出来ました。今回はエルフ女王国の陥落です。
あとニンジャブルー・サイゾウ役の土田大さんのご冥福をお祈りします。
「『謎の巨塔』に向かった『白の騎士団』団員達の詳細は未だ不明です。過去の事例から推測するに……」
エルフ女王国の城では、女王、宰相を始め国のお偉いさん達が『白の騎士団』が帰ってこない事に話していた。
「お、恐らく全滅したかと……」
「……ッ!」
女王はこの事に動揺する。
「馬鹿な!エルフ女王国最強の『白の騎士団』なのだぞ!早々簡単に全滅などあり得るのか?」
宰相は『白の騎士団』全滅はないと否定する。
「短期決戦の作戦でこれほど経って撤退すらしてこないとなると……非常に可能性は高いかと……」
「あり得ない!妾のハーディーちゃんはエルフ種最強なのだぞ!何者にも負けたりせね!」
女王は自慢の息子であるハーディーが負けた事に動揺し、叫ぶ。
『その通りだ。ハーディー殿だけでも途轍もない戦力。更にミカエル達には幻想級アイテムを二つも持たせたのだぞ。国を滅ぼす事すら可能な部隊になっていたはずだ。なのに全滅だと!?』
宰相は『白の騎士団』の面々の実力を分析して、全滅はないと考える。
『そんな途轍もない力を持った謎の存在がエルフ女王国首都近郊に……!?エルフ女王国内の権力を狙っている場合ではない。国家存亡の危機だ!』
更にエルフ女王国に危機が迫っているのを察する。
「他国に救援を求めるべきでは!?」
「馬鹿を言うな!そんなメンツ丸潰れの事などできるものか!」
「『白の騎士団』予備団員を全員投入して」
「正気か!?」
「冒険者ギルドに」
「いや!」
「しかし!」
城内で言い争いが勃発。
その時
「失礼します!」
部屋に一人のエルフ種の男が入ってくる。
「貴様、許しもなく勝手に「それどころであリません!」」
宰相は許可なく入ってきた事に注意するが、男はそれを遮り、報告する。
「国内全体が突然暗くなり、その上巨人が四体現れました!」
「巨人だと!?」
「そんな馬鹿な!」
男の報告に驚く。
「それだけではありません!ド、ドラゴンです!ひ、百以上のドラゴンの大群が首都全域に飛び交っております!」
更に首都全域に大量のドラゴンの出現も報告される。
その頃、エルフ女王国内全域では、突然暗くなった空、四体の巨人と百以上のドラゴンの出現に国中がパニック状態になっていた。
「フフフ」
「フフフ」
「フンフフフ」
「イヒヒヒヒヒ」
笑う四体の巨人、それは巨大化した冥府神スフィンクス、サイクロプス、ドレイク、ティターンだった。
『ダゴン、嘗て貴方が言った事を私が言う事になるとは』
スフィンクスが嘗ての同胞の事を思い出しながら口を開く。
「我らは冥府神。神々に背く罪深き者共に裁きを下さんと現れるなり」
「そんな御託どうでもいいぜ!」
ドレイクが剣から光線を放ち、建物を破壊する。
「キャー!」
「助けてくれ!」
「そんなアナタ!」
パニックになるエルフ種達。中には破壊された建物によって瓦礫の下敷きになった者や破片が直撃した者も。
「相変わらずだなドレイク」
そんなドレイクを見たティターンは額に手を当てる。
「さぁ、城へ向かいますぞ」
スフィンクス達はドラゴン達と共に城へ。辿り着くと城の中にいる女王や宰相やエルフ種のお偉いさんが戸惑う。
「きょ、巨人だ!」
「巨大なレッドドラゴンがいるぞ!」
「まさか巨塔のドラゴンか!?」
「見ろ!ドラゴンの背中!誰か乗っているぞ」
ドラゴンの背中に何者かが乗っている事に気づく。
「わたくしの『巨塔』に攻めてきたお馬鹿さん達に告げますわ。今すぐ責任者を出しなさい。さもなくばまた冥府神によって更なる被害をもたらしますわ」
ドラゴンの背中に乗っていたのはローブに身を纏ったエリーだった。ドレイクは剣から光線を出そうと構えようとする。
「今から宮殿の庭に降りますから。一番の責任者は三分以内に顔を出してくださいまし」
そう城内にいる者達に告げるエリー。
「女王陛下!今すぐ避難してください!」
「女王陛下を避難させてどうする!責任者が向かわなければ首都が吹き飛ばされるのだぞ!?」
「貴様!女王陛下を生贄にするつもりか!こういう時は宰相殿が向かうべきでしょう!」
「兵士達は何をしている!」
「さっさとドラゴンと巨人を倒せ!」
「警備責任者として騎士隊長殿を派遣するべきでは」
城内でまたしても言い争いが勃発した。
「はぁー、聞いていて呆れますわねエリーさん」
「はい。対魔術防御が低すぎて中の様子を探り放題ですわねスフィンクスさん。それにしても、まさかここまでぐだぐだと揉めるなんて……さすがに予想外ですわね」
