あべこべ世界でも平和にLBXを遊びたい! 作:光のトオルちゃん
つまるところオレが言いたいのはだな……キスは美少年側からしてもらいたいってことだ
「へぇ……私がいない間にそんなことがあったのね」
「あの海道ジンと郷田が知り合いだったなんてな」
「ありゃ知り合いって言うか、明らかにそれ以上の関係じゃなかったか?人前でアレはちょっと正気じゃないぜ……」
昨日の衝撃的な出来事から一夜明け、俺たちはいつも通り学校の教室で話していた。まさかいきなり抱き着いてあんなことを大声で言うなんて。お、俺だって郷田さんに抱き着いてみたいってのに……
「知的でクールなタイプは私好みだけど、生憎奪略愛は好みじゃないのよ。ここまでいい相手がいないと、いよいよカズと付き合うしかなくなってきたわね」
「だぁからなんで俺なんだ!知的でクールなら檜山さんとか宇崎さんがいんだろうが!」
「ま、まぁカズ落ち着いて」「……にぶちん」
はぁ……郷田さんとジンが俺より先に知り合いだったとなると、もう勝ち目はねぇかもな。今はアングラビシタスに集中するか
「バン、今日もキタジマに行って練習といくか?」
「いや今日は郷田に話を聞きに行こうと思ってる。アングラビシタスにも何回か出たみたいだし、他の挑戦者の情報を持ってるかもしれない」
「相手の得意な武器や苦手な戦術を知れれば、戦いが優位になるものね。ハカイオーともう一回手合わせしてもいいし」
「――今日は郷田さんのところはダメかも」
早速向かおうって時に、同じ教室にいたミカから止められる。相変わらず影薄いなコイツ……郷田さんのストーカーなのに
「ミカじゃない!そういえばあの日から話してなかったわね、郷田三人衆とは大丈夫だった?」
「――私は格闘技を嗜んでいるから平気」
「行かない方がいいってのはどういうことだ?何か用事とかで留守にしてるとか?」
「――いつものゲームセンターに行く予定だったみたいだけど、あの転校生が来てスラムから動けないみたい。私はアマゾネスを目一杯遠隔操作して見てたけど……これ以上は脳が持たない」
「思いっきりLBXの悪用じゃねぇか……」
伸ばしたツインテールを揺らしながら、今にも泡拭いて倒れんじゃねぇかって勢いだ……転校生ってジンだろ?郷田さんに今度は何してんだ?
「居場所が分かってんなら行ってみようぜバン、アミ。それにジンもLBX強かったし、俺たちと戦ってくれるかもしんねぇ」
「そうだな!もうアングラビシタスまで一週間を切ってるし、やれることはやらないと負けるかもしれないからな!」
「本当に行って大丈夫かしら……?」
「んっ……んぶっ♡はあっはあっ♡」
「バカっ、ちょっ、待てよ待てジン君っ……!」
お姉様のたまり場である薄暗いスラムの奥で、お姉様をソファに押し倒してお腹に乗り、上から貪るように深いキスをしていく……♡
「んぐっ♡はあっ……す、すみませんお姉様。昨日の抱擁だけでは満足できず……でも、お姉様もキスは大好きでしたよね?」
「す、好きだけどぉ……あ、合わない間に随分積極的になったよねジン君。前はもっと受け手側だった気が……」
「以前の僕はお姉様の愛をただただ享受するだけでした……ですが離れている間に気が付いたのです。愛とは一方的だとこんなにも不安になるのだと、僕は貰った愛の半分もお姉様に返せていなかったそれではお姉様に忘れ去られているのではお姉様が別の男に惹かれてしまっているのではと毎日不安で仕方がなかったのですしかしこうして強引にキスを交わすという記憶にも身体にも残る方法ならばお姉様の心の片隅に残りながら僕のおこがましい独占欲を治めることもできて……」
「わ、分かった!もう充分ジン君の気持ちは伝わったからな!?だからいったん落ち着こう、な?」
――そう話すお姉様の唇からは、僕の唾液と混ざり合ったいやらしい唾液が光沢を放ちながら滴り落ちて……呼吸をする度に揺れる豊満な胸、長いキスによって赤みを帯びた頬、優しく僕を見つめる涙の滲む眼、あぁなんて美しくて守りたくなるお人なんだ。
「……お姉様、あのアングラビシタスの会場で会った時、左右にいた男子は誰ですか?」
「えっ?あ、あぁバンとカズヤのことだな。山野バンと青島カズヤ、バンはジン君のクラスメイトだろ?」
「どうして二人は呼び捨てで僕は君付けなのです?」
「じ、ジン君は私の中では可愛いジン君だし……」
