Fate/Magia Girl   作:サクラモッチー

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そういえば、Fate/Zeroの脚本家の人ってまどマギの脚本も担当したらしい。
つまりはクロスオーバー案件!!
個人的に例のショタが活躍する小説を書きたかったから、これもアリだよね!!
それに、魔法少女も魔法が付いてるから多分キャスターな気がする。


魔法少女の夜

「みったせ〜、みったせ〜.......」

 

1994年11月。

その日の夜はとても冷たく、とても残酷な程に月の光が輝いていた。

そんな月夜を尻目に、一人の男がとあるマンションにて不可解なことを行なっていた。

不可解なこと.....と言っても、それはあくまで何も知らない一般社会を生きる人々側からの視点のことで、雨生龍之介という巷を騒がしている殺人鬼にとって、それは自身のモチベーションの低下(殺人)を何とかするための行為であり、成り行きで発生した出来事であった。

 

そして、彼が行なっていた行為は魔術師達の世界で言うところの英霊召喚、つまりはこの星で活躍した英雄を使い魔として....サーヴァントとして召喚するという儀式で、雨生龍之介の先祖が陰陽師のような存在だったからか、たまたま英霊召喚の方法を知った彼はモチベーションの低下を何とかしようとする中で、この英霊召喚と呼ばれる儀式に手を出したのである。

そして、本来ならばその英霊召喚という儀式によって彼に下に現れたのは、狂気で溢れかえった魔術師....のはずだった。

 

ここでほんの少しだけ、とある男の子の話をしよう。

本来の世界線での彼は、雨生龍之介によって召喚された魔術師ことジル・ド・レェの策略により、まだ幼いにも関わらず無惨にも殺されてしまい、結果的に二人の仲が最狂最悪な関係性へと変化するだけではなく、更に仲が深まる要因となってしまった哀れな子羊であった。

そんな男の子だったが、今まさに自分が死の淵に追い込まれていたのを理解していたようで、心の底でこう強く願った。

死にたくない、生きたい.....と。

 

すると、彼のその生きたいという強い願いは通じたのか.....突然、部屋の中に描かれていた魔法陣が輝き出したかと思えば、その光が収まった時に召喚陣の上に立っていたのは、男の子の思いに共鳴したがために英霊として召喚された一人の少女、もとい青を基調とした剣士の姿をした一人の魔法少女であった。

彼女の前髪にはffの形を模った髪飾りが付けられていて、召喚陣の上に立つその少女の姿を見た男の子はもちろんのこと、この出来事を見た龍之介はポカーンの方を開いたまま、呆然とした状態になっていた。

 

「.....はぇ?」

 

そんな龍之介を尻目に、少女は主人である男の子の下に向かったかと思えば.....彼の拘束をあっさりと解くと、大丈夫だと言わんばかりにニコッと軽快な笑みを浮かべていた。

彼女の笑顔を見た男の子は、何故だかよく分からないが少しだけ安堵した気分になったのか、その場にペタリと座り込んでいた。

当の少女自身は一安心している様子の男の子に対し、優しい顔でこう言った。

 

「初めまして!!あなたが私のマスター....でしょ?」

「....え?」

「私は美樹さやか!!クラスはキャスター!!一応、魔法少女をやってま〜す!!」

 

魔法少女。

美樹さやかと名乗る少女が元気良くそう言った瞬間、当たり前だが男の子は信じられないという様子で目を見開いていたが、すぐに頬をつねって現実であることを理解すると、自分を見つめる彼女の顔を真っ直ぐ見ていた。

彼がそうなるも無理はなく....何しろ、今の今までテレビの中でしか出てこなかった魔法少女が目の前にいるのだから、男の子がそうなるのも無理はなかった。

 

「僕が.......マスター....?」

「うん、そうだよ」

 

男の子はキョトンとした様子でそう呟いた後、さやかが視線を手の甲に映していることに気が付いた彼は、自らの視線を手の甲へと移すと.....そこには何かの紋章らしきもの刻まれた手の甲があったので、男の子はギョッとした顔になっていた。

そういった様子の男の子やさやかとは裏腹に、龍之介は龍之介で男の子が彼女を召喚したのだと理解したようで、自分自身の端正な顔を悔しそうに歪ませた後、男の子とさやかに向けてこう言った。

