よくある好感度逆転もの...?   作:寿司食べたい

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再会

 

 

 

 

「あのクソガキどもどこ行きやがった?」

 

 

焦りながら、周りを見渡す。しかし、目的の人物は見つからない。電車の揺れから段々と目的地に近づいていくのを感じる。

 

「…パヒャヒャッ、お兄さん〜こっちだよ〜!」

 

声をする方向へと顔を向ける。そこには、薄い緑でウェーブのかかった髪型をしていて、幼い容姿とは似合わないレトロな機関士の格好をした女の子が2人いた、ハイランダー鉄道学園所属の橘ヒカリと橘ノゾミだ。

 

「やーい、おにいさんこっちだよー」

 

その容姿通り、行動は幼く、人にイタズラをし、かなり良い性格をしてる生徒である。そのような様子から、クソガキ…いや、鉄道と合わせて"シュポガキ"と前世では言われていた。

 

「良いから、それ返してくれよ!」

 

「えぇ〜でも、こんな危険なもの持ち歩いちゃだめでしょ?」

 

「そうだよー?」

 

彼女達の手の中には、袈裟袋に包まれた刀があった。

 

「その刀は護身用なんだよ!そもそも、銃器の方が危険だろ!」

 

「お兄さん何言ってんの?もしかして、知らないの?銃を持たずに外に出る人とか、全裸で外に出る人より少ないだよ?」

 

「おにいさんってー連邦生徒会副会長なのにーおバカなのー?」

 

…そうだった。何年、キヴォトスに住んでいようが、前世の感覚はどうやっても抜けてはくれないものだ…。

 

「──まぁ、ただ単にお兄さんが面白いからやってるだけどね、パヒャヒャ」

 

「そうだよー」

 

ノゾミの方は笑いながら、こちらを煽ってきて、ヒカリの方は両手を頭の上にのせて、こちらを煽ってきている。

 

「───こ、このシュポガキどもがぁ、絶対に捕まえてやる!」

 

トオルは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の双子を捕まえなければならぬと決意した。トオルにはシュポガキの心がわからぬ。トオルは、穏やかである。駅弁を食べながら、仕事をしながら電車に乗っていたい。しかし、煽りに対しては、人一倍に敏感であった

 

「お兄さんが、怒ったぁ!パヒャヒャ!」

 

「おこったーこわいー」

 

そんなこと言うながら、逃げていく双子二人を俺は追いかけた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は〜ミレニアム〜、ミレニアム〜」

 

 

あの後、無事に邪智暴虐の双子との追いかけっこに勝利をし、刀を取り戻したあと、駅弁をたべている最中に放送が流れてくる。

 

「やっと、着いたか…」

 

「お兄さん、もう降りちゃうの〜?」

 

「おにいさんー降りちゃうのー?」

 

ノゾミは隣の席に座って、俺の駅弁を、ヒカリは俺の膝に乗って、お菓子を食べながらこちらに聞いてきた。

 

「そうだぞ〜。俺は連邦生徒副会長で、しかも今は、会長代理も勤めているからなぁ。仕事がいっぱいあるんだぞ。」

 

「そっか〜大変だね〜お兄さんは」

 

「たいへんーたいへんー」

 

心底どうでも良さそうな様子で、双子は返事をした。その様子に呆れながら、ドアの近くへ向かう。出会った瞬間から、ずっと疑問であったことを双子へ問いかける。

 

「ていうかなんで、二人は俺のことを『お兄さん』呼ぶんだ?」

 

「だって、お兄さんの名前分からない...」

 

「しょうがない… 。」

 

「───私の名前は柳トオル、連邦生徒会所属で、副会長兼会長代理を勤めています。以後、お見知り、おぼふ...」

 

せめて、最後ぐらいはカッコつけた自己紹介をやろうとしようとした瞬間、電車のドアが閉まり、某イケメンモテモテ粉バナナ主人公みたいになっていた。

 

「やっぱり、お兄さんっておもしろい〜パシャヒャ!」

 

「おにいさんーやっぱりバカなんだー」

 

結局、俺は最後の最後まで、シュポガキどもに笑われながら、電車を降りた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改札を抜け、ミレニアムへと足を踏み入れる。これまでとは一変とした空気で満たされている、高層のビル、道を行き交う作業用ロボット、空を飛ぶドローン、イメージ通り未来都市の様子が目の前を埋め尽くす。その様子は何回見ても圧倒されてしまう。

 

「───柳さん、帰ってきてたんですね♪」

 

ぼっーと街を見ながら歩いていると、背後から呼ぶ声がきこえ、振り返ると、そこには真っ白なロングヘアーにこれまた、真っ白な服、微笑みを浮かべてる、その姿はどこか儚げで知的な雰囲気がある女の子、サイエンススクールの生徒会『セミナー』で書記を務める2年生、生塩ノアが立っていた。

