虚無の先の魔法少女   作:おおは

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結構アセアセと書いているので誤字とか多分普通にあると思います。
あれば報告していただけるとシアワセー!です


魔法祭のゴング

『―――――次のニュースです。まもなく魔法祭が開催されます。

 

今年は様々な事件があり、開催されるか危ぶまれていましたが、魔法省の発表より例年通り開催されることが判明しました。

 

来週から予選が始まり、決勝戦では世界各国から集まった魔法少女が鎬を削ります。

 

また、今年は魔法省組織長が見に来るとのことです』

 

 

◇     ◇     ◇     ◇

 

 

 

『―――――第三回予選Hブロックの勝者はタイラントだぁぁぁ!』

 

圧倒的な歓声の中、タイラントが拳を突き上げる。

 

さらに歓声が沸き上がった。

 

タイラントはその中、悠然とその場を後にする。

 

あれからタイラントは狂ったように魔獣狩りをしていた。

 

魔法で作られた闘技場の地下廊下を歩く。

 

静寂の中を、コツコツと靴音が木霊する。

 

すると、廊下の先でイマジネーションが待っていた。

 

タイラントを見るや否や、心配そうに近づく。

 

「……大丈夫?」

 

「ええ大丈夫よ」

 

タイラントがはっきりと答える。

 

だが、その裏には明らかに疲労が伺える。

 

事実、タイラントの目元には薄くだが隈が見えた。

 

「……本当?」

 

イマジネーションが更に心配そうな表情を浮かべる。

 

イマジネーションも先ほど予選を戦い抜いたばかりであった。

 

だが、それでもタイラントは気丈な笑みを浮かべた。

 

「本当よ。ちゃんと勝ったわ」

 

タイラントは肩に担ぐハンマーを一度ブンッと振り回す。

 

「それに……もう私は負けられないから」

 

そう言ったタイラントは、しかし、目色は闇のごとく。

 

イマジネーションを傍らに、タイラントは奥へと消えていった。

 

その廊下には沈痛な表情を浮かべる魔法少女ただ一人が残った―――――。

 

 

 

◇     ◇     ◇     ◇

 

 

 

「―――――という具合のようです、二人は」

 

フルフレイムから報告を聞いた僕は、椅子に深く腰を下ろした。

 

「うーん、イマジネーションは兎も角、タイラントは思ったよりも悲惨だね」

 

Ⅵ級討伐に行かせたはいいものの、まぁタイラントは初手で気絶させられたからねぇ。

 

それで起きたら……ってなると、やはりああなるのも無理はないのかもしれない。

 

「如何しようかな……」

 

机を手でコツコツと叩きながら脳内を整理する。

 

タイラントとイマジネーションには是非とも極限魔法を習得して欲しい。

 

ローは補助に回ってくれるだろうが、魔法少女ではない。

 

―――――やはり、ちょっと無理やり殻を破ってもらうしかない。

 

壁には強者を、でね。

 

「うん決めた」

 

僕がきっといいであろう笑顔を浮かべながら立ち上がる。

 

「……お伺いしても?」

 

フルフレイムが若干呆れたような表情をしながら聞いてくる。

 

僕の浮かべる表情のレパートリーは意味ともども知ってしまったらしい。

 

「僕の同期がね、少し前に目覚めたんだ、封印から」

 

「ッ同期と言いますと、やはり古き魔法少女の一人ですか」

 

「そうだね。タイラントとイマジネーション、それぞれに一人づつ。決勝戦までには調整が終わるように頼もう」

 

これなら問題ないだろう。

 

僕と同じ古き魔法少女達。

 

封印から戻ってきた一人。そして、もう一人。

 

タイラントには前者を、イマジネーションには後者がぴったりだ。

 

特に後者はイマジネーションの完全上位互換の能力だからね。

 

「……それだとただのずるになる可能性はないのですか?」

 

フルフレイムが鋭い目線で僕を見る。

 

確かに古き魔法少女から指導を貰えるというのは後にも前にもないだろう。

 

彼女達がもうほとんどいないのも要因する。

 

だけどね……フルフレイム。

 

「僕は思うんだ」

 

僕は部屋の中央で静かに腕を広げる。

 

一瞬、フルフレイムが息を呑んだ。

 

 

「――――そんな程度で負けるやつに、決勝戦に行く資格などないさ」

 

そう、結局魔法少女は勝てばいいのだ。才能で、努力で。

 

 

 

 

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