よくある好感度逆転もの...?   作:寿司食べたい

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説得

 

静寂が路地裏を支配し、雨粒が落ちる雨音だけが二人の間を響き渡る。

その静寂を切り開くように先生は言葉を発した。

 

「───ごめん…」

 

先生は雨音でかき消えそうな声を残し、すぐにでも倒れそうな足取りでこちらから逃げようとしている…。その様子はいつもの生徒を導く姿とはかけ離れていた。

 

「待ってください!先生!」

 

「心配はいらないから…」

 

こちらの呼びかけに答え、歩みを進めていく。

自分がいない間になにが起こったのか?どうしてここまで、先生は逃げようとするのか?知らないことが沢山ある。

 

「心配がいらないって、そんなわけないじゃないですか!」

 

だが先生の言葉には、哀愁が込められていること、目の前で今にも倒れそうな姿、目の前ことだけは決して変わらない真実だ。だからこそ、自分の胸に残った一つの思いに収束した

 

「そんな姿を見て、『はいそうですか』と引き下がれるわけない!」

 

吐息まじりの声、敬語なんて忘れて、自分の気持ちを吐露する。それは

連邦生徒会の副会長、柳トオルとしてではなく、一人の生徒、一人の人間としての言葉だった。

 

「あの時、言ってくれたじゃないか!『辛い時は、他の人頼っていいだよ。人と人は助け合いだからね!』って…」

 

自分の中で残る感情や考えが一つへとまとまり、一つだけの思いへと変化する。

 

「だから、先生…。先生が辛い時は俺を頼ってくださいよ!」

 

 

 

 

 

 

先生を助けたい】、そのたった一つの思いに。

 

 

 

 

自分から離れようとする歩みを止め、こちらの目を見つめながら一つの質問を投げかけてきた

 

「教師が生徒を頼っていいの…?」

 

「当たり前ですよ!」

 

こちらを振り向いてくれたことでやっと自分の声が先生に自分の声が届いたんだと思い、嬉しくて思っていた以上に声が漏れた

 

 

 

「先生、大丈夫ですか!?」

 

 

 

次の瞬間、先生は緊張の糸が切れたのか、そのまま倒れそうになっていた。そんな先生を地面につくギリギリで受け止める。

 

「トオル…私のこと助けて…」

 

「もちろん!任せてください!」

 

その返事を聞いた先生は俺の腕の中で安心した様な笑顔をしながら、気を失った。息をしているのを確認し、なんとか命に別状はないことがわかり、ほっと息を吐く。そして段々と冷静なっていき、一つの疑問が浮かんできた。

 

…この状況どうしよう!?

 

まず、先生を休ませるところに関してはシャーレやミレニアムは論外、今のみんなは先生の話をするだけであんな反応をするんだ、鉢合わせでもしたら、もってのほかだ…。また、最悪の場合キヴォトス全体の生徒がミレニアムみたいなっているのだとしたら、他の学園、病院などの生徒に鉢合わせる場所には行けない…。ベットがあり、絶対に他の生徒に鉢合わせない場所など一つしかない…。

 

「俺の家しかないかぁ…」

 

初めて、異性を家に入れるのが、こんな状況になるとは想像できなかった…。

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

「ただいま…」

 

何日ぶりの家だろうか?誰もいないはずなのに、返事をしてしまうのは前世のくせなのだろう...。そんなしょうもない考えで今の状況に顔を背ける。先生は未だに俺の背中に寝ている状況に…。

 

「先生、先生、起きてください!」

 

やっとのこさ、先生を自分のベッドに眠らせることに成功し、濡れた服を少しでも乾かす為に起こそうとするが、一向に起きる兆しが見えない。もう、ベッドが濡れることに関してはつべこべ言っている状況ではない…。

 

「流石に服を脱がせられないなぁ…でもなぁ、服を脱がせないと悪化するもんなぁ…」

 

もう一度、先生を見るが、艶のある黒髪のロングに、生徒を見比べても遜色ないほどに容姿、華奢なのに出るところは出ている完璧な体型…。雨が濡れて、シャツが透けて、見ちゃダメなところが見えそうになっている…。

 

「…いや、いや、ダメだろ!」

 

首を振りながら、先生から目を背ける。自分のベッドに異性が寝ている、そんな意味わからない状況に動揺しているのか緊張のしているのかわからないが、どうしても、変なところに目を向けてしまう...。こんな状況のままにもするわけにも行かないので、先生の身体が冷えないように暖房などをつけ、その場を後にし、台所へと向かう。

 

「やっぱ、材料ないよなぁ…」

 

冷蔵庫に向かうが、やはり何もない。長い間、家には帰れないからと思い、腐らないよう、すべて食べ物を使い切ったことを思い出した。

 

「買い物いくしかないかぁ?でもなぁ、こんな状態の先生を置いていけるかぁ?」

 

もし、先生の状態がいきなり、悪化したら大変だ。しかし、あの状況で、先生がまともにご飯を食べれているのかも怪しい、すこしでも早くご飯を食べさした方が良いだろう。ここは、手紙を残し、すぐに買い物をおわらせるべきだと結論づけ、出掛ける準備を行う。

 

「先生、行ってきます」

 

多分、聞こえてはいないと重いながらも、家に誰かいるという感覚を懐かしく感じながら、家を飛び出した。この時、家を出たことを後悔することになるとは思ってもいなかった…。

