身体から大量に金属製のバッタが出てしまう女の子   作:鳥松

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中途半端なところで終わります
あと地の文を減らしてみました。


五話 戦闘訓練編①

五話

 雄英生活2日目。

 雄英高校は偏差値70を超える学校。授業数は平日7単位で土曜日は6単位、日曜日だけは休みであるが他の学校と比べればかなり日程がぎっしりである。授業内容は基本5科目とヒーローについての授業であり、ヒーロー養成校という側面もしっかり持っている。

 

「んじゃ次の英文のうち間違っているのは?」

 

「「「…………」」」

 

「おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれーー‼︎‼︎」

 

 (((普通だ……)))

 

 (4番……?)

 

 だからこそ授業内容は教師によってクセがあるものの、大体普通である。コガネもプレゼントマイクではなくクラスのテンションにみを任せ、必死についていこうとしている。

 そんなプレゼントマイクの英語の授業が終わると昼食の時間となり、クラスの全員が待ったであろう授業、ヒーロー基礎学が始まる――!

 

「わーたーしーがー!!!」

 

 

「普通にドアから来た!!」

 

 

 授業の本鈴とともに力強くドアが開き、筋肉モリモリの大男でコガネの超えるべき目標ともなっているNo. 1ヒーロー、オールマイトが教室に入室した。

 今回のヒーロー基礎学はコガネも楽しみにしていた大イベント。先日この時間の担当教員がオールマイトであるという話を盗み聞きしてからコガネは楽しみなのか怖いとでも思っているのかドキドキが止まらず、眠れなかった。

 

 

「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!そしてそいつに伴って・・・こちら!入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた…コスチューム!!」

 

 

教室の壁が迫り出して、コスチュームが入ったロッカーが現れる。これには全員のテンションが上がる。中には立ち上がって喜ぶクラスメイトもいる。

 

 

「着替えたら、順次グラウンドβに集まるんだ!」

 

 コガネもコスチュームの入ったアタッシュケースをロッカーから取る。しかしコガネは目の前の念願の相手、オールマイトしか視界に入らず、ついオールマイトをガン見してしまう。

 

「む、虫明少女……?」

 

「はっ!いえ……すみません」

 

 そんな視線はオールマイトはもちろん、自分の後ろにいた麗日にもバレバレで……ニマニマと『珍しいものをみた』とでも言いたげな表情をしている麗日がそこにはあった。

 そんな麗日の表情にコガネは更衣室に向かう途中でようやく気付いた。

 

「……なに?」

 

「いやぁ〜虫明さんもオールマイト好きなんやなあって」

 

「…………は!?」

 

「あれ、違うの?だってあんなにオールマイトのことガン見してたし」

 

「あっ、あれはそういう意味じゃ……!!」

 

「えー!?何々!?恋バナ!?」

 

「違う!」

 

 盛大な勘違いをしている麗日に加え、テンション高めでピンクの肌に白い角と髪が特徴的なクラスメイト、芦戸三奈が話に突然乱入したことで話に収集がつかなくなった。コガネは今まで誰にも見せたことのないくらい動揺して反論したがそれもなんだかんだ珍しいからと火に油を注ぐように二人の反応を助長させた。

 

 

 ◇

 

 

 そして女子更衣室に到着するとコスチュームに着替えながらコスチュームについて楽しそうに話す生徒の姿があった。主に話の渦中にあったのは推薦入試で合格した実力者、八百万百だろう。

 

 

「ヤオモモ露出多すぎない!?なんで!?」

 

 

「い、いえ要望通りですわ。むしろ減ったぐらいですので…」

 

八百万が言うには、『創造』で服を破らずモノを生み出すために、露出が多い方が良いのだという。にしても彼女のコスチュームは布面積があまりにも少ない。

 

「な、なんかパツパツスーツになってる……」

 

 コスチュームを着終わった麗日が姿見で自分の姿を確認しながら呟いた。

 

「麗日、そんなことを気にしているようでは、まだまだだね」

 

「いや逆に虫明さんのはシンプルすぎない!?全身黒のボディスーツだけ!?」

 

「私のは個性的にこれが最適解。それに私は麗日と違って恥ずかしがることなんて……ん?」

 

