既知に未知満ちている。   作:ぬどん

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SCP-XXXX-JP - 「清掃アルバイトさん、現場入りまーす」

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid(たぶん)

 

特別収容プロトコル

 

SCP-XXXX-JPの「清掃員」個体を拘束する試みは過去██回行われたが、すべて翌朝には居なくなっていたため、以後の拘束は不要とされた。

代わりに、財団は**「現場にSCP-XXXX-JPが来る前に片付ける」**という新方針を採用。

ただし、たいてい向こうのほうが早い。

 

SCP-XXXX-JPの活動を観測した場合は、現場記録を優先しつつ、**「作業中の方お疲れさまです」**などと穏やかに声をかけること。

攻撃・妨害行為は「業務妨害」に該当するらしく、彼らはため息をつきながら無言でモップを投げてくる。

 

説明

 

SCP-XXXX-JPは、日本各地に出没する「アルバイト清掃員」の集団である。

出現場所はおおむね事件現場・事故現場・財団収容違反後の廃墟など。

 

彼らはいつのまにか現場に入り込み、黙々と清掃を開始する。

不思議なことに、清掃後の現場は異常現象を含めて完全に“片付いて”しまう。

血痕、遺体、破壊された壁、時にはSCPオブジェクトまでもが、見事に消える。

しかし本人たちは一様にこう述べる。

 

「俺たちは掃除してるだけっス」

 

行動パターン

 

現場到着後、黙々と清掃を開始

 

財団職員や警察が「ちょっと待ってください」と言うと「すぐ終わりますんで〜」と返答

 

拘束・逮捕された場合も、次の日には警察署から自然消滅

 

その翌週、別の現場に普通に勤務

 

なお、SCP-XXXX-JP個体の多くが「バイト代」を受け取っており、

支給方法は現金、または**現物支給(例:コンビニ弁当・商品券・掃除用洗剤1年分)**など多岐にわたる。

受け取った物品には異常性は確認されず、完全に一般流通品である。

 

インタビュー記録 XXXX-JP-β-2

 

対象: SCP-XXXX-JP-14(男性、推定20代、作業服姿)

インタビュアー: ██研究員

 

██研究員: あなたはどこから派遣されてるんですか?

SCP-XXXX-JP-14: アプリで入ってきたんで。現場番号書いてあったっス。

██研究員: アプリの運営者は?

SCP-XXXX-JP-14: 知らないっスけど、レビュー星4.8なんで安心かと。

██研究員: 給料はどうなってますか?

SCP-XXXX-JP-14: んー、先週は現金。今週は焼肉券っスね。

██研究員: ……それで生活できてるんですか?

SCP-XXXX-JP-14: 清掃代が出るだけマシっスよ。前の現場は財団さんが爆発させた後でしたし。

 

補遺 XXXX-JP-1

 

事件記録: 20██/██/██、サイト-██でSCP-████の収容違反後、財団職員が到着した際、すでに現場はモップ掛け済み。

職員の机には以下のメモが残されていた。

 

「次からは先に言ってもらえると助かります。床が焦げると落ちにくいんで — 清掃課バイト代表」

 

補遺 XXXX-JP-2 - 「消えた拘束者」

 

SCP-XXXX-JP個体を拘束・監禁したところ、翌日には部屋ごと清掃済みになり、

代わりに「清掃完了報告書(財団様宛)」が机上に残されていた。

 

報告書末尾には、

 

「今週も安全第一でがんばります(バイトリーダー)」

の署名があった。

 

財団メモ

 

備考:

SCP-XXXX-JPは一部職員の間で「便利だからもう雇えばいい」との声も出ている。

だが、前回試しに財団経由で依頼した際、サイト長の机まで片付けられたため、現在は利用禁止。

 

  メモ: SCP-XXXX-JPはおそらく世界の“後片付け”そのものを担う存在である。

しかし、当人たちにとってはそれがただの「時給制バイト」でしかない。

それが世界の維持の要であろうと、彼らはきっと言うだろう。

 

「あ、今日も残業っスか?時給出ます?」

 

補遺 XXXX-JP-3 - 「財団からの正式依頼事件」

経緯

 

20██/██/██、サイト-81██にてSCP-████収容違反後、現場復旧作業が滞っていたため、██研究員が「試しにアプリに依頼してみよう」と提案。

アプリはインストール不要でサイト内部端末から自動的に起動し、

「清掃希望箇所」「希望日」「支払い方法」を入力するフォームが出現した。

 

██研究員は冗談半分で「サイト-81██、廊下全域」と入力、支払い方法を「経費で処理」と選択。

約3分後、廊下の照明が一斉に点滅。

職員たちが駆けつけた時には、SCP-XXXX-JPの清掃員7名が既に現場入りしていた。

 

██研究員: あ、来たんだ……。あの、依頼って確認しました?

