朝が好きだ。朝はあの人を起こしに行ける。
「旦那様起きてください。」
顔に近づきひっそりと囁く。こそばゆいのだろうか、耳がピクッと動き、口もモゴモゴと動く。その光景を見て笑顔になるのはおかしいことだろうか。
「旦那様、もう朝ですよ。起きてください。」
そうやって起きる時にゆっくりと動く瞼が、瞳孔の開き切らない宝石色の目が好きだ。目を擦りながら起きる を見るのはいつ見ても飽きない。旦那様なんてこの時間帯でしか呼ばないのだ、なら堪能させてもらっても悪くはないだろう。
「おはよう 、今日もありがとう。」
そう言いながら抱きついてくるあの人を受け止めるのが の日課だ。眠りについてでた、少し汗っぽい香りがツンと鼻に入り、幸せな気分で満たされる。本当に良かった。
「大丈夫か ?」
そう声をかけてくれるだけで幸せだった。
「大丈夫です、少し眠たくて涙が溜まっていただけですよ。」
半分本当で半分虚構、このくらいのバランスであるからこそ真実味を帯びると、悪友から教わった。
少し形式張ったこのやりとりも、元は がやってみたいとお願いした。その願いをずっと叶えてくれている に、ずっと は………。
「今から朝ごはん作るから待っててね、 。」
「はいさい。」
そう言って台所に向かう。 は一緒に作ろうと言ってくれたが、 が に作ってあげたい…………そうしたい。
「……………何でかな」
「どうした?」
そう言って の心配をしてくれる 。かまってちゃんみたいで少し嫌になる。
「今日は涙が止まらないんだ。」
でも止められない、甘えてしまいたくなる。
「…………何でかな。なんで」
を抱きしめてくれる。優しく頭を撫でてくれる。
朝ごはんの時間、二人で手を合わせて朝食を食べる。なかなか渾身の出来で、 も『美味しい…!』と言ってくれた。 はいつも豆腐には、わさびと麺つゆなのだ。 しかこんなこと知らないだろうと思い、 に…。
いつも通り何気のない話をする。学年が違う。やはりずっと と一緒にいるわけにはいかないからこそ、色々な話がしれて楽しいし、 にも自分のことをもっともっと知ってほしい。会えない時間が愛を強めるというのはもちろんそうだが、 はもっと と一緒にいたい…。
「ごちそうさまでした。」
「お粗末様でした。」
そう言って残さず食べ切ってくれるところが の好きなところの一つ。他にも数えきれないくらいあるけど。
前に、 に『こんな生活息苦しくない?』と聞いてみたことがある。すると彼は笑顔で『最初はちょっと、ちょっとだけな、戸惑ったけど、でも息苦しいなんて絶対にない。むしろ幸せだよ』と、そう言ってくれた。
ああ、やっぱり好きだ。
_______________
お昼ももちろん好きだ。 とは会えないが、友達と話すのはやっぱり楽しい。
今日はお昼に体育館裏に呼び出しをされている。いわゆる恋文というやつだろうか、 が と付き合っていることなんて誰にも言っていないからよく
_______________
放課後、校門を通り過ぎようとした時、お昼に振った
「たすけ!」
そう言う前に口を塞がれ、後ろまで引っ張られていった。抵抗しようと蹴り上げるがうまく足が当たらない
そうしてその場に投げられ、顔面を迫らせてきた。接吻は彼の為だけにとっておいているのだ、例えどこだろうとあげてやらない。そう思いその手に噛みつく。泥水を啜ってでも全体にくれてやらない。だがやはり
「楽郎!!助けて!!」
そう声を出す。来るはずもない…のに………。そう顔を上げるとそこには楽郎の姿が。
「なんで…」
「大丈夫か京極、助けに
『ピピピピ』
________________
明晰夢とはまさにこのことだろう。夢の中の
「くそっ!」
そう言って床を叩いてしまう。ああ、
そう思い、今日も身支度をする。
「おはよう」
兄が声をかけてくれた。最近の僕は少し様子が変だと気づかれているのだろうか。僕と彼のことを繋げてくれた「
行ってきます。
もともと満足していたはずの心が、荒らされて、ぽっかり開いてしまった。
「責任とってよ……サンラク。」
夜中の竹林といえばやっぱりあれだよな…。驚かし専用スポットを見つける。グングニルかぐやの残骸で、あいつがレイドボスさんに負けて作った「対人間用最終兵器竹間直通トンネル」。あいつ1ヶ月以上掘り続けたっていかれてるよな。結局それ使ったら余計レイドボスさんに隙をつかれて速攻敗北したと言う。レイドボスさん人の気配をオートで感じ取れるチートパッシブ持ちだから、逃げ道を狭めるあの選択は愚かとしか言いようがない。
失礼しますっと。
トンネル全体につながるハブ母屋があるのだが、そこへの行き方は知っている人は少ない。たまたま繋がっているのを知った俺がグングニルかぐやとの密会によく使っていたのだ。ただあいつは今もういない、というかランキングには載っているのだがだいぶ低くなっている。多分やる気が失せたんだろう。俺もそうだったからわかる。そう思いを馳せつつ、回復アイテムで自分を回復する。
_____
ふう。結構いい感じに整ってきたな。てか情報収集しないと。あの13位ちゃんってなんて言うんだ?