「明らかにさっきの仕返しと思われるマウントがぁ……意外に負けず嫌いや……」

 

 コガネのコスチュームは個性の性質上、黒のボディスーツのみであり、着替えも早く終わった。がしかしコスチュームの入っていたアタッシュケースにまだ中身が残っていることに気付く。

 それは一枚の紙。裏面にメッセージが書いてあることに気付き、読んでみると――

 

 『やあ!お馴染みの博士だ!元気にしてるかな?早速だが君の部屋にあったコスチューム申請書、最初見た時恐ろしくつまらなく感じてね!勝手だが手直しさせてもらった!というかあの初期案は何かね君のような年頃の女の子が身体のラインを軽々しく見せる服など――!』

 

 ここまで読んでコガネは紙を握り潰しした。

 

「わっ、む、虫明さん?」

 

 私の部屋に博士が入った?勝手に?しかも申請書を手直し?何を言っているんだあの人でなしは。

 

「む、虫明さーん……?」

 

「クソッ……」

 

 心配する麗日を横目にコガネはアタッシュケースを漁り、申請書のコピーを見るとそこには自分の書いた申請書の他にもう一枚の用紙が確かにあった。肝心の追加されたコスチュームを手に取って見てみるが――

 

 (……あれ、意外とまとも?)

 

 彼女の服装は、黒一色のスーツだった。

立ち襟のジャケットに細身のパンツ。

どこか制服を思わせるその装いは、派手さこそないが、確かな存在感を放っている。そしてその服装には一つ装飾品が入っており、コガネはそれも首につけてみる。

 

 (なんの冗談なのこれ……私キリシタンじゃないんだけど。というかこれをつけるってことはこの服って神父の服?)

 

 金色の十字架がついたネックレスをつけるコガネはそんなことを考えていた。確かに動きやすく、自分の身体によく馴染む服であった。

 そしてこのコスチュームの機能面で言えば防刃、防火、防寒、防弾、サイズ可変可能というコガネにとって欲しい機能が全てついているという都合のいいものだった。

 

 (おのれ……こんな良い機能なかったら脱いでたのに……)

 

「あれ!?というか虫明さん普通に服着てるやん!それ神父さんの服?強そう!かっこいいね!」

 

 着替えたコガネを見た麗日がここぞとばかりにコガネを褒め称える。自分が褒められるのは悪くないが博士が考えたコスチュームのおかげで褒められたと考えるとなんだか複雑な気持ちを抱えざるを得ない。

 

 ◇

 

 そうしてコガネ含めた全員がコスチュームを着用し、グラウンドβに到着するとシルバーエイジ時代のコスチュームを着たオールマイトが仁王立ちで待っていた。

 

「始めようか、有精卵共!!! 戦闘訓練のお時間だ!!!」

 という、ちょっとセンシティブな掛け声と。

 

「良いじゃないか、皆。カッコイイぜ!!」

 という、褒めて伸ばすタイプの一言からオールマイトの授業は始まった。

 

 次にオールマイトは、今回の屋内対人戦闘訓練について説明を始める。

 

「君らには、これから「敵組」と「ヒーロー組」に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

 基礎訓練もなしに?という蛙吹の質問を機に、A組のみんなからは質問が殺到して、オールマイトは「んんん〜〜、聖徳太子ィィ!!」という謎の呻き声を挙げた。

 

 

 オールマイトのカンペによると。

 核兵器を所持してビルに立て篭もった敵側をヒーロー側が処理するという設定。

 ルールとしては、制限時間付きでヒーローが敵を捕まえるか核兵器に触れるかで勝利。敵側は制限時間まで核を守るか、ヒーローを捕まえることで勝利となる。

 とのこと。

 

 

組分け

A: 緑谷 & 麗日

B: 轟 & 障子

C: 八百万 & 峰田

D: 爆豪 & 飯田

E: 芦戸 & 青山

F: 虫明& 口田

G: 耳郎 & 上鳴

H: 蛙吹 & 常闇

I: 葉隠 & 尾白

J: 切島 & 瀬呂

 

 コガネのペアは口田という生徒。

 いわゆる異形と呼ばれる普通の人間とは少し姿が違うような人たち。今の時代、差別などは少ないが今でも地域によっては差別が根強い。

 口田は岩のような体表を持っていて多少人間離れした姿を持っているが、コガネには差別などの意識はカケラもない。

 

