にまともで良識のある重ちー自慢の両親。息子に友達できた事を心から喜ぶ親の鑑である。
●リーゼントの小学生
→一体何者なんだ……小学生の頃からリーゼントだったかは不明だが仗助ならリーゼントにしててもおかしくないスゴみがあると思います。
趣味で書いているので更新は遅くなります。今後は少しずつ投稿していく予定なのでよろしくお願いします。