SCP-XXXX-JP-07: はいー、廊下一式“特Aコース”っスね。追加で床ワックスも入れておきます?

██研究員: あ、お願いします。

SCP-XXXX-JP-07: オッケーっス。お支払い、財団ポイントでよかったっスか?

██研究員: ……そんな制度ありましたっけ?

SCP-XXXX-JP-07: あ、じゃあ現物払いで。おたくの“D”さん余ってるみたいなんで。

 

この時点で財団は即座に作業停止を要請したが、清掃員らは「契約成立済みです」の一点張りで作業を続行。

作業完了後、サイト-81██の廊下は**構造的に“新品同然”**になり、

一部の職員IDカードが「通らなくなった」。

※カードリーダーが「旧型ゴミ認定」として廃棄扱いにされたため。

 

補遺 XXXX-JP-4 - 「アルバイト採用試験」

 

財団はSCP-XXXX-JPの活動実態を把握するため、

Dクラス職員(以下、D-11983)を対象に清掃員としてアプリを通じた就職申請を試みた。

 

3分後、端末画面に「一次面接のご案内」が表示され、

サイト内の休憩室に**黒いポロシャツ姿の面接官2名(SCP-XXXX-JP個体)**が出現した。

 

面接記録 XXXX-JP-A-1

 

面接官: はい、それじゃあ志望動機からお願いしまーす。

D-11983: 財団の清掃にも関わりがあるんで、まあ経験になるかと……。

面接官: あー財団さんね、以前依頼くれたとこっスね。評判まぁまぁでした。

D-11983: え、評判あるんすか?

面接官: 口コミです。主に異常現場から。

D-11983: ……はぁ。

面接官: あと確認なんすけど、逃げても戻ってくるタイプっスか?

D-11983: え?

面接官: 大丈夫っス、うちそういう人多いんで。じゃあ採用です。来週から“第六実験室”お願いします。

██研究員: ちょっと待ってください、それ財団の実験室じゃ──

面接官: あー安心してください、ちゃんと請求書出しときますんで。経費扱いで。

 

結果

 

翌週、D-11983は「第六実験室」に出現し、SCP-XXXX-JPの制服を着用して完全に現場清掃を遂行。

作業終了後、同職員は財団の記録上から消滅したが、

アプリ内「勤務履歴」に**『初勤務お疲れさまでした!評価:★5.0』**と表示された。

 

報酬欄には「昼食券(500円)」の文字が確認されている。

 

補遺 XXXX-JP-5 - 財団人事部からの通達

 

通達番号: JP/HR-████/████

 

財団職員各位

 

最近、財団端末にて「清掃スタッフ募集中」「時給応相談」などのポップアップが表示される事例が多発しています。

決して応募しないでください。

 

応募者の中には、既に“財団内清掃完了扱い”となった職員が数名確認されています。

彼らの机は綺麗に磨かれており、椅子の下に「お疲れ様でした」のメモが残されていました。

 

— サイト-81██ 人事部

 

終章メモ

 

SCP-XXXX-JPは、どこからともなく現れ、必要な時に清掃を行い、そして消える。

その“必要”を決めているのが誰なのかは不明である。

 

ただ一つ確かなのは、

世界が少しでも“汚れた”とき、

彼らが時給制でやってくるということだ。

 

「次の現場、SCP-████関連っスよね? あれマジで汚れるんで、長靴持っていきます」

 

  財団注記: SCP-XXXX-JPの採用窓口は現在「応募殺到」により一時停止中。

応募フォームに入力すると、ブラウザが自動的に**“清掃中”**に切り替わる。

 

補遺 XXXX-JP-6 – 清掃労働争議事件(通称「モップ紛争」)

概要

 

