仲間と共に、この理不尽な世界で頑張ります   作:ギラサメ

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やっと出来ました。どういう戦いにするか悩みました。


第19話 冥府神、竜魔人、さいきょーVS『白の騎士団』団長

巨塔4階

 

『……ここは『巨塔』の内部のようだが、1階とは雰囲気が違う……転移トラップで別の階層へ飛ばされたか……』

 

 部屋の周りを見渡し、状況を察するハーディ。

 

「むむ」

 

「ん?」

 

「あぁ?」

 

「おいおっさん!聞いているのか?人の話は聞かないといけないんだぞ?」

 

「ふふふ、私に恐れをなして声も出ないのか?」

 

「黙ってんじゃねぇよ団長さん。殺されてぇのか?」

 

 黙っているハーディにナズナ、ミリム、ドレイクが問い出す。

 

「……聞いている。敵でいいんだな?」

 

 答えるハーディ。

 

「おう!あんたエルフ種で一番強いんだろ?ご主人様にあんたと戦ってあたいがどれだけ強いか確認しろって言われているんだ!」

 

「ワタシはナズナと組めとクルミから言われているのだ!お前を倒すために」

 

「本当は俺一人でやりたかったが、仕方なくコイツらと組んでやってるんだよ」

 

 ナズナ、ミリム、ドレイクも答える。

 

「そうか。『『ご主人様』、『クルミ』という存在に我々はまんまと乗せられたという事か』」

 

 ナズナ、ミリム、ドレイクが言った事にハーディは嵌められたと理解する。

 

『三人の内二人は見た目は少女の姿をしているが、相当な手練。もう一人は竜人種か。ただ者ではない強さを感じる。『ご主人様』、『クルミ』とやらはそれ以上……か』

 

 ハーディは三人を冷静に見据え、ただ者ではないと感じた。

 

『だがそれがどうした』

 

 ハーディは自身の剣を抜く。

 

『どんな者であろうと何人で掛かろうと自分に適う者などいない。『強さの確認云々』以外に『ご主人様』と『クルミ』にどんな狙いがあるか分からぬが……さっさと彼女達を無力かしいたぶり情報を引き出せばいい。後は団員達と合流し、レッドドラゴンと正体不明のドラゴンを討伐。そして『ご主人様』と『クルミ』という存在を捕獲し情報を引き出し殺害するだけ。それだけの事だ』

 

 ハーディはここからどうするかを考える。

 

「いくぞ」

 

「おうよ!楽しい戦いをしようぜ!」

 

「ふふふ、腕が鳴るのだ!」

 

「退屈させないでくれよ団長さん」

 

 ハーディが言うと、ナズナは大剣を振り回し、ミリムは腕を回し、ドレイクは剣を構える。

 

「……『あの大剣を軽々と扱う身のこなし、劣等種の子供ではないな魔人種か?大剣甲冑どれも相当な魔力が込められている』」

 

 ハーディはナズナを観察する。次に彼はミリムを見る。

 

「……『身軽さを重視なのか鎧などは纏ってはいないが、彼女同様あの身のこなし、劣等種ではないな。しかし、竜魔人とは?それに彼女、かなり相当な魔力が込められている』」

 

 ミリムを観察するハーディ。今度はドレイクに目を向ける。

 

「……『あの竜人種が纏っている鎧、かなり頑丈に出来ていると見る。剣の扱いは性格同様荒々しいが、そこらの竜人種とは違う雰囲気を感じる。まずはそれぞれの力……見てやるか』」

 

 ドレイクを観察し、考えをまとめたハーディ。

 

「そっちが来ないならあたいから行くぞ〜!」

 

 大剣を構えるナズナ。

 

「でやあっ!」

 

 ナズナが大剣を振ると、斬撃が一直線にハーディに迫る。

 

 ドォン!