人間サイズに戻っていたスフィンクスとエリーは城内の言い争いを聞いて呆れ果てていた。
因みに、サイクロプス、ドレイク、ティターンも人間サイズになっている。
三分後
「来ましたか」
「……三分、ギリギリセーフですわね」
エリー、スフィンクス、サイクロプス、ドレイク、ティターンのいる宮殿の庭に女王、宰相をはじめ、多くのエルフ種の騎士達が現れる。
「妾はエルフ女王国女王リーフ七世!ドラゴンの大群と巨人を連れての無作法な訪問!今すぐ立ち去るが良い!それと巨人はどこへ行った?」
エルフ女王国女王であるリーフ七世が名乗るとエリーに立ち去るよう命じ、巨人について問う。
「貴女の言う巨人なら私達がそうですよ」
「は?」
スフィンクスが答えると、スフィンクス、サイクロプス、ドレイク、ティターンが魔法で巨大化する。
「なっ!?」
驚くリーフ七世。宰相を騎士達も驚きを隠せなかった。冥府神はすぐに人間サイズに戻る。
「お分かりいただけたでしょうか?それと先程の命令ですが、そんなのお断りです」
「はい。わたくしの『巨塔』にこの国の騎士団を名乗る連中が押しかけ暴れ、先に無作法を働いたのはそっちですわ」
「!?お……お主が『巨塔』の持ち主なのかえ!?一体何者ぞ!」
「んーそうですわね。わたくしは……『巨塔の魔女』とでもお呼びなさいですわ」
「我らは冥府神。神々に背く罪深き者共に裁きを下さんと現れるなり」
「冥府神?神じゃと!?そんな馬鹿な!?」
リーフ七世はエリーが巨塔の主だと目を見開く。続いて冥府神にも驚く。
「ハーディーは!団員達はどうしたのじゃ!」
「あぁ、あの団長共か!」
「それならもうとっくに全員くたばった」
「何じゃと!?き、貴様……ッ!」
リーフ七世が巨塔に向かったハーディー達に問い出すと、ドレイク、サイクロプスが全員やられたと答える。リーフ七世はこれに怒る。
「本日はどうしてわたくしの『巨塔』にあんな下賤な強盗どもを送り込んだのか?問いただしに来ましたのよ」
「強盗ではないわ!国の首都近くにあんな巨大な物が現れ、ドラゴンが棲み着いていると情報があれば処理するのは当然ではないか!」
「……本当にそれだけかしら?わたくしの財宝、研究成果をかすめ取るのが本当の目的ではなくて?頭の中を確認する必要がありますわね」
エリーが質問しリーフ七世が答えるが、疑う。
「お、お主何を言って」
ザッ
「近づくではない!」
リーフ七世に近づこうとするエリー、スフィンクス、ドレイク、サイクロプス、ティターン。
「女王陛下!女王陛下に侵入者を近づけるな!」
「女を殺せ!」
「神を名乗る愚か者共を皆殺しだ!」
「ま、待て!」
騎士達がエリーとスフィンクス達を倒そうと駆け出す。宰相が止めようとするが、止まらなかった。
「愚かな!」
「「「うわぁーッ!」」」
「俺に勝てると思ってんのか!」
「「「ぎぃあああああああーっ!」」」
「所詮、我らの相手ではない」
「「「がぁ!?」」」
「身の程を知れ!」
「「「ぐわぁ!!」」」
ある者達はスフィンクスのウィズダムカノンに吹き飛ばされ、ある者達はドレイクに斬り刻まれ、ある者達はサイクロプスのライフルに撃ち抜かれ、ある者達はティターンに斬られる。
「『生け贄の木々』」
「ぐぎゃあああ」
「あががが」
そしてある者達は宰相も含め、エリーの魔法によって不気味な木々に姿を変えられた。周りの木々に他の騎士達は恐怖する。
「『生け贄の木々』は血や肉を栄養にし、どんどん成長し『人面木』のモンスターと化し、攻めてくる攻撃し足止めする木々を作り出す。戦略級の魔術ですわ。さて」
「ひ!いや!来ないで!」
あまりの恐怖にリーフ七世が逃げる
「あらあら逃げては記憶が読めないですわ『茨の束縛』!」
しかし、エリーが魔法でリーフ七世を拘束する。
「では、記憶を覗かせて頂きますわね」
エリーがリーフ七世の記憶を覗こうと近づく。
「うぎゃああ」
「うるさいですわね『サイレント』」
リーフ七世があまりにうるさかったので魔法で静かにする。
数分後
「成る程、先程の言葉に偽りはなかったようですわね」
記憶を覗き終え、リーフ七世の拘束を解く。
「ですが女王の記憶を読んで非常に不愉快になりましたの」
記憶を読んだエリーはリーフ七世に不快な印象を与えた。
「わたくしは地下深くで魔術を研究していた人種ですの。同じ人種としてこの世界の人種への厳しい扱いに憤りを覚えますわ。ですから」
そう言ってエリーが宙に浮き、ドラゴンの上に着地する。