 

「…ノアか、久しぶりだな、大体1ヶ月ぶりか?」

 

「ふふっ、お久しぶりです、正確に言えば、1カ月と4日6時間46秒ぶりですね」

 

「そっ…そうか」

 

動揺しながらも、同時にその情報が正確であると認識した。セミナーの書記を勤めている彼女なら、秒単位まで覚えて数えていても、何ら不思議でもない。

 

「───ふふっ、冗談です♪流石に秒単位までは数えていませんよ?」

 

俺の動揺する姿を見ながら彼女は微笑んだ。さらっと、自分の心を読まれていること疑問に思うが、今はそんなことはどうでも良い。

 

「そういえば柳さん、一つ質問があるのですけど、良いですか?」

 

「その荷物ってなんですか?」

 

そう言って彼女は、俺の手に持っているものを指差した。

 

「あぁ、これはミレニアムへのお土屋だ」

 

「本当ですか?ありがとうございます♪」

 

もちろん、各学園へのお土屋も買ってあるが、今はタブレットの中に入れてある。

 

「あれ?じゃあ、こちらの方はなんですか?」

 

「これは先生の分だ。そういえば、先生って今何処にいるんだ?数日前から急に、連絡が取れなくなってな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───なぜですか?」

 

その瞬間空気が変わった、久しぶりの再会の暖かな空気から、極寒の空気へ。彼女から微笑みが消え、こちらを見てくる…

 

「…何故って、当たり前だろ?」

 

「どうして、あんな人なんかに?意味が分かりません…」

 

先生のことを恨んでいる様な、憎んでいる様な苦痛の表情を浮かべている。

 

「どうしたんだノア?先生のことで何かあったのか?」

 

「…すみません、少し取り乱しました。少し頭を冷やしてきます…」

 

そんな言葉を残し、何処へ向かって行く。『今は、一人になりたい』そんな感情が去って行く彼女の姿から感じ取れた。

 

さっきの彼女との会話の間でも、自分のいない間に、先生に何かあったことはわかる。だが何より、情報が少ない。こんな状態で考えたところで、徒労に終わってしまうことは明確だ。そのためにも、聞き込みを行うしかない…。先生と関わりが深いゲーム開発部に向かう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ何で…!?そんな奴の話なんか…!!」

───いつも陽気なムードメイカーの彼女が怒りを露わにしている。

 

「やめてください!その人の話なんか…」

───姉よりも冷静なはずの彼女は感情剥き出しにしている。

 

「アリスは話を拒否します…」

───勇者を目指す彼女は機械の様な無機質な喋り方で拒絶した。

 

「そんな話をするのなら、出て行ってください!」

───いつも、ロッカーに隠れている彼女は、ロッカーから飛び出し部長として、部員を守っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲーム部の部室を出て、道行く生徒に話しかけるが成果を得るどころか先生の話をするたびに傷つけてしまっている…。そんな現状に少し参ってベンチに座っていると、生徒同士の話し声が聞こえてきた。

 

「───あいつがどうなってるか知ってる?」

 

「あいつって誰?もしかして、先生(あいつ)のこと?」

 

「そう!あいつのこと!そいつ数日前から行方不明になってたじゃない?」

 

「うん、そうだね?」

 

「なんとね!昨日、私あいつを見たの!惨めに路地裏で寝てただよ?」

 

「本当!?どこにいたの?」

 

「はっきりとは覚えてないけど、シャーレの近くだったかなぁ…」

 

その言葉を聞いた瞬間、俺はミレニアムを飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

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シャーレへ向かっていると豪雨に見舞われ、雨が身体を痛いほどに叩きつけてくる。身体が熱を持つが、雨が身体をすぐに冷やす。先生は未だ見つかっていない。

 

 

 

 

幾つもの路地裏を周るが、唯々時間がすぎて行くだけで、先生の手がかりすら見つからない。

 

 

 

 

本当に無事なのか?先生は生きているのか?ネガティブな考えを頭を埋め尽くすたびに、絶望が深まっていくばかりだ。

 

 

 

 

 

「トオル…?」

 

 

 

 

 

雨音でかき消えそうなほど弱々しい小さな声を自分を呼ぶ声が聞こえる。

そこに視線をすぐさま向ける。

 

 

「───先生!」

 

 

先生を見つけた喜びで舞い上がりそうになる。しかし、先生を見た瞬間その気持ちが急速に冷えていった。

 

 

 

 

 

 

 

いつも、生徒の前を立ち大人の偉大さを示してくれる姿は今すぐにでも消えそうな蝋燭の火のように弱弱しく、瞳は喜びと悲しみ孕んでいた…

 

 

 

 

 

 




遅くなってすいません…。思っていたより生徒の喋り方が難しくて…難航していました。


これからも、少しずつ更新していきます。楽しんでいただけると幸いです…
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