 

「……!ぐぼぉ」

 

 斬撃がハーディの剣と肩を切り裂き、そのまま巨塔の部屋の壁に穴を開けた。斬撃を受けたハーディは地面に伏す。

 

「え?あれ?おしまい?」

 

 あまりの呆気なさに困惑するナズナ。

 

「おぉ!ナズナお前凄いのだ!」

 

「お、おぉ!あたいは最強だから!」

 

 ミリムに褒め称えられ、照れるナズナ。

 

「じゃねぇだろうが!テメェ一人で何終わらせやがってんだ!!」

 

 しかし、これにドレイクが怒りを露にする。

 

「あ!そうなのだナズナ!ズルいのだ!」

 

 ミリムも気付き、ナズナに怒る。

 

「ご、ごめん!こんな早く終わるなんて思ってなくて!」

 

「問答無用!こうなったらテメェを相手にしてやる!」

 

「うおっ!?」

 

 謝るナズナだが、ドレイクはそれを許さず、剣を振り下ろす。ナズナはそれを大剣で防御する。

 

「おらおら!」

 

「うわぁ!だから、ごめんだってば!」

 

「うおおおおおおっ!」

 

「わぁっ!ミリムまで!」

 

 剣を振り回し、ナズナに攻撃しようとするドレイク。それをなんとか大剣で防ぐナズナ。そこにミリムも加勢し、彼女の拳を慌てて避けるナズナ。最早、三人による醜い争いにしか見えない。

 

 

「「ナズナさん!(ドレイク!ミリム!)」」

 

「「「っ!?」」」

 

 しかし、その喧嘩も部屋内に響くエリーとスフィンクスの怒声で止まる。

 

「貴女、何をしているんですか!こんな事してもしライト神様とクルミさんとの関係に傷が付いたらどうするのですか!」

 

「ドレイク、ミリム貴方達もです!」

 

「……ごめん」

 

「ごめんなのだ」

 

「チッ!」

 

 エリーとスフィンクスの説教でナズナ、ミリムは謝るが、ドレイクは舌打ちする。

 

「それより貴女早速『巨塔』の壁を壊しましたわね!」

 

「こ、壊してないし!」

 

「そんなすぐバレる嘘をつくんじゃありませんの!」

 

「うん!ナズナが壊したのだ!」

 

「あぁ、コイツが派手にやっちまったぞ」

 

「ミリム!?ドレイク!?」

 

 エリーに巨塔の壁の破壊を指摘され、慌てふためくナズナ。更にミリムとドレイクに証言され、驚く。

 

「『巨塔』の修復はわたくしの魔力とリンクしていると説明しましたわよね!?しかもナズナさん達の階層は貴女達の力が外に漏れないよう他の階層よりも強力な魔力を練り込んでいますのよ!わたくしの魔力がこんなバカみたいに持っていかれたって事は壁の修復以外ありえませんの!」

 

 説明するエリー。

 

「ライト神様の前で無様に尻餅をつくところだったのですよ!尻餅を!」

 

「ご、ごめん!エリー!ごめんなさい!」

 

 エリーに謝罪するナズナ。

 

「どうせハーディさん相手に手加減できず、協力もせずに既に倒してしまっているのでしょ?」

 

「う」

 

 エリーに指摘されナズナは何も言えない。

 

「初めての地上任務で気合いが入るのは分かりますが、もう少し力の抑え方と連携を学びなさいな。そんなんじゃライト神様やクルミさんに地上で力を求められた時、被害が計算以上に大きすぎてナズナさんに任せたくても任せられない場面が出てくるかもしれませんわよ?貴女はそれでもよろしいのですか?」

 

「よ、よろしくないです……」

 

「だったらもう少し努力をなさいな。今回は仕方ないとして次に機会がある時はせめて『巨塔』の壁を壊さないくらいの力加減を覚えなさい」

 

「分かったよ……ごめんなエリー」

 

 エリーに再度謝罪するナズナ。

 

「ミリム、ドレイク。これは貴方達にも言える事です。エリーさんの迷惑にならないようにしてください」

 

「わ、分かっているのだ」

 

「へいへい」

 

 ミリムとドレイクもスフィンクスに忠告される。

 

 

「ぐぬぅ……」

 

 その時、倒れていたハーディが声を出す。

 

「『魔力よ顕現し死に逝く肉体を癒したまえ』『中級ヒール』」

 

 呪文を唱えると、ハーディの傷が癒えていった。

 

「なんか復活したぞ!?」

 

「おぉ!?」

 

「ほう」

 

 驚くナズナとミリム、感心するドレイク。

 

「わたくしの術式のお陰で死なずに済んだから傷を癒して立ち上がろうとしているのですわね」

 

 説明するエリー。

 

「では、もう一度ですわ。次こそナズナさん自身の実力確認も含めて手加減と連携を覚えてくださいまし!『巨塔』の壁を壊さないくらいの力加減ですわよ!いいですわね!?」

 

「分かってる!今度こそ任せろ!ミリム!ドレイク!

