――――シャリン
清らかな音が一層近くで聞こえる。
私達は社へ続く階段から鳥居の真下に立つ”何か”を見た。
真っ白な衣。
赤い袴。
黒髪は肩口でゆらりと揺れ、手には―――血のように赤い房のついた“神楽鈴”。
そして何よりも特徴的だったのは、顔には十字線しか書かれていないことだった。
まるで下書きのキャンパスのように、真っ白な顔に立て横に鉛筆で書いたような線。
同時に、あまりにも強い魔力が漏れ出していた。
鳥居が歪んで見えるほどの魔力。
息が喉で詰まる。
「本体のお出ましですか……随分丁寧だこと」
オルテクトが疲労の色を残しながらも、眉根を寄せながら聖杖を構える。
だが一方で、インテリタスは快活に笑った。
「ハハハ! 向こうから来てくれたんだ!!有難いと思おうじゃないか!!」
次の瞬間、彼女からも膨大な魔力が迸った。
それを警戒した巫女が赤い神楽鈴を胸の前に掲げた。
「人……永遠二沈メ」
シャリン……
神楽鈴が呼応するように不気味に響いた。
「よし!!行くぞ! やつに触れれば私は破壊できるからな!!」
―――シャリン
甲高い音に合わせて、魔法少女達が駆け出す。
勿論狙いはあの巫女服を着た”何か”だ。
「もう破壊には慣れたので?」
「ああ、ここの結界は慣れた!次からは破壊しまくってやろう!!」
インテリタスが獰猛な笑みを浮かべながら、更なる魔力を溢れさせる。
それを警戒したのか、キャンパスの顔が私達を確りと捉えたような感覚。
そして、襲ってくる更なる魔力。
と同時に突然左右から飛び出してくる二匹の狛犬。
「うぅぅぅうむぅぅうう!!」
叫ぶ二匹は、巨大な体躯に、赤き巨大な角と牙。
圧倒的な体躯から繰り出される爪の横薙ぎは、いともたやすく彼女たちの身体を引き裂けるだろう。
だが、タイタラントがハンマーを強化しそれを受けた。
衝撃波と武器同士の軋む音。
砂埃が私と狛犬の周りを覆う。
「ぐうッ……! 結構キツイわね!!」
「案ずるな!!ここで私が全て終わらせよう!!」
インテリタスが駆け抜けながら、魔法を唱える。
「総合順位12位、Ⅵ級魔法少女インテリタス!!一撃で終わらせてやろう!!」
彼女の体から魔法があふれ出す。そして、それが現実へと昇華していく。
「極限魔法」
それは選ばれし者にしか許されない到達地点。
「―――――
瞬間、私の目の前の狛犬が何かに抉られるように弾け飛んだ。
驚き辺りを見回すと、もう一匹も弾け飛んで横に倒れていっていた。
「私の極限魔法は拒否するものを全て破壊する!!相手の強さにもよるがな!!」
私達の前でインテリタスが意気揚々とした様子で突き進んでいく。
彼女が踏んだ地点が一体が、一瞬にして粉と化して消えていく。
これが極限魔法……!
私は何度見ても見惚れてしまう。胸を奥が熱くなる。
何度でも見れるようなものでもないのに、私は恵まれているとしみじみ思ってしまう。
気づけば
巫女が慌てたように神楽鈴を何回も振る。
シャリン……シャリン―――――
瞬間、巫女の前に青白い結界。
そして、左右からあの狛犬が二体。
だが、それは眼前の脅威には無意味だった。
「これで終わらせてやろう!!」
インテリタスの鋭い拳が結界を紙のように突き破り、そのまま巫女の体を突き破った。
「オオ……人メ―――――」
巫女が恨めし気にインテリタスを睨んだが、次の瞬間には砂のように霧となって消えていった。
そして、Ⅵ級を倒したということは。
まるでゲームの報酬のようだと言わんばかりに、そこにボール状のものが現れた。
魔力核。
「あれが……初めて見たわ……」
遠くから見ている私でも、あれは美しく見える。
まるで神が召されたような、そんな神々しさがある。思わず息を呑んでしまう。
そして同時に、私の胸中は達成感で満たされる。
「私もですっ!」
「インテリタス以外はそう。あいつは抜け駆けしている。極限魔法も」
二人が清らかな風に衣服を揺らしながらそう呟くと、イジ―も魔力核を興味津々といった様子で見つめながらコクリと頷いた。
「これで任務完了だな!!」
インテリタスが神聖な趣で浮かぶ魔力核を取ろうと手を伸ばした時だった。
私の横腹に強烈な衝撃が叩きこまれた。
「ガッ――――――」
そんな不意打ち避けれるはずもなく、私は水面を跳ねる石のように地面を何回も跳ね返って吹き飛んだ。
社隣の大木に勢いよく激突する。
視界が霞む。
呼吸ができない。全身が針に刺されたように激痛がする。
辛うじて映る視界。
そこには果たして。
血に染まっていくドレスと、私のほうを驚きの表情で見る魔法少女達。
そして、その背後に佇む見知らぬ魔法少女だった。
「チッ。弱いじゃんよ。沖縄で獲物逃がしたばっかなのによ。これじゃストレスも解消できないじゃんか――――――――」
視界が暗闇に落ちる直前、私はカランとアクセサリの鳴る音が聞こえた気がした。
はい、やっとこさ主人公に戻れますね。
長かったっすね
掲示板が欲しいかい?(by nihil)
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そろそろ欲しい
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既に私は掲示板にいる
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ego nescio ita(?)