20██年██月██日、SCP-XXXX-JP個体群(以下「アルバイト派」)が、同様に異常清掃活動を行う株式会社████清掃管理部(以下「会社員派」)と、**財団現場職員(清掃監督担当)**の間で発生した労働権利を巡る三者紛争事件。

 

事件の発端は、アルバイト派が使用していた「財団支給型万能洗浄液(試作品)」の使用期限表示が曖昧だったことに起因する。

アルバイト派は「期限切れの洗剤を使わされた」として抗議。

一方、会社員派は「うちの下請けじゃない」と主張し、

財団職員側は「そもそもあなたたちは財団職員ではない」として責任を否定した。

 

会場記録(要約)

 

場所: サイト-81██ 第三会議室

出席者:

・SCP-XXXX-JPアルバイト代表(自称バイトリーダー)

・株式会社████清掃管理部 部長代理(正社員)

・財団労務監督官 ██博士

・第三者立会人(財団法務部 弁護士)

・通訳(なぜかSCP-XXXX-JP個体が担当)

 

開会(記録抜粋)

 

弁護士: それでは、異常清掃労働に関する雇用・報酬・安全基準の確認を開始します。

バイトリーダー: はい、よろしくお願いしまーす。

部長代理: 当社はこの“バイト組”とは一切契約関係がありません。勝手に現場入ってきて勝手に清掃するんですよ。

バイトリーダー: いやいや、案件番号と現場コードが出たから来たんすよ。アプリに出てました。

博士: その“アプリ”が問題なんだよ。どこの組織が発注してるかも不明なんだから。

弁護士: では確認しますが、報酬は?

バイトリーダー: 今月はコンビニチケットでした。

部長代理: 当社は正社員に時給換算で1,500円支給してます。

博士: そもそも財団の支給基準では、現物払いは禁止のはずですが?

バイトリーダー: でも焼肉券は価値ありますよ?(※会場笑い)

 

討論の白熱化(記録要約)

 

議論は「最低賃金の適用範囲」「雇用者の所在」「清掃用具の耐用年数」など多岐にわたり、

最終的に財団側の労務監督官が「じゃあ財団が雇用主でいいですよ!」と発言した瞬間、

会議室内の照明が一斉に消灯。

 

再点灯時、会議室は完全に清掃済みになっており、

机上に以下の文書が残されていた。

 

文書XXXX-JP-L/争議終了報告書(手書き)

 

【件名】 労働争議に関する決着について

 

・アルバイト派:最低賃金の適用を“気分次第”とする。

・会社員派:責任範囲を“床まで”に限定。天井は不可。

・財団職員:依頼時には清掃依頼フォームの「雇用関係なし」にチェック必須。

 

以上の条件により、現場は綺麗にまとまりました。

 

追記:

財団の洗剤、泡立ちいいんでまた使わせてもらいます。

 

バイトリーダーより

 

補遺 XXXX-JP-6-2 - その後の影響

 

財団法務部はこの件を受け、「異常労働基準に関する臨時委員会」を設立。

しかし初回会議は、委員会室が事前に清掃済みかつ椅子ごと消滅しており中止。

 

株式会社████清掃管理部は、以降「異常現場立入申請書」に“バイトに先を越されないように”の項目を追加。

 

財団労務部が出した清掃員への危険手当改定案は、提出後30分でアプリに吸い込まれ、ステータスが「清掃済み」と表示された。

 

財団コメント記録抜粋

 

██博士: あのバイトリーダー、妙に交渉が上手いんですよね。

弁護士: 労働法、完璧に理解してました。多分、人間の時に訴えた経験ありますね。

博士: ……“人間の時”って言いました?

弁護士: え?

 

結語

 

「彼らは異常存在でありながら、最も人間的な“労働者”である。

法律にも神にも守られないが、

モップと時給を武器に今日も現場を磨く。」

 

— 財団労務報告書「異常労働環境の倫理的検討」より抜粋

 

補足メモ(法務部備考)

 

SCP-XXXX-JP関係者に対して「労働条件を確認します」と言うと、自動的に清掃契約が発動する恐れがある。

 

弁護人は必ずマスク・ヘルメット着用で立ち会うこと。

 

アプリ内の「就業規則」タブは常に“清掃中”であり、閲覧不可能。

 

  注:

