イマジネーションとタイラントが手紙を読む少し前――――――
僕は興味のあることには全力を尽くせる。
だから、一度逃走したはずの魔法省に戻るなんてことはわけないことだ。
それがどこであろうとね。
再び転移を使い、一瞬にして組織長室へと戻る。
すると、部屋のデスクで作業していたフルフレイムと目が合った。
「ヴェニタール組織長? 戻ってこられたんですね」
「まぁね。少しやりたいことができたんだ」
「と、いいますと?」
フルフレイムが首を傾げながらこちらを見る。
僕は組織長の重厚感あるチェアーに深々と座る。
あまり高くない今の僕の身長に合わせた特注品だ。
中々の座り心地を提供してくれている。
「大阪のⅤ級試験についてだよ」
「大阪……ですか」
「そうそう。なんか、あそこの試験官随分厳しいらしいんだ」
「そうなんですか? 気になるならば情報部から資料を貰いますか?」
フルフレイムが紙束をトントンと整えながら言う。
「そうだね。後、大阪支部に手紙出したい」
「分かりました。テレポート装置を用意しておきます」
「助かるよ」
そう言って、僕は引き出しから紙をペンを取り出す。
折角だ。彼女達と話をしてみよう。
そう思って僕は紙にペンを走らせるのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
――――フルフレイム視点
私には尊敬する相手がいます。
今、私の隣で組織長の椅子に座りこむ魔法少女――――ヴェニタール。
漆黒の軍服でその小柄な身を包み、上に袖に腕を通さずコートを羽織り、黒髪の頭に灰色の王冠を載せている魔法少女。
古き魔法少女の一人で、魔法省を作った人でもあります。
そして、現状世界最強と言われる私でも勝てない相手でもあります。
稀に模擬戦の相手をしてくださるのですが、私が極限魔法は使わない本気を出しても組織長に応用魔法までで対応されてしまいます。
組織長も恐らくは極限魔法を使えるのでしょうが、今まで見たことがありません。
得意魔法についてもはぐらかされ教えてくれませんでした。
彼女はいつでも秘密主義です。ヴェニタールという魔法少女の情報は最高機密で、私でも閲覧できません。
何もかもが分からない。だけど、私を手の平で転がすくらいには強いのは確かです。
情報部から貰った資料を組織長に手渡すために、彼女を呼びます。
「組織長、こちらが資料です」
組織長は手紙を書く手を止め、資料を受け取る。
「ありがとう。……なるほど。大阪のⅤ級認定試験はⅥ級の子がやってるんだね」
「そのようです。名前はストレイト。得意魔法は強化で、かなりストイックだと聞いています」
「文字通りストイックか……それが原因かな」
組織長がデスクに手を付き考える仕草をする。
「取り敢えず、ストレイトに僕が見学に行く事伝えといて」
「分かりました」
満足そうに組織長が頷くと、こちらに手紙を差し出してきた。
「じゃ、これ大阪に送っといて」
「分かりました。ちなみに内容を伺っても?」
私がそう聞くと、彼女は何かを企んでいる時の不気味な笑みを浮かべました。
いつも灰色の双眸が更にくすみ、辺りに寒気が走ります。
質素ながらも雰囲気のある部屋も相まってか猶更です。
私ほどであれば訳ないですが、Ⅳ級辺りだと気後れしそうですね。
「なに、少し現地の魔法少女に興味が湧いてね」
「現地の魔法少女ですか?」
「そうそう。イマジネーションとタイラントっていうⅣ級魔法少女」
「Ⅳ級? 呼んでいいのですか? ここに」
魔法省本部は組織長室がある階を含め、たくさんの極秘情報があります。
特に、組織長室のある最上階と地下は重要な情報やものがあり、Ⅳ級は勿論、Ⅵ級でも簡単には入れれる階ではありません。
であるのに、組織長はⅣ級をここに呼ぶと言っているのです。
「いいよいいよ。どうせ彼女達は近々Ⅴ級に上がるだろう」
「Ⅴ級だからいいというわけではありませんが……組織長がそこまで言うなら分かりました。呼ぶのはこの部屋で?」
「うん。じゃ、僕は少し席を外すから頼んだよ」
「また放浪するんですか?」
「いやいや、今はやる気があるから仕事だよ」
そう言って組織長は転移を使い消えていった。
……いつもこの調子で仕事をしてくれると実に助かるのですがね。
そう思いながら、私はあの小さくも安心感のある背中を見送った――――。
誤字報告オネガイシマス。
読み返してはいるんですが、突っ走って書いているので……(;'∀')
補足。
魔法には基礎魔法・応用魔法・得意魔法・極限魔法(・ロストマジック)・祭壇魔法があります。
基礎魔法・応用魔法はどの魔法少女でも訓練すれば使えます。
得意魔法と極限魔法は努力・資質に左右される個人特有のものです。
ロストマジックは元々応用魔法扱いですが、現在では使い手がいません。
ただし、古き魔法少女達は使うことができます。
祭壇魔法は現実世界の物質・建物を触媒として使う魔法です。
規模は触媒によっていくらでも変更できます。
閑話欲しい?
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本文書け
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他者支店閑話だ!
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何それおいしいの?