虚無の先の魔法少女   作:おおは

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バカンスの中

沖縄の透き通った海。

 

日照りの効いた浜。

 

そこにビーチパラソルを刺し、僕は寝そべっていた。

 

「ん~。やっぱり沖縄は昼寝に最適だねぇ~」

 

サングラスをつけながら辺りを見回す。

 

流石は夏季後半といったところ。

 

多くの観光客がいた。

 

ガヤガヤと楽しむ声が聞こえる。

 

喧騒を聞くのも、のんびりするときだけだが心地いい。

 

こっそりと異空間からアイスクリームを取り出し、ゆっくりと舐める。

 

ほのかな甘みと広がる濃厚ななめらかさ。

 

やっぱりいいね。

 

会議が終わった後、すぐに此処に来て正解だった。

 

まぁ、生憎水着など持ち合わせていないので、通常フォームに適当に買ったTシャツを着ているだけだが。

 

これこそがのんびりと呼べれるものだ。

 

「こういうことがなければ、だがね」

 

空を見上げる。

 

不自然に暗くなった空。

 

同時に、鳴りを潜める音と風。

 

「……またか。どうしてどいつもこいつも僕の平和な休暇を邪魔するんだ」

 

同時に、遠くから聞こえる悲鳴。

 

逃げろ、と叫ぶ声も聞こえる。

 

……ふむ、突然出現した感じか。

 

アイスクリームを舐める。

 

辺りを大勢が必死の形相で通り過ぎていく。

 

大変だなぁ、とゆっくりな思考で思った時だった。

 

その中の一人の青年が僕の前で立ち止まった。

 

「おいお前! 早く逃げないと!」

 

青年は僕に向かってそう叫ぶ。

 

アイスクリームを舐める。

 

「なんだ? まさか気が動転しているのか?!」

 

「いや、そういうわけじゃない」

 

一瞬だけ固まった青年は、再び歩き出して僕に近づく。

 

「じゃあ何で逃げないんだ?」

 

「いや、魔法少女がそろそろ来るんじゃないかと思って」

 

「それでも逃げないと巻き込まれるかもしれないだろ!ほら、行くぞ!」

 

どうやら我慢の限界に達したらしい彼は、僕の空いた手を取り走り出した。

 

見知らぬ他人に気を遣うとは……少なくともお人好しなんだろう。

 

だが一方で、その額から一筋の汗が流れていくのが見えた。

 

僕が落ち着いているだけに非常に面白く感じるが、笑う気は流石にない。

 

「ここまで慌てる必要はあるのかい?」

 

「知らないのか?さっきの魔獣、Ⅴ級だとよ」

 

ほう、Ⅴ級。

 

身体を引っ張られながら考える。

 

Ⅳ級とは最早別物。知能を持っている点が最もそうだ。

 

そして同時に、そうそう突然に現れるものでもないのだ。

 

「それに、沖縄の魔法省支部は規模が小さいんだ。Ⅴ級相手は荷が重いだろ」

 

「そうなのかい?」

 

目の前を走る青年を見る。

 

「あぁ。最高でもⅤ級の魔法少女しかいないんだ」

 

「それは大変だ。そして、さっきから周りに人もいないのも大変だ」

 

「は……? ―――――ッ、マジか……」

 

青年もどうやら事態を把握したらしい。

 

どうやら、魔獣が僕達を見つけてしまったようだ。

 

溶けだしたアイスクリームに齧り付く。

 

先ほども言ったように、Ⅴ級からは魔獣も少々特殊となる。

 

やつらは出現時に辺りの次元を曖昧にする。

 

そのため、ターゲットにされると現実との次元がほんの僅かにズレる。

 

「俺達狙われてんのか……?」

 

「そうなるね」

 

「クソッ……どうしたら……」

 

「君、考えている暇なんてないと思うよ」

 

僕が上を見上げる。つれて、彼も見上げた。

 

その空からは、お迎えがやってきていた。

 

「に、に、ニンげゲげン……かかかかかるるるる」

 

上空から、禍々しい魔力の奔流が押し寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ネタがない。とにかくネタがない。
芸能人ではないが、ネタがない。

掲示板が欲しいかい?(by nihil)

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