続くビル群だが、地面に埋め込まれている土地名簿を見ると大阪だった。
どうりで都会の冷やかさを感じにくいわけだ。
であるならばここは堺あたりだろう。
すっかり日の暮れた道を歩く。
地中から少し覗く電灯がアスファルトを薄明るく照らす。
夜特有の静かな甘い空気を吸う。
こういう静かな夜が僕は昔から好きだった。
―――が、この世界に平和などないのだろう。
突然風がピタリと止み、辺りがさらに暗くなった。
そして突如として現れた気配に振り向く。
そこには―――――
犬よりも二回りは大きい影のような狼が複数いて、大きな牙を剝き出しながら僕を睨んでいた。
真っ黒な涎が地面へ滴る。
そして、一般人では恐怖を感じる魔力のプレッシャー。。
こいつらこそが魔獣である。
恐怖を掻き立てる見た目。
されど、僕にとっては既に見慣れたものだ。
こんな見た目でも、僕にはチワワと同じように感じる。
上位と比べればどうってことはない。
……精々Ⅳ級か。
僕がどうしようかと悩んでいると、魔獣達はこちらへと勢いよく飛び掛かってきた。
―――殺すか。と、手のひらに魔力を密かに貯めた時だった。
「――しゃがんで!!」
上から張り切った声が聞こえた。
それに従い少ししゃがむと、上空から大量の水が降ってきた。
ザバ――――――ッ!!
僕と魔獣の間に落ちてきた大質量の水は僕と魔獣を反対方向へ流した。
綺麗な水だったが、ほんのりと魔力を感じる。
流された僕の前に一人の少女が降り立つ。
「大丈夫だった?」
僕は視線を上げ彼女を見る。
真っ白に僅かに青が滲んだ色のエプロンドレスを着て、金髪のストレート髪。サファイア色の目。透き通るような白い肌。
まるでおとぎ話から出てきたような見た目だった。
「……ああ、大丈夫だ。君は?」
「それなら良かった。私はⅣ級魔法少女 イマジネーション。魔獣を退治しにきた」
彼女がそう言いながら魔獣達を見る。
魔獣達は邪魔され、更に牙を剥きだし激昂しているようだった。
「魔獣は退治する。だから安心していい」
「……なら安心だ」
すると、彼女がふと上を見る。
僕もつられて上を見ると、何かが落下していた。
「――私のことも忘れるなぁぁぁああ!!!!」
空から落ちてきたのは巨大なハンマー。
いや、正確には―――――それを振り回す魔法少女だった。
ドゴォォォン――――――!!!!!!!!
あり得ないほどの轟音。
砂埃が消えるとそこには魔獣が潰れたらしき跡と、立派なクレーターができていた。
「Ⅳ級魔法少女:タイラント参上!」
タイラントと名乗った少女は快活にそう声を張り上げた。
纏う緑のドレスが、答えるように風に揺れる。
――――まったく、環境破壊はどれだけクレームがくると思っているんだ。
僕は少し不機嫌になる一方で、彼女達の実力に疑問を持った。
Ⅳ級レベルを一撃。
……彼女達はⅤ級上位の実力がある、と。
実に興味が湧くよ。僕は口端を僅かに上げた。
高評価おなしゃす。
閑話欲しい?
-
欲しい!
-
本文書け
-
他者支店閑話だ!
-
何それおいしいの?