現在、財団では「異常存在への最低賃金法」施行を検討中。

ただし、誰がその賃金を支払うかは未だ不明である。

(予算項目上、仮に“倫理的経費”として計上)

 

補遺 XXXX-JP-7 - 清掃員ストライキ事件(レビュー星3.2)

概要

 

20██年██月██日以降、SCP-XXXX-JPの清掃アプリ「CleanUp! β版(運営不明)」において、

利用者レビュー評価が平均★4.8から**★3.2**へ急落。

 

主なレビュー内容は以下の通りである。

 

アプリレビュー抜粋(自動翻訳ログ)

 

★☆☆☆☆:「うちのSCPが溶けた。返金してほしい。」

★★☆☆☆:「清掃後、床下の異常空間まで掃除されて収容違反が発生した。」

★★★☆☆:「対応は丁寧。ただしモップが多次元構造を破壊するのは困る。」

★★★★★:「めっちゃピカピカになった。次も頼みたい(by 財団職員:匿名)」

★☆☆☆☆:「勝手に現れて勝手に掃除するな!」

 

事件経緯

 

事の発端は、財団が1件だけ正式に発注した清掃依頼(補遺XXXX-JP-3参照)以降、

各地の民間・異常組織・そして**誰も知らない存在からの“迷惑依頼”**が爆発的に増加したことにある。

 

その多くは、**「異常汚染区域」「時空歪曲部屋」「存在しない建物」**など、

そもそも清掃が成立しない内容だった。

 

アルバイト派はそれでも真面目に対応しようとし、

多次元モップや反転洗剤など異常清掃器具を駆使した結果、

複数のSCPオブジェクトが巻き込まれて二次的収容違反を引き起こした。

 

財団通達抜粋

 

件名: 「清掃アプリ使用に関する緊急通達」

 

財団関連施設内において、SCP-XXXX-JPによる清掃行為を確認した場合、

速やかに作業停止を要請してください。

 

先日の事案では、SCP-███が“鏡面仕上げ”にされた結果、

反射した自身を観測し続けて収容違反に至りました。

 

また、アプリ内レビュー欄に「低評価コメント」を投稿することは禁止します。

(前回、バイトリーダーが閲覧して泣いて帰ったため)

 

— サイト-81██ 管理部

 

清掃員ストライキ発生

 

数日後、財団サイト各所で「異常な汚れ」が蓄積し始めた。

監視カメラには以下の映像が残されている。

 

[映像記録要約]

サイト職員が廊下の汚れを見つめている。

通常ならば即座にSCP-XXXX-JPが現れるはずのタイミングで、

床の上に**「清掃停止中。労働環境改善を要求します」**と書かれた張り紙。

 

張り紙の下には、使用済みのモップと1本のレッドペンキ缶が置かれていた。

(※ペンキは「労働」という文字の形で床に垂らされていた)

 

ストライキ声明(アプリ通知ログ)

 

CleanUp! β通知:

 

 【臨時メンテナンス中】 

清掃員一同、レビュー評価の不当な減点および賃金体系の見直しを求めてストライキを実施中です。

現在、世界は一時的に“汚れのまま”運営されています。

 

なお、財団の皆さまへ:

「ちゃんとした依頼」なら戻ります。

 

★応援コメントはこちら → [#CleanUp労働を支えよう]

 

財団内対応

 

財団弁護士: ストライキ?彼らに組合あるんですか?

労務官: あるらしいです。アプリ内に「組合チャット」ってタブがありました。

博士: ……入れますか?

労務官: 承認制でした。質問に“掃除の心得”って出てきます。

博士: それ答えたら?

労務官: 「お前もバイトか?」って返ってきました。

 

補遺 XXXX-JP-7-2 – 財団対応策

 

ストライキ収束のため、財団は臨時清掃交渉会議を設置。

交渉の末、以下の合意が成立した:

 

議題 結果

賃金体系 「星4.0以上を維持すれば報酬アップ」制度に改定

支給品の期限 「異常環境下でも腐らないモップ」支給で妥協

評価システム 財団による“星評価干渉禁止”が正式条文化

再発防止 「鏡面禁止リスト」作成(SCP-███含む)

交渉後ログ

 

バイトリーダー: 星戻りました?

博士: 今★3.9ですね。

バイトリーダー: あーあとちょいっスね。レビューで励ましコメントとかもらえると助かります。

博士: どこに投稿すれば?

