虚無の先の魔法少女   作:おおは

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帰還の気分

『次のニュースです。最近、魔法少女の失踪事件が増えています―――――』

 

『―――――先日では、Ⅴ級魔法少女が行方不明となる事件が発生しました』

 

『現在魔法省は原因を探求している最中と発表しています――――――』

 

『また、先日不審な行動をする魔法少女が目撃され、それが行方不明の魔法少女であることが判明しており、魔法省は警察と協力して関連性を捜査しているとのことです―――――』

 

 

随分とネットが騒がしいと思って見てみればこの有り様。

 

一週間程度留守にしていた間に色々事態が動いていたようだ。

 

仕事用のスマホを久方ぶりに起動すると、なるほど確かに通知数が恐ろしい数になっていた。

 

全部フルフレイムからだった。

 

流石に連絡しないとな、と思い僕はのんびりと操作してフルフレイムに電話する。

 

「もしもし〜?」

 

『組織長。そろそろ戻ってきてはいただけませんか?既に知ってはいるとは思うのですが、魔法少女の誘拐事件がまた発生し、Ⅴ級がもう一人行方不明になりました』

 

「それは大変だね。仕方ない……支度したら向かうとするよ」

 

『そうしていただけると助かります。そして、間もなくアメリカからフェアリーテイルが到着します』

 

手元のカップに緑茶を注ぐ。

 

「そうだったね。握手会もするんだっけ?僕も行った方がいいかな?」

 

『そうですね。なるべく行っていただけると助かります。総理大臣の呼び出しにも応えていただけると幸いなのですが』

 

そういう声には僅かに疲労の色が伺える。

 

うーん……アンチマギカも気になるし、戻ってあげようか。

 

「分かった分かった。すぐ戻るよ。最近ウザったらしい気配も続いて嫌気が差してきたところだしね」

 

僕はそう言い終えて電話を切った。

 

緑茶を啜る。

 

ミルクとは違う苦味が口内を占めた。

 

だが、この苦味は疲れたときには甘く感じる。

 

「さて、そろそろ仕事するかねぇ」

 

僕は一瞬にしてその場から消えた。

 

◇     ◇     ◇     ◇

 

――――――フルフレイム視点

 

組織長の代理として私はある方とテレビ電話をしています。

 

「―――――魔法祭の開催に関する概要は以上でよろしいでしょうか」

 

私がそう言うと、画面越しで一人の中年男性が確りと頷きました。

 

『構わないよ。此方としても大変望ましい形となっているからね』

 

「それと、アメリカからのフェアリーテイル来日と握手会についてですが」

 

『我々からも護衛を出そう。何かあっては日本としても困るからね』

 

「分かりました。諸々組織長に伝えておきますね」

 

私がペンを手に取りメモをしていると、彼は静かに口を開きました。

 

『それでだが』

 

「……? 何でしょう」

 

『例の失踪事件。解決の目途は立っているのかな?』

 

「まだ捜査中としか言えません」

 

私が機械的にそう言うと、彼は不安げとも悲し気ともとれる表情をしました。

 

そして同時に苦笑もしているようでした。

 

『そうか……。日本国内で頻発しているから、早期の解決をしてくれると助かるよ』

 

「善処いたします。では、失礼します―――――中島総理大臣」

 

頭を一度下げ、私はテレビ電話を切りました。

 

「失踪事件の解決ですか……。日本は最初の魔法少女出現地だけあって魔法少女の質も数も多いですからね……。しろと言われてもそう簡単に解決するわけもないですね……」

 

疲れた声でそう言っても、今この場には誰もいません。

 

……そろそろ本気で組織長にも働いてもらいたいものです。アメリカ大統領からも話があると言われているのに。

 

 

 

 

 

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