終幕の末にある始まり   作:晩やん

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DAY1:終わりの始まり
終幕の末にある始まり


 

「マジで?」

 

「まじだお。俺が嘘つくと思ってんのかよないだろ常考。」

 

 

 

 

久しぶりにやるか()()

 

 

________________

 

 

 

 

久しぶ

 

「ログイン天誅ァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

やっぱりこれなんだよなぁ。なんの捻りのない袈裟斬りを対処する。うん、ログイン狙いはたいてい7番隊(中級者)あたりが多いから楽だな。小刀で軽く流し体制を整える。見てくれ直上的な闘い方だからいい加減に…

 

「そこ甘えだよ」

 

きた。多く動いた時に出てきたボロ、足払いで相手の体制を崩し心臓に刀を突き刺す。よし、殺せたな。

 

質に入れてあげるとか言う甘え。あれよくないと思います。

 

「じゃあ辞世の『切り捨てごめん!!!!』

 

新撰組のやつの後ろからまた新撰組が出てきた。面倒臭い臭いったらありゃしない。

 

「天誅!!天誅!!!!」

 

「3人…一気に増えたなぁ。」

 

「「「天誅!!!!!!!!」」」

 

3方向から同時に振り下ろされる刀、ダメージ覚悟で行くしかない。上部にあるランクづけを確認し、一番弱いやつに体当たりで突っ込む。

 

「関係ない殺れ!!」

 

味方もろともまとめて切り掛かろうとする二人を確認、とすると

 

「見返り天誅!!」

 

っと避けられたか。後ろ見ないで刀を振るのはむずいな。背中にダメージを喰らったことに気づき、体制を立て直す。

 

「最適化されすぎてわかりやすいんだよ」

 

「お互いさまでごわす!」

 

そう言いながら見た目関取の薙刀使いが建物の陰から飛び出してまとめて切り掛かってくる。ここまで人数が集まってくるとおこぼれ天誅狙いの人間がさらに周りに増えてくる。ここは多少逃げの姿勢をとりつつ、できたら天誅しに行くくらいでいいか。と思っていると背後から数名がまた俺に切り掛かってくる。

 

「維新側として、成敗するでごわす!」

 

「死ぬでごわす!」

 

巨漢だからって『ごわす』語尾って適当すぎるだろ。素手じゃなくて薙刀かよ。型もへったくれもないがやりずらいなぁ。考えながら逃げていると避けた巨漢の攻撃が長屋の壁にあたり壁をバラバラに壊した。…これ俺の刀で受け切れるのか?相手の攻撃を避けつつ近づき方を振り下ろす、が柄の部分で受け流される。一度距離を取ると巨漢は2本目を取り出し、片手で回しながら近づいてくる。その間にさまざまな武士が攻撃を仕掛けてくるがなんかミキサーみたいに殺されている。てかあれ薙刀だとしても柄にも刃物判定ついてない?あれランキング報酬?

 

「お前らだけでやってんなぁ!!!混ぜろや!」

 

上下左右どこを見ても奇襲の嵐。正直幕末にどっぷりしてるとやばいな。やっぱり早めに上がって正解だったのかも。

 

「天誅ァァァァァァァ!」

 

いきなり間に入ってきた維新側の人間、こいつは…()()()!!すっげえなぁ。人生捧げてんじゃん。なら()()()()()()

 

 

「うお、ちょっと一回落ち着け!!!」

 

大袈裟なジェスチャーをする。

 

「あれ見て!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天誅ァァァァァァァ!」

 

……俺には真似できないらしい、(↑)ってどうやって効果的にやってたんだ。天誅天誅しか言わねえやつにこそ効果ありそうな気がするんだけどなぁ。四方八方から攻撃が飛んでくる。

 

「助太刀天誅でごわす!!!」

 

「うお、どんどん新撰組も維新も…。」

 

見てくれ50くらいは超えてそうだな。やべ、ニヤニヤが…。やるしか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()

 

 

 

 

 

 

 

ひたりと、場の空気が凍る。

 

そう言いながら錆きった脇差で周りのプレイヤーを無差別に斬るレイドボスさんが見えた。

 

 

「天誅!!!」

 

 

そう言って切り掛かった数名の顔が一瞬のうちに花のように開かれ、その場に倒れる。レイドボスさん喧嘩殺法やめたんすか…。何かちょっと磨きがかかった感じがするなぁ、全くいやになるよ。

 

 

()()()

 

その一言は礼儀を感じさせない、何か憤りを感じさせるような言葉遣いであった。

 

先ほどの関取が眼前に立ちはばかる。

 

「殺すは下品でごわす!私がてn」

 

そう言いかけて錆光の糧となった。まずいなぁこれは。対処法を考えながらレイドボスさんとの距離をとる。

 

 

 

 

「俺も混ぜろ!!」

 

瞬間、空から風に靡く袴と褌が…

 

 

 

 

 

「「「「「「「「モロ出しだ!!!!!!!」」」」」」」」

 

 

 

「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

「狂犬:十文字大福」が降ってきた。

 

 

一体どうしようか。

 

 

 

_______________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煙幕や人ごみを使用し逃げてきた。俺のこういうところが幕末に向いてないんだろうな。だけど色々収穫もあった。俺が辞める前と環境はほぼ変わってない。特に上位ランカーはほぼ不動だった。強いて言うなら串勝がランキング7位になってたくらいだわ。あとめっちゃ強えやついた。ラスボスさんと結構タメ貼るレベルの人間が多くなっててびっくりした。俺の知らない間やべえ奴らが増えてんだなぁ。敵前逃亡してでも見といて正解だった。特にやばいのが

 

 

「ねぇ君」

 

 

 

そうこいつこいつ。単騎でレイドボスに挑んで善戦したけど負けてた………

 

 

俺こいつと今からやり合わなきゃいけないのか…。

 

「どうしたんすか?」

 

13位か、13位。あくまで自然に会話して、逃げれるなら逃げたい…。

 

「さっきのでちょっと見えてたんだけど、君の持ってる刀って、()()()?」

 

 

 

 

 

「いつの…とは…」

 

 

「僕それ持ってないし、それ()()()()んだよね。」

 

 

「20XXの夏報酬で…

 

 

「その時は『蛍火軌跡』だよ。その時の上位5人の報酬は僕でも知ってるから違うし。」

 

 

「      」

 

「今の時期は絶対復帰勢が多くなるし、当たり前だけど、なら多分昔のやつなんだよね、僕がいなかった頃の。ねぇそれいつの?」

 

「」

 

「ダンマリか…まあ別にいいけど。それに私さ、結構今イライラし『ボロ負けしたからスカ?』

 

 

………だからさ、」

 

 

「久しぶりのプレイですよ、特に奪えるものもないですよ。僕倒しても美味しくないですよ。」

 

 

言うだけ言ってみるが多分無駄だろう。この()もそうだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは()()だ。

 

 

 

「天誅!!!!!」

 

『天誅!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

辻斬・狂想曲(カプリッチオ):オンライン

 

このゲームにモラルなど存在しない、プレイヤーキラーのために作られたプレイヤーキラーの為だけのゲームである幕末ではログボの確認ですら致命的な隙となる。サービス終了まで残り1週間となったこの場所に残る時代の残党たちの最後の幕引きが始まる。

 

 




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