コードギアス 筋骨のドズルルーシュ   作:Ak102

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3話4話

【ただのクラスメイト】
【その名はザビ】


3話4話

【ただのクラスメイト】

 

タッタッタッ……。

 

ドズルルーシュの朝は早い。

朝の鍛錬は走り込みから始まる。

(慈恩公告の法律をどうするか、考えていかなければ。)

(まずは1日1時間の義務化と、食糧安定も兼ねたプロテインの支給だな…。)

彼は物事を筋肉で考えるため、法律も当然筋骨隆々なのだ。

死角など存在しない。無敵だ。

 

昨日の騒動など全く無かったように、素知らぬ顔で登校するドズルルーシュであった。

ふと、特徴的な赤髪の少女が視界に入る。

(あれは、昨日、現場に居た少女ではないか。)

 

テレビ画面にはナオトと称される人物が映し出されてたい。

(ナオト?一体どんな人物なのだろうか?)

だが、カレンの表情が曇っていた事でおおよそを察した。

ここでは混乱を招くかもしれない。

別のアプローチで彼女達と接触を図ろう。

そう考え、事前に用意していたトランシーバーを送り付けるべく郵便ポストに小包を突っ込んだ。

報道は続き、ナオトは首謀者として公開処刑される事が発表されていた。

そして、枢木朱雀が軍務中に造反し、指名手配と共に懸賞金が掛けられた事も報道されていた。

 

【その名はザビ】

 

「良くぞ招集に集まってくれた。」

「お前達を招いたのはこの私だ。」

「この、ドズルルーシュ・ランペルージのもとに集ってくれた事を、まずは感謝したい。」

 

「ル、ルーシュっ!!!」

(なんで!?と思ったけど、あれだけ体格似てたのに何で気付かなかったんだろう。)

(確かに、殆ど学校行ってないとはいえ、気付かないなんて…。)

 

「あの生身でブリキ野郎のナイトメアを撃破してた人か!」

「お、男前過ぎる!ブリタニア人なのに素顔を晒して堂々としてる!!」

(うぉおおおお!!カッケェーー!!!)

(この玉城、ドズルルーシュさんに、一生付いていきます!!)

 

「あ、あの人か。なんというか凄く猛将って感じだね。」

「本当にカレンと同い年なのかい?」

(リ、リーダーらしく男前なのはいいけど、流石に素顔を晒しているのは不味くないか?)

 

三者三様の反応だった。

ドズルルーシュは3人を見回し、彼の背後に立っていた人物を紹介する。

 

「「「枢木朱雀…!!!」」」

 

「枢木朱雀…彼は、私の幼馴染だ。」

「そして、この前の騒動の戦友でもある。」

「だが、まずは私の出自と目的を明かそう。」

「私はブリタニアの皇族出身だ。」

「名を、ドズルルーシュ・ヴィ・ブリタニア、と言う。」

「今はドズルルーシュ・ランペルージと名乗っているがな。」

 

唐突にしては火力の高過ぎる暴露に、一同愕然とする。

(覚悟決まってるにしても、でも限度ってものがあるでしょうっ!!)

(ドズルルーシュさん、すっげぇ!そこらの日本男児より日本男児らしい。)

(お、男前過ぎる!僕達の覚悟や活動が霞むようだ…。)

 

「そして目的だが、平たく言えば2つ。」

「1つ目、戦友である彼の国の復興に手を貸したい。」

「2つ目、妹のナナリーが虐げられない世界を築たい。」

「以上だ。その為に、貴公らに力を貸すが、同時に力を借りたい。」

「そして、信用を得るには、素顔だけでは足りない。」

「力もしくは実績が必要であろう。」

「報道にあった、紅月ナオト。彼は君達のリーダーであろう。」

「彼の奪取作戦に参加して貰えないだろうか?」

 

一同、それには同意した。

だが、カレンはとうとう皆が思っていた事を口にする。

「流石に不味いので、ドズルルーシュさんも含めて、顔を隠しませんか?」

「枢木朱雀さんは、もう色々と手遅れなので顔を晒しても問題ないかと思いますが。」

「あと、本名を名乗るのも不味いので、何かコードネームか偽名を作りましょう。」

 

ごもっともだった。

 

…。

……。

………。

 

ナオトは磔にされ、公開処刑が始まろうとしていた。

ジェレミア・ゴットバルトは、敬愛する皇族であるクロヴィス様が隠居なさってしまったのは、憎きテロリストの反抗に心を痛めてしまったからだと考えたからだ。

現に、最後にクロヴィス様をお見掛けした際は、燃え尽きたのかという言葉が当て嵌まるほど、憔悴しきっていたからだ。

だから、イレブンには思い知らなさなければならない。

抵抗は無意味だ、彼が退いても我々がいるぞと。

そして、高らかに刑の執行をというところで邪魔が入る。

 

「ジーク・ジオン!!!!」

 

拡声器なぞ使ってないのに、鼓膜を破らんかとする爆声に顔を顰める。

そして気を取られている間に、自身のナイトメア、サザーランドに衝撃が走る。

アラートは高らかに損傷を告げている。

コクピットに、白い棒状の物が表示される。

(ど、道路標識だと!?)

(あの報告は恐慌でも錯乱でも無く、本当だったのか!!)

(ありえん!だが、実際に起きている!)

