空晴れる雲の下。
一種の舞台のような場所。
そこでは圧倒的な歓声が空気を震わせていた。
その中で、解説がマイクを通して声を張り上げる。
『さぁそれでは決勝戦出場者8名を改めて紹介しましょう! 一人目は―――――』
舞台の上に、一人の少女が現れる。
漆黒のコートに右目に白の眼帯をつけた、男装麗人を想起させるような見た目。
『Ⅶ級魔法少女スナイプです!今年度ついに決勝戦まで勝ち上がってきました!』
黒き魔法少女の――――スナイプが手を掲げる。
その意味は果たして。
戻っていったスナイプの代わりに、また一人の少女が舞台に立つ。
『さぁ続いて現れたのはアメリカからの刺客!Ⅶ級魔法少女ワンダーシェアー!』
金髪に青色のリボンドレスを着た少女が、静かに手を振る。
小さい動き。されどそこにはやはり、強者としての風格があった。
また入れ代わる。
今度立ったのは、鮮やかな茶色のショートカットとドレスを揺らす少女。
随分と柔らかな笑みを浮かべ、元気に手を振っている。
『さぁ続いてはⅦ級魔法少女 ロロックです!』
その難波の和やで気さくな笑みに、観客の声は一段と大きくなった。
「ありがとうなぁ皆!」
そう大きな声で叫んで、去っていく。
笑みの代わりに、続いて現れた表情は真面目な表情。
『続いては昨年度王者!Ⅶ級魔法少女フルフレイムだぁ!』
深紅のドレスが、観客の心を燃やさんとばかりに鮮烈に輝く。
真面目な表情を一切崩さなかった彼女は歩幅も一定のまま舞台裏へ消えていく。
『続いてはフルフレイムの妹であり昨年度準優勝のⅦ級魔法少女エターナルフローズン!』
その解説と共に姿を現したのは、所々が凍り付いている魔法少女。
どこかフルフレイムを思わせる真面目顔だったが、フルフレイムとは違いそこには冷淡な雰囲気があった。
観客を鋭く一瞥すると、フンと鼻を一度鳴らし、そのまま舞台裏へと消えゆく。
入れ違うように、また一人が立った。
『さぁさぁ続きましては、風を操る魔法少女―――――Ⅶ級魔法少女ウィンドウです!』
舞台に立ったのは、まるでどこかのお嬢様のように悠然としていて、同時に美麗さのある少女。
Ⅶ級魔法少女―――――ウィンドウだった。
優雅に手を挙げ、観客に対して挨拶する。
そして最後まで変わらず綺麗な所作で裏へと消えていった。
ひと置きし、解説が再び声を張り上げる。
『さぁ残り二人となりましたが、続いては皆さんご存じの通り!』
舞台の上にポツンといった様子で立ったのは、アリスを想起させる小さな魔法少女。
真っ白に僅かに青が滲んだ色のエプロンドレスを着て、金髪のストレート髪。サファイア色の目。透き通るような白い肌―――――
『Ⅳ級魔法少女がまさかの決勝戦に!Ⅳ級魔法少女イマジネーション!』
呼ばれたイマジネーションは、表情を変えず静かに頷く。
踵を返したイマジネーションとすれ違ったのは、最後の一人。
緑のドレスが歩く風で揺られる。
『さぁ最後の一人!衝撃のⅣ級魔法少女タイラント!』
最後に舞台に立ったのは、緑のドレスを纏った真剣な表情の少女――――タイラント。
タイラントは大きく息を吸うと、知ってか知らずか、スナイプと同じく手を掲げた。
それはきっと覚悟の表れなのだろう。
『以上の8人が決勝戦出場者です!それでは、明日第一回戦はイマジネーション対ロロック! まもなく決勝戦開幕です!』
解説の声が、観客の大歓声の中はっきりと響いた。
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ego nescio ita(?)