―――――少し後、本部にて。
一人の魔法少女の後を、イマジネーションは歩いていた。
前を歩くその魔法少女は、本部への門を潜ってすぐに待っていて「こちらへどうぞ」と案内を申し出した。
だが、非常に違和感のある魔法少女だった。
全身が影のように少しうす暗いのだ。
色彩に富んでいることの多い魔法少女のドレスが、くすんで見える。
それは肌も同様だった。
まるで魔獣の特徴のようだ、とイマジネーションはタイラントの心配心を一時消して警戒した。
そんな魔法少女に案内されたのは前回と同じルート。
フルフレイムと通った道を、エレベーターを過ぎる。
だが最後は違った。
組織長室の二つ前のドアで彼女は止まった。
「こちらの部屋です。中にお入り下さい」
そう言うと、彼女は溶けるように消えていった。
思わず驚くイマジネーション。まさに影のごとし消え方だった。
有力な魔法少女なのだろうか?
そう思いながら、案内に従い目の前のドアに手を掛け、押し開いた。
瞬間、目の前に広がったのは。
部屋というようなものではなかった。
広大な庭園のような世界だった。
まるでドアが別世界に繋がっているような感覚。
辺りを見渡すと、あちらを向けば不思議な巨大植物。こちらを向けば綺麗だけど巨大な花。風までもが温かく辺りを通り過ぎていく。
「……凄い」
思わず息を呑む。
きっと、魔法で作られているのだろう。
その景色の遠くにテラス席が見える。お姫様がいそうな雰囲気の、である。
そこに小さな人影があった。
ここの主なのだろう、と思ったイマジネーションが感嘆しながらそこに向かって行く。
歩く感覚までもが草原を歩く広々としたものだった。
やがて着いたイマジネーションは、テラスで綺麗な椅子に座っている主へと視線を向けた。
「……誰?」
視線を向けられた本人は、無表情で首を傾げた。
イマジネーションよりも小さな体躯を包む薄青色のエプロンドレスに、輝くような紅銀髪。
そして、頭に付く大きなリボン。
イマジネーションと似た雰囲気だったが、魔力差は最早別物だった。
本来なら可愛く見えるはずの彼女から、全てを凌駕するような魔力が溢れていた。
組織長のような、いや、それよりもかもしれない。
少女の視線がイマジネーションを射抜く。
イマジネーションは思わず背筋を伸ばし、固唾を飲んだ。
「……ここに呼ばれた」
「……そう、なら、貴女がイマジネーション?」
「……そう」
イマジネーションが言うと、少女は無表情を貫いたまま抑揚なく言う。
「……なら、合ってる。ようこそ、”アリスの部屋”へ」
そう言った少女が目を一瞬ズラすと、瞬間目の前に椅子とティーポッドが現れた。
「……私はフェアリーテイル。ヴェニタールの、お友達」
ティーポッドが独りでに動き、また突然現れたティーカップへ紅茶を注ぐ。
コポポ……と辺りを満たす香良い匂い。
「……今日から、貴女をしごいてって言われた」
そして、いつの間にか、フェアリーテイルの椅子もとに一匹の猫が現れていた。
その猫が、三日月のように笑った。
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