 (口田……教室で喋ってるところ見たことないな……ちゃんと喋れるかな、私)

 

「それでは早速……最初の対戦相手は……こいつらだ!!」

 

そうして取り出されたのはAとDのボール。

緑谷出久、麗日お茶子と爆豪勝己、飯田天哉の組み合わせだった。

 

「負けた方はほぼ無傷で、勝った方が倒れてら……」

 

 緑谷・麗日ペアと爆豪・飯田ペアの戦闘訓練は壮絶だった。

 緑谷は爆破によるダメージによってコスチュームがボロボロもなったが、中身の方も例のデメリットによって腕をボロボロに。

 爆豪の軽い一撃でフードが消し飛ぶのは、少しコスチュームの強度が心配となったが、緑谷のコスチュームが特段弱かっただけだと思いたい。

 ついでに、麗日も個性のデメリットによるものか、ゲロを吐いていた。

 

 

 勝者のダメージの大きさだけでなく、緑谷・麗日対爆豪・飯田戦はその戦闘の質も高かった。

 

 爆豪の放った大爆発。緑谷のビルの全階層を縦に突き抜ける一撃。

 

 目立つ要素だけを取り沙汰してもこの派手さ。加えて、緑谷の爆豪への的確なカウンターや爆豪の目眩しなどを織り交ぜたトリッキーな動き、緑谷と麗日の離れた位置での連携など、技術の高さも窺えさせる内容だった。

 

 爆豪の独断専行や、麗日の気の抜けなど、粗い部分もあったものの、以降の訓練に良い意味で影響を与える一戦となっただろう。

 

 

 

 しかしながらその次の試合は、緑谷たちの試合のように模範となるような部分は何もなかった。

 

 轟焦凍。

 彼の個性【半冷半燃】は、ペアの障子目蔵の索敵能力など等閑なおざりにして、ヴィラン組の尾白と葉隠をビルごと凍りつかせた。

 個性の出力、使い方全てのレベルが高い生徒だった。

 

「じゃあ気を取り直して次のチーム!!」

 

「次はコイツらだ!!!」

 

 そして取り出されたボールはFとJ。

 コガネと口田ペアがヒーロー側、瀬呂と切島ペアがヴィラン側で組み分けが決まった。

 

「さて、ルールはこれまで通りヴィランチームが先に入って5分間セッティングだ!お互い今までのチームの反省を活かして取り組むように!」

 

 オールマイトがそういうとコガネたちはそれぞれの待機位置へと移動した。

 コガネと口田は待機位置に移動すると作戦会議を始めた。

 

「…………」

 

「…………」

 

 (え、どうしよう……)

 

 互いに無言であった。

 お互いがお互いを警戒して話さないとかそういうことでは一切なく、ただ互いに喋るのが下手であったために気まずい沈黙が流れる。彼らもこの状況が良くないことが分かっているために内心焦りまくりである。

 

 (な、何か話さないと……まずは〜……自己紹介だ、自己紹介をしないと)

 

「私は――」  「僕は――」

 

「「あっ……」」

 

 再び沈黙が流れる。不運にもお互いに話すタイミングが被ってしまった。

 

 (ええいままよ!)

 

「……私は虫明、コガネ。個性は『飛蝗』身体か飛蝗を出せる…けど……あなたは?」

 

「ぼ、僕は口田甲司……個性は『生き物ボイス』で……動物たちにお願いするとそれ通りに動いてくれるんだ」

 

 (なるほど、つまり動物に命令を出して操る個性ってことね……)

 

「ねぇ、それって虫には指示出せる?」

 

「う、うん……ちょっと苦手だけど……」

 

「じゃあ私の飛蝗に指示が出せるなら……面白いことができそう」

 

 コガネはニヤリと笑いながら作戦を思いついた。




長くなりそうなので一旦ここで終わります
コガネのコスチュームのモチーフはzeroの言峰神父の服です。
メタルクラスタホッパーの元ネタがキリスト教のアバドンっぽいのでそれ繋がりで神父服にしました。感想でいただいた案も考えてみたのですがどうしてもイメージが合いませんでした。案を下さった方ありがとうございました。
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