へぇ、「ほうれん草ちゃん」って言うのか、えーなになに…………
貧乳いじりすると少しキレる?おもろ、なんだそれ。
レイドボスさんに散々ボコボコにされてんじゃん。だから「ほうれん草」なのか……。
祭囃子のことを特に目の敵にしていて、大抵あいつのカモになってる…、だから俺に見向きもしなかったのか。
「っぷ、おもろ。」
「そうでしょ?やっぱり彼女面白いでしょ?」
「……いきなりすぎてびっくりしたわ。お前今の時間帯ログインって何やってんだよ。」
「私の方がびっくりなんだけど、超久しぶりじゃん。3年くらい?」
「2年とちょいだよ、久しぶり。ランキングめっちゃ落ちたね。」
「私もあんまりログインしてなかったからね。やっぱり残り1週間っての聞いて戻ってきちゃった。」
グングニルかぐや、こう会って話すと普通の人なんだが、竹林にいると何故か頭がおかしくなると言うか。
「そういえば確認した?最後のイベントの発表。」
「みたみた。結局最後は原点に戻って一番多くスコアを稼いだやつの勝ちなんだよな。」
「これが最後だからねぇ、みんな本気出してくると思うよ。」
「……ほうれん草をリスキルしまくりたいな…。」
「急にどうしたの?」
「いやあいつに俺の刀が…」
「あーね。まあしょうがない。取られちゃったなら取り返すしかないっしょ。」
「いや取られてはないんだが……お前になら言うけどさ、特殊イベント、起こしたことあるか?」
首を傾げるグングニルかぐやについで説明をする。
「随分前に「衛門」ってやつが追加されたイベントがあっただろ。それのドロップ報酬なんだけど、それ100個集めるとこの刀1本できるんだよ。もう作れないけどな。」
「そのドロップ品ってこれ?」
「それそれ。換金アイテムだからまとめて売り飛ばそうと貯めてたら質屋でイベントが起こって」
…………
「きも。お前まじかよ…ねちっこすぎ、このゲームやっぱり向いてねぇよ。」
軽蔑を含んだ視線を向けられる、がしかし関係ない。
「………彼女維新組でしょ、ならそっちに所属ずらしたら?」
「確かに、それが王道か。」
「ありがとう。じゃあお暇させてもらうよ。」
「了解。次会うときは真っ先に天誅させてもらうからねー。」
手向のハンドサインを送り、母屋から出る。
________________
街に戻り休む。今日はここでおしまい。またね「幕末」。
幕末終結まであと6日。
いやー、京極ちゃんエミュが難しいですねぇ。書いててあまりにも似てなさすぎて、夢オチで『京極理想の生活』ってことにしましたが、本当だったら糖質…、よくないですね。すいません。京極ちゃん好き!!!本編だとなんかサンラクの弟感あるからこそ光って欲しい。
グングニルかぐや:なんかシャンフロWikiに眠っていて面白そうだったので、勝手に設定マシマシで追加しちゃいました。そもそもキャラの外形が理解しきれてないので、今はしゃべる猿程度に思っています。
衛門:実はつくりさんがウェザエモンのお試しをするためにわざわざ売り込みに行った産物。(ってことにして。)実際のプレイヤーがどの程度ならいけるのかを試そうという話になったため、こうなったらしい。5段階強化され、麒麟なしのウェザ衛門単騎性能を語るものになったらしい。唯一「断風」のみ使える。やっぱりウェザエモン、何か秘密を持っており…。
オリ主はLv2(現在のシャンフロ程度)の討伐を連続で行っていた。理不尽ギミックもないため、サンラクより強いとか、そんなことは言えない。ランキング上位の人間は4(つくりさん想定より若干弱い)まで討伐していた。5はランキング上位の人たちが2人以上集まって討伐できるかも、くらい。まあおかしい。段階が上がるごとに索敵範囲と攻撃力、断風に映るまでの時間、移動速度が強化される。人間の反射神経で対応できるかは謎になってくるが、まあいけるでしょ。