バイトリーダー: アプリの「感謝フォーム」から。清掃後、自動で立ち上がりますんで。

博士: ……勝手に開くのか。

 

結語

 

ストライキは2週間後、バイトリーダーによる声明で終了した。

 

「現場は汚れても、心までは汚したくないっス」

— CleanUp! β 運営コメントより

 

以降、SCP-XXXX-JPによる清掃活動は部分的に再開されたが、

財団職員の間では**“レビューに星5を付けないと廊下が曇る”**という噂が広がっている。

 

  備考:

サイト-81██では現在、廊下に貼られた小さなプレートに「この現場は清掃員によって守られています(星評価:4.1)」と書かれている。

 

補遺 XXXX-JP-8 - 労災適用審査およびボランティア清掃令

概要

 

CleanUp! βによるストライキ終結後、

清掃員(以下、「アルバイト群」)の一部から、

作業中の**“異常接触による消滅、転移、再構成、精神的疲弊”**などを理由とした

労働災害(以下「労災」)申請が財団労務管理部に提出された。

 

提出経路は不明だが、

件名が「お掃除中の事故について(泣)」であり、

送信元アドレスは “cleanup_union@未知ドメイン” だった。

 

労災申請内容(抜粋)

申請番号 内容 状況

#1243 SCP-███清掃中に鏡像に吸い込まれる 回収不能(声だけ聞こえる)

#1271 SCP-███付近で「存在しない汚れ」を除去していたら自身が消えた 数時間後、別サイトで発見

#1289 高濃度ミーム汚れ除去中に“自己否定”を繰り返すようになった 現在も反省文を提出中

#1305 物理的な掃除機に精神を吸われる 医務室にて乾燥処理済

#1308 財団職員のコーヒーを誤って片付けた際に暴言を浴びた トラウマ判定(軽度)

審査会議ログ抜粋

 

出席者:

・財団法務部代表

・倫理委員会審査官

・CleanUp! β バイトリーダー(本人出席)

・労働監査AI(補助審査)

 

記録抜粋:

 

法務部: まず確認ですが、貴方たちは正式な雇用契約を結んでいないんですよね?

バイトリーダー: はい、アプリの「同意して始める」を押しただけッス。

倫理委員: 労働保険料の支払い履歴も……ありませんね?

バイトリーダー: 現金手渡しッス。あとたまに現物(謎の缶詰)です。

AI審査: “現物支給”は報酬と認定されます。よって、労災適用の余地あり。

法務部: えっ。AIさん、それ本気で?

AI審査: 労働実態あり。危険業務。社会的貢献高。合法的な労災対象。

バイトリーダー: よっしゃ! やっと掃除中に消えても保証されるッスね!

 

結果報告

 

審査の結果、CleanUp! βに従事するアルバイト群は、

「準異常労働従事者」として暫定的に労災対象に認定された。

 

ただし、次の条件が付与される:

 

1. 財団・一般社会における清掃活動は、必ず上級監督者の許可を得て行うこと。

2. 財団指示なしに自主的清掃を行った場合、**減給または報酬差引(現物含む)**の対象とする。

3. 再三の違反者には、ボランティア清掃(無報酬・収容サイト内限定)を命じる。

4. 労災給付の請求時には、証拠として“作業前後のビフォーアフター写真”を提出すること。

 

補遺発表後の反応

 

CleanUp! β通知:

 【お知らせ】 

労災、通りました!✨

ただし「勝手に掃除」したら給料カットらしいッス。

 

これからは“ほどほどに”掃除します。

財団さんも汚したら申請してくださいね(重要)。

 

財団内部メッセージ抜粋

 

博士: 彼ら、また勝手に第5サイトの床を磨いてました。

管理官: 許可出してないよ?