 

「おう!やってやるのだ!」

 

「けっ!次は出しゃばるんじゃねぇぞ、吸血鬼女」

 

 エリーの言う事に返事するナズナ。そのナズナにミリムとドレイクも答える

 

『情けないなんとういう様だ……頭では警戒しながらも相手を見くびり侮ってしまった。慢心と己の力への過信。ここ数年人種の村を滅ぼす程度のぬるい仕事しかなかったせいか、いつの間にか心に贅肉が付いていたようだ』

 

 そんな中、ハーディはナズナを舐めていた事に己を悲観していた。

 

「……謝罪する。貴殿をこちらの都合で見くびり軽んじていた。ここからは一戦士として全身全霊を以てお相手する」

 

「お、おう!」

 

 ハーディからの謝罪に答えるナズナ。ハーディは次にミリム、ドレイクを見据える。

 

「そちらの貴殿らとも今度こそ全身全霊を以てお相手する」

 

「おう!全力でくるのだ!」

 

「そうこなくちゃな」

 

 ハーディからの宣戦布告に答えるミリムとドレイク。

 

『我が愛剣が盾になってくれたおかげで即死を逃れ、相手が戦闘に不慣れなお陰で追撃をしてこず、更に醜い喧嘩してくれたお陰で追撃してこず回復する事ができた。三つの幸運がなければ死んでいた』

 

 ハーディは自分が回復出来たのは剣が盾になってくれたのとナズナが戦闘に慣れていなかったのと三人が喧嘩したのが要因と考えた。

 

『この幸運を活かし、心に付いた贅肉を削ぎ落とす』サイレント!」

 

 ハーディが唱えた瞬間、辺り一帯が静寂に包まれた。

 

「「っ!?」」

 

「お?」

 

 突然の事に驚くナズナ、ミリム、ドレイク。

 

「サイレント・リバース!」

 

 ハーディが詠唱を唱えると、彼の力が跳ね上がる。

 

『数百年の戦闘で数多の戦士から吸い上げ、溜め込んだステータス。今までの全ての蓄積を使い、それに賭ける!さらに!』

 

「『サイレント』よ集い塊り、敵を斬り裂く静寂となれ!」

 

『隠者の剣(ハーミット)!』

 

 ハーディが唱えると、剣に新たな剣先が生えた。

 

『『隠者の剣』は操る自分以外その存在を一切認識できない。斬られた者も『どのような攻撃を受けたのか』認識する事すらできない。特殊技能化した『サイレント』が生み出す魔力の刃『サイレントの刃』だ。全ての手札は切った……『静かなるハーディ』と呼ばれる所以をこの全力を以てその身に味わわせてやる』

 

 剣を構え、決意を固めるハーディ。

 

「なんか結界のような物に包まれているよう……だが、私には通用しないのだ!」

 

 ゴォオオオオオオオッ!!

 

 ミリムの体から放出した魔力が部屋を包んでいた静寂を吹き飛ばした。

 

「っ!?」

 

 驚きを隠せないハーディ。

 

「行くぜ団長さんよ!」

 

 ドレイクがハーディに突撃する。

 

 ガキィィィン!

 

 互いの剣がぶつかり合う。

 

「オラオラオラ!どうした団長さん!お前の力はその程度か!」

 

 乱暴に剣を振り回すドレイク。それをなんとか『隠者の剣』で防御するハーディ。

 

「くっ!『何故だ?『サイレント』で能力は下がっているはず、なのにこの力はなんだ!?』」

 

 ドレイクはハーディの『サイレント』で弱体化しているはずなのに圧倒的な力に押されている事に驚きを隠せないでいた。

 

「俺やその剣に小細工でもしたようだが、その程度でやられるドレイク様じゃないぜ!」

 

「ぐわぁっ!!」

 

 ドレイクが放った火球がハーディを襲い、吹っ飛ぶ。

 

「くっ!まだだ!この『静かなるハーディ』がこんなとこでやられはしない!」

 

 ハーディがなんとか立ち上がり、『隠者の剣』でドレイクを斬る。

 

 

 

 しかし……

 

 

 パキィィィン!

