ゴジュウジャー世界に転生したので、指輪集めて願い叶えます 作:Matdya
そして、感想及び誤字報告にて意見をくださった多くの方、本当にありがとうございました。
「熊手さん。」
「ん?どうした、ガキ。」
休日の朝。店でたまたま出会った熊手さんに、ある相談をする。
「僕の...友人のことなんですけど。その子、実は指輪の戦士で。確か...4日前かな?に一度戦って、結局決着がつかずにその場は解散したんです。それで...」
「話長いクマ!もっと簡潔に話せクマ!」
ベアックマ君の言葉に苛立ちを覚えつつ、無視して話を続ける。
「次の日、学校に来たら...居ないんです。いつも一番に登校する彼が。先生は誤魔化していたんですが、どうやらその日以来失踪しているらしくて。親御さんが行方不明者届を出しているらしいんです。彼が家出とかするような人間には思えないし、指輪絡みで何かあったんじゃないかって心配で...」
「...なるほどな。」
「何か、知っていることとかありますか?」
「返答には課金が...」
「まあ待て、ベアックマ。今日はサービスだ。...心当たりが、一つある。」
「本当ですか!?」
「だが...まだ確定的じゃない。そうだな...ついてこい。」
「え?...はい!」
割とダメ元で相談したのだけれど、本当に何か心当たりがあるなんて...
さすが、ベテランは頼りになる!...すぐにお金をせびる所以外。今日は違ったけどね。
熊手さんに連れられて行った場所に居たのは...百夜さん?
「どこに居るんだ?玲さん...」
「お前が探しているのは、一河緒乙を連れ去った灰色の目の男...だろ?」
「熊手!...何故それを。」
「俺様の目はごまかせねえよ。...なあ、手を組まねえか?」
そいつには、俺とコイツも用がある。と言いながら、彼がこちらを振り向く。
僕はそれに、無言で肯定する。
「そいつの居場所、分かるかもしれねぇぜ?来いよ。」
「...ああ。」
再び熊手さんに連れられて行ったのは、以前も訪れたことがある、建物の屋上にある公園。
そこに居たのは...
「あれって...灰色の目の男!?」
「やっと見つけた、玲さん。随分探したんだよ!」
「陸王。驚いたなぁ、どうしてここが分かったんだい?」
「このゴッドネス熊手には、何でもお見通しだ。」
「ほぉ〜...」
百夜さんとアイツは、知り合いだったのか...いや、知り合いなんて関係じゃない。もっと深い関係のように見える。
「緒乙ちゃんを家族に返してあげてください。やっぱり...彼女を巻き込むなんて、間違っています!」
「ハハハハハ...寂しいなぁ。『もう俺には惑わされない』って顔だ。」
「...きっと、違うやり方があるはずです。指輪や緒乙ちゃんを巻き込まずに、玲さんの病気を治す方法が!」
今度はボクが支えるから。そう言った彼の顔は、いつもの笑顔とは程遠い、悲しみに満ちた顔だった。
「ああ...それはね、もういいんだ。ぜ〜んぶ、もういいんだよ。」
「指輪を奪われ、意識を失った一河緒乙を拐ったお前を見た時、妙な気配がした。...正確には、お前の持つ
「へぇ〜、鋭いね。...こいつのことかな?」
「
「これは、厄災が俺にくれた無限の力。お前たちの指輪を食らって、強くなる。」
そう言って指輪を嵌めた彼。更に、指輪を回転させる操作を行うと...
「絵柄が変わった!」
「フフッ...いちいちリアクションしてくれるそこの少年、嫌いじゃないよ。...エンゲージ。」
<マージ・マジ・マジーロ!>
<マジレンジャー!>
「「「...エンゲージ!」」」
<クラップ・ユア・ハンズ!>
<センタイリング!>
<ゴジュウポーラー!レオン!>
<トッキュウジャー!>
「「「ハァーーー!」」」
テガソードを使わずにエンゲージした彼に向かい、こちらもエンゲージして突撃する。
「うわぁッ!」
「百夜さん!...うわッ!」
3人相手でも互角。いや...それ以上の戦闘力を見せつける灰色の目の男。...強い!
