「「サーヴァント、アサシン。召喚に…あら?」ひゃぁぁぁ!!」
「よし、どうにか、間に、あった」
血で描かれた魔法陣から燭台以上に光が溢れ出し、2つの人影が姿を表した。それを確認し、ほっと一息、二息、無くなっていた痛みがぶり返してきた。
「い、いけません!とりあえず血を!!」
「そうね…、あなた、燭台を持ってきて」
「は、はい!!」
華のある衣装の女は至って冷静に状況を把握し、給仕服の女は慌てながらも、しっかりと指示をこなしている。
「大丈夫よ、マスター。落ち着いて、そう、私を見ていて…」
目の前の女の微笑みから目が離せない。胸は高鳴り、痛みが遠ざかっている。この笑顔はいつかガンにも効くようになるだろう。
「……これなら、今回の、戦いはぐぅっ!!」
「おしゃべりは血が止まってから。ね?ほらあなたも」
「なるほど、熱で火傷を……でしたら、このナイフを温めたら…えい!!」
「がぁっ!!やるねぇ、お嬢ちゃん、さすがは、アサシンの、サーヴァントだ…」
「そう、ポイントは傷口にしっかりと当てること、マスターも、気をしっかり持って!」
いつかの火遊びとは違う熱が身体中を焼きながら、生傷を跡へと変えていく。あぁ、この子ら、ブッ飛んでるがいい女たちだ。呪いがなけりゃ…とは思うが、これなら心置きなくアイツを任せられる。
「親父!ベロの
「時間、通りだな。」
最期までろくでもない所ばっかだったな、俺。
時間もないだろうし、最後の引き継ぎと行くか……
◯◯◯◯◯
親父は、ハツラツで、モーレツな人だった。立場のせいで狙われた…らしい。
そんな親父が最期に残してくれたのは、2人の綺麗な
聖杯戦争。魔術を使う奴らが何でも願いを叶える聖杯から遣わされた7人の
未だに信じられないが、今台所にいるアサシンも魔術で生み出されており、令呪がなければ消えてしまうらしい。
「信じられねぇ、こんなにあったかくて柔らかいのに」
「ひゃ、もう、料理中ですよ。ケガしたら危ないんですから」
「へへ、ごめんごめん」
つい腰に回してしまった両腕からアサシンを解放すると、いつの間にか来ていたもう一人のアサシンが自然に手を取り食卓へと俺を導く。
「ふふっ!おはよう!散々したのに、元気ね〜」
「アサシンさんも、見てたなら止めてくださいよ〜!というか、私が朝ごはん作ってる間に、またしてたんですか?!」
「ちょっと長めに抱きしめてただけ♡それに、シャロも緊張解れたでしょ?」
これ、持っていくわねと台所から一度に多くの皿を持ってくるもう一人のアサシン。それに応じながら、手際よく紅茶を入れているアサシン。本当に戦争が起きるのか?と思わせるほど穏やかなつかの間の日常。
このままずっとこの日常を過ごしていたいと思いながら3人前の丁寧にカットされたサンドイッチと紅茶を見ていると、両方から2人のアサシンが手を握ってくれた。そうだ、俺には2人の最高のサーヴァントがいる!
自分を奮い立たせるためぐっと立ち上がり、2人の両手を俺の手の上に重ね合わせた。そして空気の読めるアサシンたちがそれぞれ口を開く。
「「「生き残るぞ!!!!えいえいおー!!!!」」」
俺らの生き抜くための戦いが、今始まる。