博士: あとでビフォーアフター写真送られてきました。

管理官: ……減給処分で。あとボランティア清掃も追加して。

博士: 了解。メッセージ欄に「反省してます(涙)」って書いてあります。

 

結語

 

以降、SCP-XXXX-JP関連清掃員は、

財団・異常組織双方から「安全かつ適正な清掃依頼者」として再び受け入れられるようになった。

 

もっとも、

現在も財団サイトの掲示板には、次のような張り紙が貼られている。

 

“掃除は計画的に。”

“許可のない清掃は愛でも労災でもありません。”

 

  備考:

ボランティア清掃中の清掃員は通常よりも静かで、

時折「きれいだな……でも、これタダなんだよな……」と呟くという。

 

 

 

SCP-XXXX-JP - 「アルバイト清掃員」

 

オブジェクトクラス: Euclid(※財団委託下で限定的にSafe運用)

特別収容プロトコル:

SCP-XXXX-JP関連活動(CleanUp! βアプリによる自律清掃)は、

財団労務管理部の承認を経たうえで、

「下請け業務」として登録された範囲内でのみ許可される。

 

無許可の清掃行為は、減給および**ボランティア清掃(無報酬)**の対象とする。

 

説明

 

SCP-XXXX-JPは、未知の通信経路を介して出現する複数のアルバイト清掃員であり、

殺害現場、異常工場、財団施設、一般家庭など、

**「汚れ」「残滓」「痕跡」**を含むあらゆる現場に現れて清掃を行う存在である。

 

依頼元は不明だが、作業内容は常に詳細なマニュアル付きの指示書に沿って実施される。

指示書の発行者については一貫して不明であり、

財団・警察・その他異常組織のいずれにも該当しない。

 

行動記録(要約)

状況 結果

殺害現場に出現、警察捜査中に清掃を開始 証拠すべて消失。職員は「きれいだな」とコメント。

財団サイトの事故現場を無断で清掃 現場安全化、だが未報告。後日減給処分。

SCP-███清掃中、収容違反発生 「モップが反射しすぎた」と報告。

ストライキ発生 詳細は補遺XXXX-JP-7参照。

労災申請および制度化 詳細は補遺XXXX-JP-8参照。

補遺 XXXX-JP-9 - 財団下請け認定

 

労災審査を経て、CleanUp! β運営(代表:不明)と財団間で以下の業務委託契約が締結された。

 

契約名: 「異常環境下清掃業務 下請け契約 第1号」

契約主体: 財団労務管理部 / CleanUp! β(運営不明)

業務内容: 指定区域内の衛生維持および異常残滓除去

報酬体系: 星評価に応じた変動制+現物支給可

備考: 財団側からの“星1レビュー”は禁止(バイト士気低下防止)

 

清掃員コメントログ

 

バイトリーダー: 下請けって響き、なんかプロっぽくて嬉しいッスね。

博士: まぁ正式契約だからね。

バイトリーダー: これで堂々と掃除できますわ〜。……あ、でも星4以下だと減給なんで。

博士: そんな制度つけたの誰だ。

バイトリーダー: 財団さんスよ。

 

財団労務通達

 

件名: CleanUp! β 業務運用に関する留意事項

 

清掃活動を依頼する際は、**正式な発注書フォーム(F-CU-01)**を使用すること。

 

無許可清掃・無断依頼は減給・ボランティア清掃の対象となります。

 

清掃員からの「写真付き報告書」は財団記録として保存してください。

 

モップの反射角度には注意すること。

 

ボランティア清掃報告書抜粋

 

対象: サイト-81██ 廊下A区画

内容: 許可なく清掃を行ったため、反省として自主清掃中。

備考: 壁に「ごめんね♡」と書かれたポストイット多数貼付。

評価: ★4.8(清掃クオリティ高)

報酬: なし(本人納得済)

 

結語

 

SCP-XXXX-JPは、もはや単なる異常存在ではなく、

**“社会的に認可された清掃労働体”**として財団の運営に不可欠な存在となった。

 

彼らは今日も、

世界のどこかで許可を取り、星を集めながら、

静かに、確実に、痕跡を拭い続けている。

 

「仕事はきっちり。でもサボる時はサボるッス。」

— CleanUp! β バイトリーダー

 

  最終備考:

財団会計部は、SCP-XXXX-JPへの支払い項目を「異常清掃下請費(雑費)」として計上。

現在、領収書の発行元が存在しないことが監査上の最大の課題である。




掃除っていいですよね、綺麗になります。
物がなくなっていくのは果たして掃除だけなのか、ただ全てを破棄しているだけなのか。


タイトル: SCP-XXXX-JP - 「清掃アルバイトさん、現場入りまーす」
作者: ぬどん
ソース: http://www.scp-wiki.wikidot.com/
ライセンス: CC BY-SA 3.0
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