(それに僚機も被弾している。状況は極めて不利だ。)

 

「ぐ…、こ、小癪な!!」

「誰だお前は!!」

「名を挙げよ!」

自身も含めサザーランドは、戦闘をするには損傷を負いすぎている。

ここは会話で注意を引き、期を伺わなければならない。

 

「我が名はザビ。」

「慈恩公国を率いる大将にして総帥だ。」

「慈恩公国民になる予定である紅月ナオトの奪還、そして慈恩公国の建国を宣言しに参上した。」

 

栄えある純血主義のトップであるジェレミアは、それを認めるわけにはいかない。

「何を言うかと思えば、世迷い言を。」

「たった1人で、しかも生身?生身か…?」

「まぁいい。国家だと?」

「仮面で正体を隠した者を誰が信用するのだ。」

「そして、国としては認められていない、お前はただのテロリストだ!」

 

「ならばこそ、ジーク・ジオン(慈恩)なのだ。」

ジェレミアの挑発に対し、意味不明だがザビはしたり顔で余裕を持って返答する。

「そして、私は1人ではない。」

「朱雀、頼んだぞ。」

ザビとやらに応じ、枢木朱雀が表舞台に躍り出る。

 

「く、枢木朱雀だと!!」

「造反した脱走兵だ!絶対に捕らえよ!!」

「それにテロの首謀者もだっ!殺せ!生かして帰すなっ!!」

ジェレミアは待機していた兵達に指令を出すが、一向に動く気配が無い。

「なにをやっている!!はやくっ…なにぃっ!!」

(兵が無力化されている!!)

サビとやらと同色の緑を基調とした服装に身を包んだ、彼等の兵と思しき者達が、先の混乱に乗じてゴム弾などで無力化していたのだ。

 

朱雀は語る。

「残念だけど、僕は頭が良くない。」

「だが…この心で成さねばならない事は分かる。」

「彼の名はザビ。僕達のブレインをやってもらっている。」

「訳あって顔は明かせないけど、僕やメンバーは彼の素顔を知っている。」

「彼は信頼に足る人だ。」

「元枢木首相の長子である、枢木朱雀が保証するよ。」

「僕は思うんだ。」

「残念ながら日本という国は無くなってしまった…と。」

「勿論、イレブンになったという事を言っているのではない。」

「ゲットーは知っているよね?あれが紛れもない、この国の真実なんだ。」

「貧困に喘ぎ、虐げられる日々。」

「そして名誉ブリタニア人の方々には申し訳ない。」

「媚びへつらい、下を向いているのは真の意味で生きているとは言えないと僕達は思っている。」

「ブリタニアの承認のもとに生かされているだけだと思っている。」

「民あってこその国だが、そこにかつての民はいない。」

「色々言いた事はあるだろうけど、少なくとも僕達、そしてザビはそう考えているんだ。」

「だから、日本を解放するのではなくて、新しく慈恩公国として再出発しよう。」

「志しある者は是非、門戸を叩いて欲しい。」

「では最後に…ジーク・ジオン(慈恩)!」

「ジーク・ジオン(慈恩)!!」

「ジーク・ジオン(慈恩)!!!」

 

「「「「「ジーク・ジオン」」」」」

これから加える予定のナオトを含めて、今は6人しかいない慈恩公国だが、強く握り拳を突き上げる。

演説ではない一人語りだが、それがもっとも日本国民に、いや国民の心に届いた。

ああ…まだ終わっていなかった、いや始まっていたのだと。

既に新しき志しが芽吹いていたのだと。

 

そして煙幕が撒かれ、晴れる頃には撤退していた。

ナオト奪還作戦という名の強襲と慈恩公国の建国宣言。

小さい一歩だが、後に大きなうねりとなる事を、ブリタニアもイレブンも、そして今は数人しかいない慈恩公国民も確信していた。

 

だが、一定数の人間は強烈な疑問の前に思考停止していた。

(何故、ジークなんだ…。ドイツは関係ないはずでは?)

(枢木朱雀の方がしっかり喋ってたぞ。寧ろブレインとやらの方が三國無双していなかったか?道路標識を投げてナイトメア破壊していたぞ。あんなのありか?)

(何もかも無茶苦茶だ!だがいいぞ!いい!詰まらん画を撮るばかりで飽き飽きしていたが、あれはいい!!)

1人、エキサイティングしていた者(ディートハルト)が居た事をここに記しておく。

 

…。

……。

………。

 

ポリっ…

 

C.Cは 部屋に置いてあるプロテインバーを齧りながらTV中継を見ていた。

(相変わらず無茶苦茶だな。)

(なんだ、道路標識でナイトメア撃破とか、非常識にも程があるだろう。)

(軽量とはいえ、ナイトメアフレームはチタン系複合材だぞ。アルミ合金かそこいらだろう。余程のスピードではないと…いや、やめだ。頭がおかしくなりそうだ。)

(まぁ、素手でコクピットの隔壁を引っ剥がしてたし今更か。)

(それにしてもなんで、鹵獲したナイトメアを使わないんだ。)

(なんか装甲追加して緑色にしたり、ランドスピナーを取り外してたりしていたが、明らかにアレを使うべきタイミングだっただろう。)

(何と言ったかな?ザビじゃなくて…まぁいい。)

(というかせめて車くらい使えよ。なんで徒歩なんだ、脳筋にも程がある。)

 

ポリっ…

 

(それにしても、このプロテインバーというのは美味いな。)

(俗世から離れていたが、今はこんなにも美味いものがあるとは。)

(チョコ味は食べた。次はバナナ味だな。ストロベリー味も気になるがバナナ味だ。)

C.Cはプロテインバーという携帯・保存・味・栄養、全てにおいて優れたこの食べ物に魅了されていた。

 

ポリっ…

 

夜は更けていく。




【後書き】
ナイトメアフレームの装甲材は、作中言明されていないようです。
現実的な路線としてチタン系複合材と致しました。
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