可愛い、か……頼れる男らしい海道ジンではないのですね。もう子供を作れる身体だと言うのに――
「お姉様、今になって思えば……昔は僕にそれはそれは色々教えてくれましたよね?」
「う゛っ、それはその何て言うか自分色に染めたかったといいますか……」
「いいんですお姉様。昔の僕も今の僕も、お姉様のために生きているんですから。ですが大きくなった今でこそ、教えていただけるものもありますよね……♡」
お姉様のはだけたサラシと学ランに手をかけ――
「邪魔するぞ郷田、アングラビシタスの情報あっ」
「いたっ急に止まるなよバン。何かあったの……」
「カズまで止まるんじゃないわよ……って」
「いや、お前バカなんじゃないか!?な、ななな何学校でサカってんだよ!?」
「うるさいな、別に教室でやってたわけでもないしいいだろう。そもそもノックも無しに入って来たお前らが悪いんじゃないか?」
「んだとこのキザ野郎!俺のハンターでボコボコにしてやる!お前のLBXと今ここで勝負だ!」
「僕と姉様の時間を邪魔した罪は重いぞ……ジ・エンペラー!10秒以内にカタをつける!」
危うく襲われかけたところを、タイミングよくやってきたバンたちに救われた……一応ジン君とは二歳差なんだけど、男の子の力ってあんなに強いんだ……♡
「だ、大丈夫か郷田?何かあったみたいだけど」
「あはは……な、何もなかったから気にすんな」
「言っとくけどこの名探偵アミは分かってるからね郷田さん? 流石にいい趣味してるとしか言えないわよ……」
濡れた口周りと着崩れた衣服でバレてるか……い、いやぁね?案外歳下の男の子に組み伏せられるって興奮するんだよアミちゃん。そういうことじゃないって?
「あのジンって子とはどういう関係かしら?」
「昔から色々繋がりのある子ってだけだよ本当に。その昔の頃にやりすぎたって今後悔してるところ……」
「郷田も色々あったんだな、それはそうと俺たちは次のアングラビシタス参加者の情報が欲しくてきたんだが、郷田は持ってたりするか?」
「勿論あるぜ!今日はゲーセンでLBX以外の遊びでもしながら渡そうかと思ってたんだが、ジン君が話してくれなくてな……」
CCMを操作してバンに情報をさっさと渡す。対戦カードは変わるのかもしれないが、決勝戦がジン君VSバンなのは変わらないだろう。ただ、今のジン君めちゃくちゃ強いんだよな……
「あれっ?郷田のデータがないけど、郷田は参加しないのか?」
「今回オレはパス、バンたち三人で頑張るんだな!」
「アルテミスは最大で二人の仲間を引き連れて参加できる……私たち三人のうち誰かが優勝すればアルテミス行きに支障はないってわけね」
「だぁーっ負けた!」
「9.8秒……まぁまぁのタイムだな、準備運動にすらならないレベルだが。その程度でアングラビシタスに出たら破壊されて終わりだぞ?」
話してる間に一足早いジン君とカズヤの戦いは、当然のようにジン君の勝ちと……でも忠告ってか煽り? をするあたり仲良くなるのは早そうだ
「それじゃ、次は私と戦ってもらえるかしら?」
「誰と戦っても一緒だ。なんならそこの少年と二人がかりでかかってこい」
「俺は少年じゃなくて山野バンだ!カズの仇を一緒にとるぞアミ!」
目を輝かせながらバンはアキレスを準備し、アミのクノイチと一緒に……待て。これ止めなくて大丈夫か?プラチナカプセル奪われない?ま、まぁアンリミテッドでやってるわけじゃないみたいだし、セーフか……?
「ま、負けちまいました郷田さん……」
「ジンは秒殺の皇帝って呼ばれるほどの強さだからな。そう落ち込むなってカズ」
俺の右隣にちょこんと座るカズはため息をついていて、誰がどう見ても落ち込んでますって感じだな。ふっ……しょうがない、このオレが元気づけてやるよ。右手でカズの頭をオレの胸に……
「よいしょっと。男がそう落ち込むもんじゃないぞ?」
「あ、ああああの郷田さん!?」
「っ……!? あ、あの男お姉様の胸にぃ……!僕に負けたくせになんてことを!今はお前らと戦ってる暇はないんだ!必殺ファンクション!」
「そんなやけっぱちの必殺ファンクションが当たるかよ!アミ、カウンターでこっちもいくぞ!必殺ファンクション!」
「クノイチとアキレスの同時必殺ファンクションを受けなさい!必殺ファンクション!」
熱いバトルを大会でもない野良試合でするな!