「
「ぐわぁっ!...ハァッ!」
<フィニッシュナックル!>
「ハァァァッ!」
「ハッ!」
相手の出した炎は周りにあった段ボールを燃やすも、熊手さんがそれを凍らせて殴り飛ばす。
しかし、相手はそれすらも燃やす。
「こういうことも出来るよ?...エンゲージ。」
<ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン!>
<ゼンカイジャー!>
<ゼーーーンカイザー!>
「ハァッ!」
白のボディに、虹色のライン。額に輝く"45"の文字に二丁拳銃、何よりその奇妙奇天烈な変身音。
...間違いない、コイツだ。
「その姿...!おい、四十五君をどこへやった!」
「四十五?誰のことだか...ハァッ!」
「うわっ!...とぼけるなよ!あの日以来、その指輪の契約者だったはずの彼は失踪してるんだ!お前が関与してるんだろ!」
「名前は知らないけど...持ち主は、この指輪が食べちゃった。」
「...貴様ーーー!!!」
激昂する僕、そして対照的に冷静な他の二人に対し、彼は全身の色をモノクロにして攻撃する。
「良いねえ、俺にピッタリの色だ。」
「テガソード無しで連続エンゲージ...!お前は一体!」
<ダイゼンカイ!>
「フッ、ハァッ!...テヤァッ!」
「ぐわぁッ!」
「あぁッ!」
二丁の銃身から出した光の剣に僕と熊手さんが圧倒される中...
相手の背後から、一つの銃声が鳴り響く。
「ああ?...お前に俺が撃てるのか?陸王。」
「はあ...はあ...」
銃を構えるその手は、震えていた。
「はぁ...残念、時間切れだ。...じゃ〜あな。」
「...」
「百夜さん...」
相手は銃で円を描き、ワープゲートを開く。そして、この場から去っていく。
相手が消えてしまってはどうしようもないので、ここからは解散して情報を集めることに。
それに進展があったのは、約1ヶ月後のことだった。
「おはようございま〜す...」
「テガソード様と一つとなっていい気になるなよ!私もいずれ、すぐ!融合してみせる〜!」
「ってうるさ...」
「おい!何か届いてたぞ〜。...って、創っぴ。朝早くからコーヒータイムか?」
「はい。ここのコーヒー美味しいので。...そうっぴって何ですか?」
「お届け物?ありがとうございます...」
猛原さんに変なあだ名をつけられたことは無視されつつ、読まれた手紙。そこには...
「『百夜陸王サンクスパーティー招待状』?」
「やあ、良く来たね。」
「こんな時にどういう風の吹き回しだ?」
「こんな時、だからこそだよ。ベルルムとの戦いの前に、皆に日頃の感謝を伝えたくって。」
ベルルム...以前掲示板の皆さんから聞いたことがある厄災の一員...
「ま、俺はタダメシが食えれば何でも良いぜ。」
「フウ〜!緊張してきた!」
「あの...僕ゴジュウジャーのメンバーじゃないんですけど、来てよかったんですか?」
「もちろん!君にもオルカブースターの事件の時に世話になったからね。...さあ、入って入って!」
そんなこんなで訪れた百夜さんの家...なんて素敵なんだ!
オシャレな家具!ピカピカの床!さすが一流アイドル!
それからというもの。僕たちは百夜さんお手製の料理を楽しみ、その後はボードゲームやカードゲームで遊び、夜になると泥のように眠った。
百夜さんがそこにいないことに気がついたのは、その翌日だった。
「おはようございま〜す...って、どうしたんですか?皆さん。」
「緊急事態だ。ちゃんりくがいない。」
「大方、理由に予想はつくけど...」
「遠野、鼻で匂いをたどれ。」
「あぁ。」
「よし、行くぞ。」
「玲さん...今日で全て終わりにしよう。」
「アイドルのする顔じゃないよ...陸王。」
「やっぱりな!」
「みんな...どうして...」
良かった、間に合った...
久し振りに見た具島の指輪は、この前のものとは似ても似つかぬ禍々しいものとなっていた。
「一人で具島を止めるつもりだろう。」
「参ったな...だったら、やらせてくれないか?...ボクは玲さんを止める。この命に代えてでも...」
「だから最期に思い出作りってわけか?」
「彼はもう、君だけの敵じゃないぞ。」
「一人じゃなくて、みんなでやりましょう。」
「抜け駆けは許さないから...」
「角乃ちゃん...」
「お前が勝手に相討ちしたって、誰もスッキリしねぇんだよ。」
「はぁー...せっかく決意したのに...」
それまで重い表情を浮かべていた百夜さんが、ニヤリと笑う。
「フフフッ...どうやらボクは、玲さんと死ぬより、君たちと生きたいらしい!...手を、貸してくれるかい?」
「フッ...いちいち聞くなよ。」
え、何このやり取り...めっちゃかっこいい...
