虚無の先の魔法少女   作:おおは

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特訓①

「直近の成果はどうだい?プラントニア」

 

二日ほど間隔を空けて僕がプラントニアの元へ行くと、彼女は広々とした訓練場で唯一生えている小さな樹木に腰かけていた。

 

「ん~?なんだヴィーちゃんか~」

 

僕の声掛けに気づいたプラントニアがこちらを見る。

 

「何故ヴィーなんだ」

 

「ヴェーって言いにくいからかな~」

 

プラントニアは懐からフーセンガムを取り出し、口へと放り込む。

 

まるでやることがない暇人のようだ。

 

「……タイラントはどうしたんだい?」

 

「今隣の部屋で樹と戯れさせてる~。まだまだ弱々だから」

 

確かに耳に魔力を込めて澄ますと、隣からドゴンなどの重低音が聞こえてくる。

 

「教育方針に口出しは控えておくけど、ちゃんと極限魔法を使えるように鍛えておいてね」

 

僕がジッと彼女を見ると、彼女はフンと鼻を鳴らした。

 

「それは任せて貰っていいよ~。後輩指導久しぶりだけど~」

 

「……今月中だよ? 来月には決勝戦がある」

 

「おけ丸水産~」

 

その返事を僕は信じることにした。

 

プラントニアは昔もこうだったのだ。今更どうこうと気になることはない。

 

だがやるときはやってくれる。

 

「それにね~私も極限魔法の調整しないといけんからね~まだ封印解いたばっかだし」

 

「だからここを借りたのかい。あまりやりすぎないでね。まだここを緑化したくはない」

 

「もちのろん」

 

プラントニアは自信気にそう言うと、指をパチンと鳴らす。

 

音が響くと同時に、地面から幾重もの樹木が生え伸びていく。

 

彼女が腰かけていた樹木も成長していき、大きな樹木へと変わった。

 

「極限魔法の発動条件、それはまさしく極限環境に身を置くことだからね~」

 

そう言っている間にもどんどんと樹木は成長していく。

 

やがて人が霞むほどの巨木になった樹木達は、枝をある方向へ伸ばし出した。

 

「要は死に面し続けたらいいだけじゃんね~」

 

プラントニアはよっと腰を上げ、伸びる枝に乗り移る。

 

そして、主の意思に従い、部屋を移動し出す。

 

「フェアリーちゃんのこの訓練場は凄く便利だよね~殺しても無問題だし~」

 

彼女の肩の聖霊樹がミキと音を立て光輝く。

 

樹木から美しい花が咲き、花びらが空間を紙芝居のように舞う。

 

「ちゃんと指導しておくよ。大地の名にかけてね~」

 

その声を最後に、伸びた巨大な枝木は隣の部屋とを隔てる壁に繋がった。

 

 

後に残ったのは部屋を大きく占める巨木と、舞い落ちた大量の花と、そして僕。

 

「……僕も決勝戦に向けて準備でもしておくかな」

 

僕は美しく散ってゆく花々と隣からの轟音を背に、訓練場を後にした。

 

 

 

 




最近貴船神社に行ってきたんですが、やっぱり神社って言葉に言い表せない感動がありますよね

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