虚無の先の魔法少女   作:おおは

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ハーメルン一発目です。
カクヨムでも載せようかなーなんて……


第一章:魔法省
魔法少女の長は自由


魔獣というものを知っているだろうか?

 

彼らは地球上に突然現れた謎の生物であり、人類に多大な損害を与えた存在でもある。

 

そんな危険に立ち向かうのが―――同じく突如として姿を現した「魔法少女」。

 

彼女達は不思議な力(人々は魔法と呼称した)を使い、世界を守り続けている。

 

そして、時は2000年代初頭。彼女達は”魔法省”を設立した。

 

魔法省は魔法少女の統括組織にして、魔獣対策の最前線。言わば防衛省である。

 

そこから50年を経て――――――。

 

 

 

「――――――以上が今月の報告になります」

 

僕は隣の人物へと視線を向ける。

 

彼女は”魔法少女 フルフレイム”。

 

炎を最も得意とする魔法少女で魔法省が制定した階級で最も上、Ⅶ級である。

 

纏う紅色のドレスが、それを体現するようだ。

 

そして、

 

「分かったよ。まったく、最近は魔獣がまた増えてきたようだね。面倒だ」

 

そう返事をする僕。

 

――――――僕こそが魔法省組織長、幽玄渚である。

 

「どうしますか? ヴェニタール組織長」

 

そしてヴェニタール――――これが僕の魔法少女としての名である。

 

「虚無」という意味を少しもじっている。

 

しかし、ここで二つ重要なことがある。

 

まず、僕は”男”であるという点である。

 

最近変身を解く機会が多忙により少なくなっているが、50年経っても本当の性別は男である。

 

昔自ら望んだことではあったが、やはり性別が変わるのは、、、いや、最早今更どうでもいい。

 

そして、同時に転生者でもある点である。

 

が、正直なところ昔はともかく目の前に林立する書類の山には役立てそうにない知識だ。

 

兎に角、僕は今、「魔法省組織長」と書かれた名札の立つデスクにドカリと座った。

 

普段デスク周りしか使わないために、この部屋はかなり質素だ。

 

絨毯や、ほんの少しのインテリア。物欲の薄くなった自分を象徴するようだ。

 

「ま、もう少し様子見でいいんじゃない?別に危機ってわけじゃないんだろう?」

 

僕が肩を竦めながらフルフレイムの方を見やるが、彼女は依然として真面目な表情を崩さない。

 

こういう堅苦しいのはあまり好まない。やはりⅦ級だからという単純な理由で選んだのは良くないようだ。

 

「しかし、3年連続です。そろそろⅥ級あたりの魔法少女を例の場所に派遣するべきでは?」

 

「いや、例の場所はⅥ級でも厳しいんじゃないかな。といってもⅦ級の子達は忙しいだろう?」

 

「そうですね……上位の魔法少女はほとんどが現在任務についています」

 

フルフレイムが一枚の紙を見ながら答える。

 

「だろう?なら、暇な僕が行くとしよう」

 

「いえ、組織長としての仕事があちらに大量にあります」

 

嫌な気分で部屋の隅っこを見やると、そこにはデスクに置ききれない大量の紙が重なっている。

 

最早過労死必須だろう。故に、僕のやることは決まっている。

 

「組織長として命ずる。あれ、やっといて」

 

僕が呑気にそう答えると、フルフレイムは怪訝な表情を浮かべた。

 

「毎回毎回そうでは?そろそろしっかりとやってくれませんか?」

 

フルフレイムの怒りのオーラが少しずつ滲みだす。 

 

が、僕にはただの小動物の威嚇にしか見えない。かわいいものだ。

 

まぁ、流石にこれ以上は面倒だ。

 

「じゃ、そういうことで~」

 

「あ!待っ――――――」

 

フルフレイムが何かを言う前に僕は転移を発動する。

 

転移は現代の魔法少女には使えないロストマジックである。

 

昔の魔法少女がもうほとんどいないのと、単純に習得難易度が非常に高いためである。

 

僕は黎明期からいる魔法少女。当然使えるが、フルフレイムは使えない。

 

僕は一瞬にして、どこかのバス停に移動した。

 

周りを住宅が囲む、閑散とした場所だった。

 

夕飯時だからか時々鼻腔を擽る良い香りが辺りを流れる。

 

さて、次はどこを旅しようかな。




掛け持ちしているので、週一か二週間に一度くらいの頻度になると思います。
のんびり一年くらいやろうかと。
うp主の性癖詰め合わせ小説にぜひともお付き合い下さい(o^―^o)ニコ

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