「フウ...一体俺は何を見せられてるわけ?...行け。」
「「「「「「「エンゲージ!」」」」」」」
<<<<<クラップ・ユア・ハンズ!>>>>>
<センタイリング!>
「ハァッ!...ウリャァッ!」
「ハッ、...ハァッ!」
「ハイッ!...ティラーッ!」
「ホッ、...タァッ!」
「フッ!...ハァッ!」
「ハッ!...ハァッ!」
「フッ!...ハァ〜ッ!」
<ゴジュウウルフ!レオン!ティラノ!イーグル!ユニコーン!ポーラー!>
<トッキュウジャー!>
最初は雑魚敵軍団か...
こういう奴らとの戦いは、できるだけ消耗せず、すぐに終わらせたい...!
「遠野さん!コンビネーションで行きましょう!...この指輪で!」
「コンビネーション?...ああ、それか!エンゲージ!」
「フッ!」
<<センタイリング!>>
<ルパンレンジャー!>
<パトレンジャー!>
遠野さんがルパンレッドに、僕がパトレン1号にエンゲージする。
...晩堂さん、晴渡さん!力を貸して!
「行きますよぉ...!」
<イタダキ!ストライク!>
<イチゲキ!ストライク!>
「「ハァッ!」」
違う指輪を使っているはずなのに、何故か瓜二つの銃..."VSチェンジャー"から極大の銃弾を放ち、辺りにいた奴らを一掃する。
「中々やるねぇ...この二人とも、遊んでやってよ。あとついでに、コイツらも補充する。」
「アッサム!?」
「四十五君...!」
「操られてやがる...」
<キュータマ!>
<45バーン!>
<キュウレンジャー!>
<ゼンカイジャー!>
具島の呼び出した二人...猛原さんが"アッサム"と呼んでいた金髪の青年と四十五君が虚ろな目で現れ、エンゲージして僕らに襲いかかってくる。
それに、雑魚敵も補充されたし...あれ、これマズい?
「四十五君!戻ってきて!...うわぁッ!」
「緒乙...力を貸して!エンゲージ!」
<センタイリング!>
<シンケンジャー!>
「
「...フッ!」
「あぁッ!...何で!?状態異常が効いてない!」
「洗脳されてるから、ぐあッ!...多分、そういう精神的なものは一切効かないと思います!」
「だったら、これはどう?
「...うぅっ!」
「効いてる!」
<スーパー!ゼンカイタイム!>
「「何!?」」
<ダイゼンカイ!>
「「うわぁッ!」」
「うぅ...」
「どうしたら、彼を取り戻せるんだ...!」
ふと周りを見渡すと、猛原さんと熊手さんがアッサムを、暴神さんと遠野さん―――遠野さんの方は見たことのない姿になっている―――が周りの雑魚敵を、百夜さんが具島を相手にしている。
「ホントはもっと、玲さんと過ごしたかった!色んな話をしたかった!どうして...どうして!」
「...うッ!ガァッ...」
具島が突如苦しみ始め、エンゲージを解除する。
「死ぬつもりなんだろ?玲さん...だったら、ボクが…!」
そう言いながら、テガソードを振り下ろす百夜さん。しかしそれを...
「やめて!...うっ!」
「角乃ちゃん...?」
駆けつけた、一河さんが止めた。
「後悔するよ。大切な人に会えなくなるって、凄く辛いから...」
「...」
僕も、その気持ちは痛いほど分かる。
「それに、アンタがコイツをやったら、私が困るの。あの時決めたんだ。犯人を見つけたら、この手でブン殴るって...だから、手伝ってよね、百夜。」
「角乃ちゃん...ありがとう!」
しかし、それを見つめていた具島の様子が急変する。
「うっ!...具島玲、最後の最後で使えない愚物め!」
「意識を乗っ取られた!?」
「ハァッ!」
「「うわぁッ!」」
突如覚醒した、赤と黒の騎士...あれがベルルム!