 

「なっ!?」

 

 斬るどころか『隠者の剣』が折れてしまった。

 

「あぁ?お前そんなんで俺の鎧に傷をつけられると思ったのか?残念だが、テメェに俺の鎧は擦り傷一つもつける事は出来ないぜ!」

 

「ガハァッ!」

 

 ドレイクはハーディの腹に蹴りを入れる。ハーディは口から血を吐く。

 

「止めを刺してぇとこだが、俺がやっちまうとあの魔女っ子とスフィンクスがうるさいからな。おい!やれ!」

 

「「おう(なのだ)!」」

 

 ドレイクの合図にナズナとミリムが素早くハーディの前に出て、拳を構える。

 

「ナズナ!」

 

「おう!いくぞミリム!」

 

 ドッ!!

 

 二人の拳がハーディの腹に決まり、彼は吹っ飛び、壁に激突する。

 

「さらに!」

 

 ミリムの手に魔力が集まる。

 

「竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!」

 

 ドガーーン!!

 

 ミリムが星粒子の光線を壁にめり込んでいるハーディに放つ。受けたハーディは血塗れで最早戦闘不能となった。

 

「ヨッシャー!やったぞミリム!」

 

「おう!やってやったのだナズナ!」

 

 ナズナとミリムが喜び合い、互いの拳をぶつけ、健闘を讃えた。

 

「あぁ〜お前らやっちまったな。俺は知らんからな」

 

「「ん(お)?」」

 

 ドレイクの言った事にミリムとナズナが首を傾げる。

 

「「ナーズーナーさーんー(ミーリームー)」」

 

「「ひぇっ……!」」

 

 部屋中にエリーとスフィンクスの声が響く。それを聞いた二人がビクッとなる。

 

「な、なんだよエリー!なんでそんなに怒っているんだよ!あ、あたい今度はちゃんと手加減して壁を壊さなかったぞ!」

 

「私もなのだ!」

 

「貴女の言う『壁を壊さない』は『壁に大穴を開けない』って意味でしょう……わたくしが言う『壁を壊さない』は『壁を修復するような傷をつけるな』って意味ですわ!」

 

「だったら始めからそう言えば良かったのだ!」

 

「口答えとは見苦しいですよミリム」

 

 エリーとスフィンクスに説教されるナズナとミリム。

 

「この短い間でわたくしにどれだけの魔力を消費させるつもりですの!貴女というナズナさんは!手加減を覚えなさいと何度も言っているでしょうが!」

 

「ミリム!貴女もやり過ぎないようにしてください!狂三やライトさん達に迷惑がならないように!」

 

「あたいだって頑張ってやっているのに!うわぁぁあん!ご主人様!エリーがいじめる!」

 

「酷いのだ!私だって頑張っているのだ!」

 

 とうとうナズナとミリムは泣き出してしまった。

 

 

「はぁ〜」

 

 それを見ていたドレイクは呆れてため息を吐いた。

 

「おい!早いとこやっちまえ!」

 

 ドレイクがそう言うと奇抜な格好した一人の男が現れ、ニヤリと笑うと倒されたハーディの元へ近づき、右手で彼の顔に触れた。

 

 

場面は変わって巨塔内の狂三の部屋

 

「あらあら」

 

「はぁ〜」

 

 呆れている狂三とディアブロ。二人はスフィンクスの説教を見ていた。

 

「まぁ、これは仕方のない事ですね」

 

「全くですね。それよりクルミ様、あちらを」

 

「ん?」

 

 ディアブロに言われて見ると、サーシャ、ミカエル、リーファがライトのいる扉に着いていた。

 

「お客さんの到着ですね。では、参りましょう。ディアブロ、トール、スフィンクス、サンダール、ウェンディ」

 

「畏まりました」

 

「はい!」

 

「えぇ」

 

「御意!」

 

「は、はい!」

 

 狂三、ディアブロ、トール、スフィンクス、サンダール、ウェンディが部屋を後にする。

 やがて、ライト達がいる部屋の扉の前に着いた。すると扉が勝手に開く。

 

「「「っ!?」」」

 

 扉が開いた音を聞いて、サーシャ、ミカエル、リーファが振り向く。特にサーシャとミカエルは入ってきた人物を見た途端、目の色を変える。

 

「アンタは!」

 

「貴様は!」

 

「またお会いしましたね。庶子のサーシャちゃん」

 

 





如何でしたか?これでやっと白の騎士団の面々との戦いを終えました。これで残るはサーシャとミカエルとなりました。

次回、サーシャ、ミカエル再び!天使を呼ぶオカリナ!
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