誰かに抱きかかえられている。
その感覚で少しだけ意識を取り戻す。
・・・寒い。・・・どこだ、ここは?
・・・違う。寒いんじゃない。
俺の体が冷えすぎているだけだ。
なら、なぜ?
首を下に向ける。
酷い、致命的な斬痕。
「しっかりしろ・・・しっかりしろ、ローラン!」
もはや助からないほどに出血している。
どうりで体が冷たくなる。
なら、今度はなぜこうなった?
辺りを見渡す。
見渡せば、数多の・・・天使?が消えかかっている。
「そんな・・・私を庇って・・・!」
その手には剣のようなものが。
ああ、そういうことか。
「ああ・・・俺はもう、助からないな・・・」
誰が見てもわかる。致命傷だ。
って、これはすでにいった後か?
「畜生・・・■■■■■の野郎・・・!」
辺りには・・・3人の気配。
さっきまではもう一人いたが・・・すでにいなくなっている。
自然と口が開かれる。
「はは・・・■■■は、■■を守れたんだな・・・よかったじゃないか・・・」
何が良かったんだろうか?何もわからない。
そもそも、ここがどこかもわからない。
それでも、口は思ってもいないことを口にする。
「はは・・・出来るなら、お前らと・・・ハムハムパンパン・・・行ってみたかったけどな・・・」
「ローラン・・・そんなこと言わないで・・・!」
懐かしい声もする。
どこか遠くへ行ってしまった・・・そんな声が。
もはや、声はもう聞こえない。
だが、最後の気力を振り絞って、口を開く。
「■■■・・・夢を・・・■■るな・・・」
意識が暗転する。
夢が覚める。
目を覚ます。
ここは・・・総記の階で合っているよな?
・・・はぁ。変な夢を見るのは久しぶりだな。
最後に見たのは・・・アンジェリカと付き合ってしばらく経ったあたりか?
・・・あの夢でも、アンジェリカの声を聴いた気がするんだよな。
おまけに、自分が死にかけだなんてなぁ。
本来だったら、夢の中でもアンジェリカに会えたことを喜ぶべきなんだろうけど、夢の内容がないようなだけに、あまり喜べないな。
何でかわからないけど、夢の内容が重要な気がするんだよな。
そうだな、日記にでも残しておこう。
『今日は珍しく変な夢を見たな。夢の中で死ぬなんて初めての体験だよ。俺の周りには、俺の死を悲しむ奴が三人、その中にはアンジェリカもいたような気がするんだよな。あと、周囲には消えかけだったけど天使みたいなのが飛んでいた。あんなのは図書館でも見たことがないな。何でか忘れるといけない気がするから、ここに記しておく。』