「フッ、ウリャァッ!...やれ、テメェら!」
「「ハァーッ!」」
<<フィニッシュフィンガー!レオン!ユニコーン!>>
「「ハアアアアアアアッ!」」
二人が渾身のパンチを繰り出し、ベルルムの体から指輪が飛び出した。
そして、その瞬間...
「うッ...」
「あぁ...」
「アッサム!」
「四十五君!」
ベルルムの洗脳で無理やりエンゲージさせられていた二人のエンゲージが解ける。
「人間風情が...恥を知れ!ハァッ!」
「危ねぇッ!...ハァッ!」
百夜さんと一河さんの二人目掛けて放たれたレーザーを、遠野さんのアーマーに取り付けられた、腕のような剣が防御する。
「ベルルムの力が強まっている...このままでは!」
「ゴジュウジャー!...脇腹の傷を狙え!」
「なんでアンタが...」
「悔しいが...お膳立てしてやったんだ。感謝しやがれ!」
「フッ、礼は言わねえぞ?...陸王!テメェが決めろ!」
そう言いながら、遠野さんが百夜さんに蒼い剣を手渡す。
...僕も、少しでも役に立たなきゃ!
「一河さん!2人で行きましょう!...オル君の力、使ってください!」
「ありがとう...!」
「「エンゲージ!」」
「ハァァァァァッ!!!」
「唸れ!ギンガの光!」
<イマジン!パワーアップ!>
<ギンガマン!>
「フィニッシュスラッシュ!」
「ギンガの戦光!」
<イマジン!フィニッシュスラッシュ!!!>
<ギンガマン!フィニーーーッシュ!!!>
「「ハァァッ!ハァッ!」」
目に追えないほどの高速の突撃でベルルムを翻弄し、相手の体を掴む。
「今です!」
「百夜、決めて!」
「ああ!...エンゲージ!」
<最強!頂点!ユニバース!>
「ハァッ!」
<テガソード!ナンバーワン!!!>
「厄災・ベルルム...お前は許さない!」
<センタイリング!>
「邪気...退散!」
<破邪百獣剣!>
「ハァッ!」
「うっ...!うわぁッ!」
<センタイリング!>
「レッドファイヤーフェニックス!」
<レッドファイヤー!>
「うわぁっ!」
「玲さんを...救い出す!」
「行くぞ、百夜陸王...!」
<オーバーロード!オールハンズ!!!>
「うああああっ...うわああああああああっ!!!」
「Winner!ゴジュウレオン!!!」
「ううっ!...ぅぅ...」
「玲さん!...よかった...」
「うっ!...力は、既に満ちた...!宇宙の秩序は、我にありぃ!」
「デカくなった...」
「後は任せな。お前の思い...俺が預かる!」
「遠野吠...最大の力で終わらせるぞ!」
「ああ!」
デカくなったベルルムは...
「「テガソード!凌手駕バースト!!!」」
「ロングリブ...クラディスゥ!!!」
テガソードと遠野さんが片付けた。
「終わった...長かった...」
「車井君!...これあげる。」
「これは...ゼンカイジャーの指輪?」
「これ、お友達が使ってた指輪なんでしょ?熊手から聞いた。...この前の、緒乙の指輪のお返し。」
「一河さん...ありがとうございます!」
「どうやら、君に助けられてしまったようだねぇ。...素直に礼を言うよ。ありがとう。」
「ハハッ...僕は本当に、何もしてないよ。」
「そんなことないだろう。あんな得体も知れない化け物たち相手に、臆さず戦い抜いたんだろう?
オレには到底真似できない。...世界のトップになるというのは、そういう精神性がないと駄目なのかもしれないねぇ...」
「四十五君...」
「まあ、指輪の力はあくまで一つの手段に過ぎない。また別の道でトップになるさ。ただ...
もう武力なんて物騒なことは考えてない。武器を一切持たない、平和な国を目指そうと思ってる。」
「...いいね、それ!応援する!」
「フフッ!...オレも応援するさ。君の、願いのための戦いを。
...オレの指輪も、上手く使ってくれたまえ。きっと、君の役に立つはずさ。」
「うん、ありがとう!」
「...それじゃあ、また来週。」
「また来週!」
二人とも、晴れやかな顔で帰路についた。
活動報告にも書かせていただきましたが、今回の話にて更新を停止します。
詳しくは作者ページの活動報告欄から見てください。
次話は3月頃に投稿の予定です。それまで待っていただけると嬉しいです。