虚無の先の魔法少女   作:おおは

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閑話:魔法省の人

「これ、今月の新規登録の魔法少女のリストっす。名前と実名両方載せてるっす」

 

助手の金村がそう言って薄い紙束を俺に渡す。

 

「あぁ助かるわ。確認してサインしておく」

 

返事し、大量に紙束が積み重なった俺のデスクの隅へ放り投げる。

 

投げた紙束で、ちょうど”情報部部長 村重葵”の名札が隠れた。

 

「ったく、最近はやることが多くてうんざりだ」

 

「そうっすね。でも、これやんなきゃ上から文句くるじゃないっすか」

 

「あぁそうだな。組織長もひどいもんだ」

 

一枚一枚の紙を素早い速度で処理しながら、俺は片手でコーヒー缶を開けた。

 

プシュッ、と爽快感のある音がなった。

 

すると、その音とともに、部長室のドアの開閉音が聞こえた。

 

「おはようございます。村重部長。ご機嫌いかがですか?」

 

紅色のドレスを着た魔法少女 フルフレイムだった。

 

「おう。というかもう朝なのか?」

 

「はい。今は午前7時ですよ」

 

「マジか。いつの間に……」

 

どうやら、徹夜してしまっていたらしい。

 

重い体を押し上げ、部屋のカーテンを上げる。

 

眩しい光が俺を温かく包んだ。

 

「また徹夜かよチクショウ……」

 

「ご愁傷様です。そして残念ですが、こちら追加になります。本日中に確認しておいてください」

 

フルフレイムが紙束のタワーを更に高くする。

 

「うへぇ……こりゃまた多いっすね……」

 

「組織長からか……?」

 

「そうです」

 

俺は大きく息を吐く。

 

魔法省で平和の為に働けるのは大変結構なことだが、別に社畜になりたいわけじゃいんだがな。

 

情報部というのは魔法省でも重要らしい。

 

その部長である俺を、仕事が手放してくれるわけがねぇか。

 

「もう一ついいですか」

 

「ん?なんだ」

 

「来週会議をしますので覚えておいて、とのことです」

 

「分かったわ。後でメモっとく」

 

とはいっても所詮は音声会議。

 

組織長の正体が魔法少女なのは知ってるが、他は何も知らないければ会うこともほとんどない。

 

部長はこれでも組織長の次に位が高いはずなんだがな。

 

フルフレイムが出て行ったのを見て、また大きく溜息をつく。

 

「ま、情報がなければ魔法少女も働けんか」

 

「そうっすね。僕も手伝うんで、今日中で終わらせましょうっす」

 

「そうだな。今日は飲みに行くか」

 

「いいっすね!その時は是非……」

 

「あぁ奢ってやるよ」

 

「やったっす! やる気でてきたっす!頑張るっす!」

 

「そうだな」

 

苦笑しながらコーヒー缶を傾ける。

 

渋い香りが、鼻孔を抜ける。

 

ま、頑張りますか。

 

 

 

―――――――――

あとがき

 

〇情報部

魔法少女および魔獣のデータを保管・解析・管理。

魔獣の発生原因や未知の魔法理論の調査を担当する。

個人情報も勿論、魔法省の極秘情報も保管しているぞ!

だから彼らはとっても忙しいのだ!

―――――組織長がサボりがちなのは否めないぞ!

 

 

 

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