私達が意識をオルテクトから戦闘に戻せたのは、インテリタスの掛け声だった。
「もう暫く時間がかかる!頑張ってくれ!!」
ハッとなった私はハンマーを握り直し、隣で同じくボーっとしているイジ―に声を掛ける。
「私達も、やれるだけやるわよ!」
そして、イジーと共に残りの魔獣を倒すために駆け出した。
◇ ◇ ◇ ◇
私ことオルテクトは今現在、ある魔獣と対峙している、
「固有魔法―――――
聖杖を地面に突き刺してそう言うと、魔獣の周りの地面から圧倒的な光が漏れ出す。
次の瞬間には魔獣を包んだ。
遅れて爆音が鳴り響く。
風で自身の纏う純白の衣が舞う。
砂埃が辺りを立ち込める中、私は魔力を頼りに魔獣がどうなったかを感じる。
「チッ……思ったより頑丈ですね、Ⅴ級のくせに」
魔力は魔獣が未だ立っていることを示していた。
「立てかけましょうか。固有魔法―――――」
と私が唱えかけた時だった。
魔力のある何かが恐ろしい速度で私の顔を目掛けて飛んできた。
「――ッ」
反射的に体を沿って避ける。
それが何かを目で追ってみると、それは伸びた棍棒だった。
シュルシュルと伸び縮みしながら魔獣の方へと戻っていく。
「これは……魔獣の能力ですか。随分気持ち悪いこと」
砂埃が消えた先。
そこには、腕と棍棒が自由自在に伸縮している魔獣の姿があった。
黒い布が、無傷のまま不気味に靡く。
―――――魔獣の能力。
Ⅴ級からは一定の時間を経ると何かしらの能力が発現する。
永遠の命なら”永遠”の能力を。
「お、オレハフレテイルもノをジザイにの、伸バせル」
しゃがれた声が耳に響く。
実に不快な音だ。今すぐにでも消し去りたい。
「あ、そうですか。それで?」
私が冷たく返すと、魔獣は苛立ったように伸びた腕をしならせた。
「オマエうザイ。さ、サッさトシね」
瞬間、伸びた棍棒がしなりながら横薙ぎに向かってくる。
風の鋭く切り裂く音が聞こえる。
だが、Ⅵ級魔法少女である私の身体能力をもってすれば避けることはそう難しくない。
音速の鞭のごとき連撃を躱しながら思考する。
どう殺そうか。
思考を辺りへと飛ばす。
すると、手の空いた魔法少女がいた。此方へと向かってきている。
ちょうどいい。一瞥するついでに目配せをする。
察したらしい魔法少女は、望み通りの方向へ駆け出した。
「足止め専念。固有魔法――――――
聖杖を地面に突き刺し唱えるは先ほどの魔法。しかし、今度は範囲を一体だけに絞る。
結果、地面から漏れる光は一点に集中し圧倒的な威力を誇る。
この魔法は攻撃よりも妨害特化だ。
白光に包まれた魔獣が苦し気に腕を上下左右に振り回す。
聖杖でいなしながら、私は魔獣の背後の魔法少女を見る。
これで詰み。
背後の魔法少女達――――――タイラントがハンマーを振り下ろし、イジーが上から巨大な岩塊を落とし、横からアローが弓を構える。
「ナッ―――――イつノ間ニッ」
「これでも食らえやぁぁあ!」
「
叫ぶ魔獣が岩塊の影にかくれ、次の瞬間ハンマーと爆発矢の衝撃が走った。
砂埃が地面を巻き上げるような勢いで広がる。
続いて鳴り響く轟音と地響き。
砂埃を一気に払って見ると、魔獣が元居た場所には巨大な岩塊が突き刺さっていた。
「君達、Ⅴ級やⅣ級にしてはよくやった。おめでとう」
私が軽く褒め言葉を言っておく。上に立つ者としては必要だろう。
辺りには魔獣の死体が死屍累々と広がっている。
一方で、彼女達も魔力を使っているようで一部疲労が見られる。
私はまだ余裕だが、彼女達は大分疲れている。
「よくやってくれた皆!結界の破壊はあと少しだ!!」
少し離れた所から、快活なメリハリのある声が聞こえる。
あと少し……か。
もうこれ以上は勘弁だと切望した時だった。
神楽鈴の音が鳴り響いた――――――
シャリン――――――
次の瞬間、死体だったはずのものが、また私達へと向かってきていた。
群の奥で、岩塊の底に沈んだはずの存在が立っていた。
「もウ一回ダ……」
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