虚無の先の魔法少女   作:おおは

44 / 49
突破

戦っている間、私は不思議な感覚だった。

 

まるで、世界が小さな模型のように見えた。

 

全てが、小さいと思えた。

 

身体が何かに浮いているようなフワフワとした感覚。

 

だがふと私の意識は暗くなった。

 

 

 

 

「――――う、うん……」

 

まばゆい光で目が覚める。

 

それと同時に全身の感覚が戻ってくる。

 

いつもよりだるいと感じると同時に、違和感を感じた。

 

背後から妙な温もりを感じるのである。

 

「一体何が……」

 

首を動かして、後ろを見る。

 

そこには、私に抱き着いて眠っているプラントニアの姿があった。

 

「え……どういうこと……?」

 

動いて抜け出そうにも、プラントニアがガッチリとホールドしている為、ソファから全然動けそうにない。

 

「どうしたらいいのよ……」

 

何だか全てがどうでもよく感じる心地よさだ。

 

今や無防備に眠っているプラントニアが、先ほど戦っていた戦闘狂だとは誰も思うまい。

 

随分と平和だ。

 

そう思っていると、また眠くなってきた。

 

どうやら最近の疲労の皺寄せがきたらしい。

 

私は包まれる温かさの中、再び目を閉じた。

 

 

 

 

◇     ◇     ◇     ◇

 

 

 

後日、私は組織長に呼ばれた。

 

奥のチェアーに座るのはヴェニタールという魔法少女。

 

「さて、漸く君も極限魔法を使えるようになったわけだ」

 

「は、はい」

 

彼女が妙に不気味な満面の笑みを浮かべながら私を見た。

 

「君の極限魔法はどうやら、物事の大小関係を変えるといった魔法のようだ。

それは物だけに限らず、現象も現状上限はあるが変更可能。中々破格の性能だね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

未だ実感が湧かない中、私は軽く頭を下げる。

 

すると彼女は、人差し指をピンと立てた。

 

「取り敢えず、まぁ極限魔法があれば決勝戦にはいけると思うよ」

 

今度は笑いながらも、何処か真剣な表情を向けてくる。

 

「ま、決勝戦にはⅥ級の子にⅦ級もでるから、勝てるかは微妙だけど」

 

そして、チェアーから飛び降り、私の前に立つ。

 

少し低い目線から、私を鋭い目線で見る。

 

その目線は変わらず不気味だ。

 

「プラントニアにちゃんと鍛えて貰えば、きっとⅥ級にはすぐにいけると思うよ。頑張ってね」

 

そう言って私の肩をポンと叩くと、彼女はそのまま組織長室のドアを開けた。

 

「あ、あとフルフレイムに僕が出かけたことを伝えといて。じゃ」

 

「え―――――」

 

何かを発する前に、彼女はドアを開け廊下へと消えていった。

 

私は誰もいない組織長室にポツンと立つ。

 

何か、私は面倒な役割を押し付けられたような気がする。

 

邁進を心内で決意する一方で、不穏な事が起きた。

 

―――――あぁ、イジ―はどうしているんだろう。

 

 

 

 

―――――2週間後

 

『予選第10回を経て、決勝戦への出場が無事決まったのは、タイラントです!!』

 

決勝戦へ出場する魔法少女達が並ぶ場所。

 

そこには、Ⅵ級やⅦ級の魔法少女達に混ざって立つ二人のⅣ級魔法少女の姿があった。

 

 




一言

別に百合百合姫しているわけではない(言い訳)

掲示板が欲しいかい?(by nihil)

  • たくさん欲しい!
  • 本文書け
  • そろそろ欲しい
  • 何それおいしいの?
  • 既に私は掲示板にいる
  • ego nescio ita(?)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。