「今後この国で人種の奴隷は認めませんわ。現在あなた方が所有している人種もわたくしが責任を持って引き取らせて頂きます。わたくしの手の者を派遣するのですぐに引き渡すよう準備しておいてくださいね?もし人種解放に逆らったり、邪魔するエルフ種がいれば老若男女問わずぶち殺してドラゴンの餌にしたり、冥府神による神罰を受けて頂きますわ」
エリーがリーフ七世とこの場にいる者達に人種の奴隷禁止と解放を宣言する。
「わたくしは今ここに『人種絶対独立主義』を掲げさせて頂きますの」
『人種絶対独立主義』がエリーによって宣言された。
「そして『人種絶対独立主義』の下、リーフ貴女には女王の座を退いてもらいます」
「な、何を言って!?」
スフィンクスの言った事にリーフ七世が目を見開き、戸惑う。
「彼女の『人種絶対独立主義』に貴女は相応しくありません。こちらで新たな女王を用意しております」
「馬鹿な!そんな者が!」
「では、ご覧ください。新たな女王を!」
スフィンクスが声を上げると、白い龍が降りて来る。
「あれは!以前、現れた白いドラゴン!?」
そう。そのドラゴンはブルーアイズ・ホワイトドラゴンだった。そのブルーアイズの背から一人の緑色のドレスを身に纏ったエルフ種の女が降り立った。
「彼女がエルフ女王国の新しい女王、妖精弓手でございます。彼女はエルフ種でありながら人種を差別せず、人種とも仲良くしております。彼女程適任者はいません」
なんとそのエルフ種は妖精弓手であった。
「そんな馬鹿な!人種を差別するどころか、あんな劣等種と仲良くしているじゃと!そのような事が!」
「事実です。彼女はこの国の現状に嘆いていました。そして彼女は決意しました。必ずこの国を変えてみせると」
人種と仲良くしている妖精弓手にリーフ七世は驚きを隠せなかった。
「さて、今後貴方達は新しい女王である彼女の下で働いて頂きます。それとリーフもう貴女にはその格好は相応しくありません。ティターン」
「うむ」
「ヒ!何を!?」
スフィンクスに命じられ、ティターンがリーフ七世に近づく。
「はぁ!」
ティターンが槍を振り回す。すると……
「キャーッ!」
リーフ七世が身に纏っていたドレスがボロボロに斬り裂かれた。それを見てティターンがボロボロの衣服をリーフ七世の前に放る。
「これはエルフ種の奴隷だった者が身につけていた物だ。今の貴様にはお似合いだ。人種にしてきた事を悔いるがよい」
そう言ってティターンが下がる。
「それと妖精弓手には側近としてサイクロプス、貴方に彼女の護衛をお任せします」
「……いいだろう。もし、彼女に歯向かうなら……」
バン!
サイクロプスが地面に弾丸を放つ。
「命はないと思え」
これを見た周りのエルフ種は皆、恐れをなす。
こうしてエルフ女王国は陥落し、奴隷にされた人種は解放された。
狂三邸
「そうですか。それは何よりです」
「はい。エルフ女王国は陥落し、妖精弓手が新たな女王に。解放された人種は、『巨塔』周辺で保護、またこちらでも保護する事に」
狂三はディアブロからの報告を聞いていた。
「ところでこちらで保護された人種は?」
「はい。トールやリーネットの下でメイド見習いやリズベットさんやカイジンの下で手伝いをして、我々のために頑張っております」
「そうですか」
狂三邸で保護された人種はトールやリーネットの下でメイド見習いやリズベットやカイジンのとこで鍛治を手伝ったりと頑張って仕事をしている。
「あの、狂三さん」
「どうしましたシリカさん?」
「妖精弓手さんとはもう会えないんですか?サイクロプスさんも?」
シリカが妖精弓手とサイクロプスについて聞いてきた。
「大丈夫です。彼女には定期的に報告するよう伝えております。いざとなったら助けに来てくれるそうです。それに時間があったら帰ってくるそうですよ」
狂三は妖精弓手に定期的に報告するよう伝えており、彼女も時間が出来たらこちらに顔を出す事も伝えている。
「そうですか」
シリカはホッとする。
「さて、次のターゲットは誰になるんでしょう?」
狂三は『種族の集い』のメンバーが書かれた書類を見ながら笑みを浮かべる。
しばらくして
「何?それは真ですか?」
「はい。『種族の集い』の一人、ダークエルフ種のシオンがダンジョン奥地で死亡しかかっていると」
ベータからの報告に狂三が眉を顰める。
如何でしたか?
妖精弓手が新たな女王に、サイクロプスが彼女の側近と護衛になりました。
次回からダークエルフ種のシオンへの復讐編です。この編でも新たなメンバーを出そうかと思います。