虚無の先の魔法少女   作:おおは

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魔法省の人の受難・①

部屋の扉のノック音が耳に入る。

 

だが、5徹を終えたばかりの俺には全く気にならなかった。

 

「ういっす村重さん。元気かいな」

 

思い頭をデスクから離すと、ドア前にⅦ級魔法少女ロロックが立っていた。

 

鮮やかな茶色の短い髪が揺れる。

 

「……どこを見てそう言ったんだ?」

 

「ただのジョークや。気にせんでええ」

 

特徴的な口調とノリが憂鬱な自分には痛く感じる。

 

「で、なんの用だ?」

 

「せやせや。フルフレイムから伝言預かってんねん」

 

「態々Ⅶ級がか。ご苦労なこった」

 

俺は溜息を付きながら、デスクの引き出しから新しいコーヒー缶を取り出す。

 

代わりに、デスク上の空き缶を放り投げる。

 

デスク横には、昨日よりも一層高くなった空き缶の山があった。

 

そして、デスクにも変わらず紙束の山が幾重もある。

 

コーヒーとインクの臭いが混ざってよく分からない匂いになっていた。

 

「偶々や。それより、伝言の内容なんやけど」

 

「何だ?」

 

「”組織長が多忙な為、Ⅵ級魔獣の討伐関係の説明をイマジネーションとタイラントにしておいて下さい”やって」

 

俺は髪をくしゃくしゃにしながら頭を抱えた。

 

またか。

 

組織長が多忙、という理由付けは最早飽きた。

 

そりゃ組織長なのだから多忙なのだろうが、それで何故俺にまわってくるのか。

 

「おいおいⅥ級だって? そういうのは別の部署に回してくれ。俺の担当外だ」

 

「でも情報部やろ?情報関係なんやから担当ちゃうんか?」

 

「何でもかんでも情報だからとここに回すなと言ってるんだよ」

 

俺が苦々し気に言うと、ロロックは苦笑した。

 

「そりゃすまんわ。ま、取り敢えず伝言は伝えたから失礼するわ」

 

「あ、おい待て……」

 

返事をする間もなく、彼女は部屋を出ていった。

 

「全く……また徹夜かこりゃ」

 

俺が紙束から一枚取り出し眺めだしたとき、再びドアが開いた。

 

「ちーっす部長。元気してるっすか??」

 

助手が先ほどの魔法少女よりもノリのよい雰囲気で入ってくる。

 

「お前に言われると余計に腹が立つ。来期減給してやろうか?」

 

「え?!やめてくださいっす!来期は大事な試合があるんっす!」

 

「どうせ競馬と競艇だろうが。一回も勝ったことないくせによく言う」

 

「ぐッ……偶々っす!次やったら絶対勝つっす!多分!」

 

デスクの前で喚き散らす助手は放って、俺は手に持つ紙へ視線を落とす。

 

”Ⅵ級魔獣<名称:永遠の命>討伐についての概要”か……。

 

「なぁ金村」

 

「ん?何すか?」

 

「お前はⅥ級魔獣を見たことがあるか?」

 

「いやないっす。逆に部長は?」

 

「一回だけあるよ。あまりいい思い出じゃねぇがな……」

 

俺は紙をデスクに置き、コーヒーを啜りながら立ち上がった。

 

「仕事だから仕方がない……大阪からイマジネーションとタイラントを呼んでくれ。少し話と討伐関連の話をしておきたい」

 

甘いはずのコーヒーが苦く感じた。




ちなみに自分の好きな馬は現実ではゴルシ、ゲームならシンボリルドルフです。
120億サイコーヒャッハー!!!

掲示板が欲しいかい?(by nihil)

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