 

「ゲッ!?マジかよ!?もしかしてあの子がこの女の子を呼び出しちゃったの!?」

 

龍之介の声に気が付いた男の子は怯え、さやかは臨戦態勢に入っていたが、そんなことはお構いなしに龍之介はナイフを片手に彼女が召喚されたことに関する愚痴をペラペラと語り始めていた。

その言葉を聞いたさやかは、雨生龍之介という人間に向けて何て自分勝手な異常者なのだろうと思ったのか、怒りのあまり手に持っていた剣の柄を強く握っていて、それを見た男の子はさやかが自分のために怒っていることを何となく察したのか、あるいは話が止まらない龍之介は恐怖を抱いたのか、自身のサーヴァントである彼女の後ろに隠れていた。

 

「困るよ〜、俺的には君を召喚すればモチベーションが上がると思ったのに〜」

「....そのモチベーションって言うのは、人を殺すためのモチベーションなの?」

 

さやかがそう言うと、彼女に対してよく分かってんじゃん!!という反応になる龍之介。

そして、龍之介がさやかの手を握ろうとしたその瞬間....彼女は剣を使って片手に持っていたナイフを弾き飛ばすと、そのまま彼の股間に蹴りを入れる形で金的を行った。

その直後、龍之介は物凄い悲鳴を上げながら悶え苦しみ始めていたが.....さやかは冷静に男の子の方を向くと一言、こんなことを言った。

 

「マスター!!とりあえずガムテープ持って来て!!」

「う、うん!!」

 

その後、さやかと男の子の手によって龍之介はガムテープでグルグル巻きにされ、男の子は自身が何とか生きていることに安堵したものの、それでも両親が殺されたことがショックだったようで、改めてこれが現実なのだと理解していた。

自身のマスターの様子を見たさやかは、目線を男の子に合わせると.....まるで励ますかのように彼のその頬を両手でプニプニしていた。

 

「確かにマスターの両親は殺された。だけど、マスターは生き残った。それだけでもマスターの両親は嬉しいと思うよ。まぁ、血の繋がりの無い使い魔が何言ってんだって話だけど」

 

さやかが苦笑いしながらそう言うと、突然男の子はさやかに抱きついたかと思えば、そのまま泣き始めたのでさやかは優しく微笑むとマスターである男の子か落ち着くまで隣に居た。

 

「そういえば、マスターの名前を聞いてなかったね」

「僕の....名前?」

 

しばらくして落ち着いた様子となった男の子に対し、そう声を掛けるさやか。

そんな言葉に対し、男の子はサーヴァントであるさやかの目をしっかりと見つめた後、彼女に向けて自身の名前を名乗った。

 

「ぼ、僕の名前は....楠木大樹だよ」

「大樹!!良い名前じゃん!!」

 

1994年11月のとある日の夜。

一人の男の子....もとい、楠木大樹が一騎のサーヴァントを召喚した。

召喚したサーヴァントの名は美樹さやか。

かつて、魔法少女でありながらも恋慕の末に魔女へと堕ちた悲劇的な少女であった。

 

これは、本来の時間軸とは別の物語。

または、少年と魔法少女が第四次聖杯戦争を生き抜く聖杯奇譚である。




楠木大樹
今回の主人公。
原作ではジル・ド・レェの策略によってコロコロされるものの、死にたくないと強く願ったことによってキャスターこと美樹さやかを召喚。
その結果、さやかと共に第四次聖杯戦争を戦うことになる。
龍之介は逮捕されるものの、両親が親戚と仲が良くなかったがために基本的にさやかと一緒に行動している。
さやかのことは頼りになるお姉さんとして尊敬している。

美樹さやか(キャスター)
大樹のサーヴァントとして召喚された魔法少女。
人魚の魔女として倒された後、一瞬だけ人間の意識を取り戻した直後に大樹の心からのSOSを受け取り、そして引き寄せられたことによってキャスタークラスのサーヴァントとして召喚された。
失恋+魔女化した後なので、割と吹っ切れているところはある模様。
マスターである大樹のことは弟のように可愛がっている。
つまりは良好な関係性。
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