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

「おっ、これ安いな。」

 

何日も食べていなかったのに、いつも自分が食べているようなラーメンなどの味の濃いものを出すわけにもいかない、前世の風邪をひいた時に母親が作ってくれたものを思い出しながら、食材をカゴへと入れて行く。

 

「やっぱ、体調悪いときにはお粥なのかぁ…?」

 

「──柳先輩…?帰ってきてたんですか?」

 

その声をする方へ顔を向けると、菫色の髪をツーサイドアップにした先生達のメモロビ童貞を奪う100kg太もも…もといミレニアムサイエンススクールの生徒会「セミナー」の会計担当。早瀬ユウカが立っていた

 

「おっ、ユウカかぁ、久しぶり!」

 

「久しぶりも何も、帰ってきたなら、連絡一つしてください!」

 

「す、すまん、少し用事が出来てしまって…」

 

「まぁ…用事があったんなら、しょうがないですけど…」

 

そんな会話を続けていると、ドンっとユウカが後ろから押され、こちらに倒れてきそうになっていた。それを受け止めようと手を伸ばすと、ユウカもこちらに手を伸ばそうとし、抱き合うような形になってしまった。

 

「大丈夫か…ユウカ?」

 

「───だ、大丈夫です!?」

 

自分以上に、顔を真っ赤にしながら動揺している姿を見て、どうにか、平静を保っていると、動揺しているのか、段々とユウカの抱きしめる力が強くなっていく。美少女に抱きつかれている幸せという天に召されるほどの幸せがあるが痛みが段々と強くなっていた。

 

「ユ、ユウカ、少し落ち「ピシッ…」えっ…」

 

自分のした方で鳴ってはいけない音が鳴った。下の方をみると自分の一つの足がユウカの足で奇跡的にプレスされている。このままだと、本当の意味で天に召されてしまうッ…

 

「ユ、ユウカ、あせっ、るのも、分かるけど、いっ、回落ち着いて…」

 

「…あっ、すいませんっ…」

 

ユウカは冷静さを取り戻したことにより、何とか足を救出させることに成功する。ギリギリ致命傷といったところでなんとかおさめることができた…。

 

「そ、そういえば、今日は何をしにきたんですか?」

 

恥ずかしさを隠す為なのか、ユウカは話を変えようとしている。

 

「ちょっとな、久しぶりに帰ってきたんだから、自炊でもしようかなと思って、材料買いに来たんだ」

 

「なるほど…あれ?材料それだけですか?」

 

せっかく自炊するのだからと言って、卵と米だけなのは、やはり怪しかったのだろうか?ユウカは疑問に思ったらしい

 

「ちょっとな、先…」

 

嫌な予感がした。ノアに先生のことを話した時のような嫌な予感が…。やはり、ノアと同じセミナーのユウカに話すのは危険であると感じ、ギリギリの所で止めることができた。

 

「え〜っと、いきなり黙ってどうしたんですか?」

 

「帰ってきて早々体調が悪くてな、お粥でもつくろうかと思って…」

 

「えっ!?大丈夫ですか?」

 

なんとか誤魔化すことが出来てたのだろうか?自分の嘘をユウカは信じてくれているようだ…。

 

「えっ〜と、体調良くないなら、わ、わたしが代わりにお粥作りましょうか?」

 

「い、いや、申し訳ないから、良いよ」

 

顔を真っ赤にしながら、ユウカは提案してきた。非常にありがたい申し出だが、今、家に入れるわけにはいかないため何とか断ろうとする

 

「ほんとに大丈夫ですか?わたしが作りますよ?」

 

いつもと違い焦っていることに気づいたのか、ユウカは本気で心配している様子だった。なんとか誤魔化せるような嘘が思いつかなく、周りを見渡すと時計があり、もう家から出て1時間が経っていた…。

 

「す、すまん用事あったの忘れてた。」

 

ユウカに申し訳ないと思いながらもそんな言葉を残し、逃げるように自分の家に帰る。

 

 

 

 

「えっ、柳先輩!?───行っちゃった…」

 

何処へ急ぐ先輩に呆気をとられていると、スマホに通知が届いた。どうやら通知はモモトークのようだ。グループトークに送られてきた写真を見た瞬間、わたしの中が嫌悪感と嫉妬心で埋め尽くされた…

 

 

その写真に写っているのは柳先輩が先生(あの女)を背負っている様子だった…

 

 

 

 

─────────────────────

 

逃げるように店を飛び出してきたせいで乱れている息を整えて、ドアを開ける。

 

「先生、大丈ぶっ───」

 

次の瞬間、人がぶつかってきた。その衝撃で尻餅をついてしまう。その人物はまるで肉食動物獲物を逃さないように自分を捕まえる。その人物へと目を向けると確かにベッドで寝ているはずの先生であった。

 

「先生!元気になっ「誰?」えっ?」

 

「───トオル、誰と会ってきたの?」

 

ぶつかってきた人物は、先生である。それは紛れもない真実だった。しかし、いつもの先生ではなかった。その瞳はいつものハイライトのあるキラキラとかしたものではなく、真っ黒な光一つとしてない瞳だった…

 

 

 




まずは遅れてすいません…書きたい展開は思いつくのですが、文才がなくて、中々どう表現して良いと悩んで、腕が動きませんでした…
これからも少しづつ更新できるよう頑張っていきます!


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