「天誅!!!!」
『天誅!!!!』
「と見せかけて『粉煙魔』、さらばなり。」
「………」
瞬時に展開された煙に身を隠し逃亡の機会を伺う。クソ高級な煙幕だけど上位ランカーと戦う分にはこれを使うしかないっしょ。何気気分で平原に出てきてしまったから簡単には逃げれない、とすると竹林エリアに逃げ込むのが最適かな、さっきのランキングにグングニルかぐやいなかったし。
「あーあ、…逃げるんだ。」
落胆か、失望かの声が聞こえた直後、右頬を刃が掠めエフェクトが空へ舞う。明度の高い赤はこの煙幕の中でも目を凝らせば見えるほど輝いており、止血をしなければこのエフェクトでバレる。そして肉薄してくる13位をこれ周囲50mは煙幕に包まれるのに、ランカーは違うなやっぱり。当分の目的は、好きを見て回復からの竹林エリアへの逃亡だな。逃亡の手立てはあまり思いつかないが、ここから1km のところに竹林があることは把握している。
「逃げるわけねえだろ!」
そう
そう聞こえるような殺気を肌に感じた瞬間背中に大きな傷を負った感触があった。ランカーを舐めていたわけではなかった、十数メートル離れていたからこそ、ここで
「ぐ…」
「逃げてアイテム消費するくらいならさっさと切腹するのはどう?もちろん介錯はしてあげるよ。」
「お前にあげるもんは何にもねえよ13位。俺みたいな雑魚飼ってないで上位ランカー倒しに行けよ。」
「挑発のつもりなら生ぬるいね。もっと相手の心を打ちにいかないと。」
うるせえ。
「それにもう喋るつもりもないよ。その刀が目的だから、君自体に興味はない。」
雑談で全く攻撃の隙が緩まない。そろそろ煙幕も晴れてくるころ、いい加減追加しないと。でもウィンドウが開けない。なら、
↑
ちょっと呆気に取られてる、というか呆れてる。今がチャンス、『早雲』をそこらじゅうに撒き散らす、濃度はもうそこまで重要じゃない。薄く広く煙幕を張る。背中からのエフェクトが一体どうなってるか分からないが、今ここで大事なのはちょっとでも周りを巻き込むことだ。夜中の平原だとしてもここまでやれば誰かがやってくるはず。そんなささやかな期待を胸に、刀をインベントリに仕舞い、煙幕を手に握り背を向けて逃げる。逃げに徹する。
「もういいかな」
余裕そうに言う13位の姿を見ると遠く離れているが刀をおおきく振りかぶっている。
シュッ
「嘘だろ」
「この刀いいよね、煙幕ばっか使う謀略天誅対策によく使えるよ。」
一振りで周りの煙幕が多少晴れてきている。13位の目的はなんだ?このままなら俺逃げれるぞ?とりあえず竹林に一直線で移動だ。後ろから風を切る音が聞こえ、俺の用意した煙幕がどんどん空へ登っていく。そもそもこのゲームはキャラ性能はほとんど変わりがない。戦いにおいては当人のPSが如実に出るくらいだ。だからここまで逃げれば…
そう言った13位は一気に加速しどんどん俺に迫ってくる。数秒前の推測を恨む。AGIもアイテムも何もかも負けてる。ランカーは人生を半分捨てているんだ、それはまあ俺がやってらんないくらいになるよな。となるともう失うしかないのか。
このゲームは妙にリアル志向だから持ってるアイテムの数で微々たるものだが身体能力の低下がつく。ならもう高級アイテムを除いて捨て去るのが一番。全部の煙幕をその場に捨て一気に発動させる。そして、何よりこの刀を捨て去るしか生き残る術はない。死ぬくらいなら誇りは捨てよう。インベントリ操作で
「テメェそんなに気になるならくれてやる。だからもう追ってくんな。」
「んー、無理。だって」
「『天がやれって言ったから。』」
脳みそが幕末細胞で出来てるやつが…。竹林まであと数百メートル、絶対に生き残る。
「君を天誅してから取りに行くさ。」
天誅、天誅天誅、天誅天誅天誅
「もううんざりだよ!お前とじゃなくてもっと大人数とやりたいのに!バカじゃねえの!!」
「それを貫き通せない自分の弱さを恨みなよ。」
「あと1週間だから出戻りしたのにもう面倒だって!」
「あああああああああああああああああああああああああああ」
「助太刀天誅!!」
うお危ねぇ!誰だこいつもう無理、今日休みたい。あと竹林まで少しなのに。
「…………
祭囃子?……
「おうおう京極さんよぉ。ちっと俺の肩慣らしに付き合ってくれや。」
バチコーン⭐️と片目ウィンクしてくる祭囃子に感謝をしながら竹林まで逃げ仰る。13位は少し残念そうな顔をしていたが、目の前の元上位勢に目を輝かせていた。
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なんとか逃げれた…、てか
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…………サンラク!!!!!!!!
「ずっと待ってたんだぞ!お前何やってたんだよ!!!!」
「いやシンプルに大学が忙しくてさ、結構真面目に単位とってるからさ、レポートとか大変で。」
「結局大学生になってから僕と一度も会ってないじゃないか…。」
「すまんすまん、ただお前そんなに甘えっぽかったか?たまにゲームしてるんだしいいだろ。」
耳が赤くなる。明らかに頭に血が登っているのにそれ以上に胸の高まりが抑えられない。
「幕末はほとんど来なかったじゃないか!何度も何度も誘ったのに!」
「いやほんとにごめん。でも
その名前を聞き、少し気分が悪くなる。いいやつなのは僕もすごく知ってる。だから…だから………。
その後の言葉は僕の耳には入ってこなかった。
ログイン天誅の開発者として知る人ぞ知る悪名:祭囃子
この世界は多分本編時空から3〜4年経ったくらいを想定しているはずです。
あのあと色々あってレジギガスちゃんが本来の力を取り戻し、牛歩からハイウェイ200km走行できるくらいの単車に変身。ヒロイン候補(ほぼいない)がぶっちぎられて、高校卒業前に付き合い始めた想定です。てか本編もそうなると思います(小並感)。
京都と結構アクセスしやすいように静岡あたりにサンラクたちがいることにしました。でそのまま、たまーにレジギガスちゃん繋がりでほうれん草ちゃんと会うことになって、なんやかんやスパダリ、というかなんか魅力を発揮して京極ちゃんがサンラクLOVE勢になった想定です。
サンラク視点(ハーレム男)は私かけそうにないので(恋愛経験の欠如)、京極ちゃん(BSS)で書いていこうと思います。筆者は雑魚です。
幕末について、僕が知っていようが知っていまいが関係なく色々な知識を教えてほしいです。お願いします。